不戦へのネットワーク

イラク完全撤退と空中給油輸送機配備に関する申し入れ(関西共同行動:2007年2月17日)

防 衛 大 臣   久間章生殿
第1輸送航空隊司令 兼小牧基地司令 浮須一郎殿

 久間防衛大臣は長官就任後、米英イラク開戦をめぐり、「大量殺戮兵器はなかった」「統治後の処方箋はなかった」などの発言をされ問題となっています。
 自衛隊最高幹部で「防衛族」長老格の久間氏が、こうした認識にもかかわらず、安倍首相は国会答弁で、当時の「判断は正しかった」とし、派遣の完全撤退どころか、7月期限切れの「特措法」をさらに延長しようとしています。
 ブッシュ大統領は「研究会」提言や米国民の世論を無視し、逆に2万人以上を増派しましたが、泥沼解決の見通しは全くありません。
 こうした状況のもと、陸自撤退後も空自隊員は、サマーワ駐屯以上の緊張を強いられるなかで輸送活動を継続しています。イラクからの帰還隊員の自殺もPTSD(心的外傷ストレス症候群)として問題化しています。携帯誘導弾スティンガー等で容易に航空機攻撃できる時代であり、泥沼化はこれらの危険度を増すのみです。速やかにイラクからの空自撤退を私たちは求めます。撤退はまた、ブッシュ大統領の頑迷なイラク政策の変更を迫ることにもなります。
 伝えられるところ、今月2月末にも空中給油輸送機の初号機が小牧基地に配備され、年度内には2番機も配備予定と聞きます。現在C−1輸送機(現27機体制)の後継機C-Xが導入開発中で、C-130(現16機体制)を上回る性能と伝えられています。
 専門家のなかにはこのC-130を給油機に改造すればとの意見もあります。移駐が問題となっている在日米軍KC-135給油機もほぼ同型機で、アラスカや西部空域でこれらから給油を受ける空自訓練が続けられています。
 今後4機導入のKC-767機は、給油と共に高い輸送力をもった輸送機です。特別機やC−Xなど多くの輸送機を揃えて一体何を運ぼうとするのでしょうか。
 空中給油機導入の歴史は爆弾を少しでも多く積み、遠隔地爆撃のための歴史でもありました。爆撃などあり得ないとしても、そうした戦力を持つことはアジア諸国の疑惑を招き、重大な脅威となって新たな不安定要因を生み出すのみです。
 私たちはKC-767給油輸送機の新配備撤回を要求します。一機約280億もする同機が配備されることに納税者としても強く反対します。

2007年2月17日

関西共同行動


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