有事法制反対ピースアクション

航空自衛隊のイラクからの撤退を求める申入書(2006年8月26日)

第一輸送航空隊司令、小牧基地司令 浮須一郎様

 はじめまして、私たちは有事法制反対ピースアクションという市民グループです。私たちは、たとえ地道で時間がかかったとしても平和的な方法で平和と安全を確保したいという思いで集まっています。そうした思いから、これまで自衛隊のイラクからの早期撤退についてもくり返し求めてまいりました。この小牧基地へも3年ほど前からほとんど毎月のように申し入れをして来ました。浮須司令のこの度の着任で私たちの申し入れも溝口司令、上田司令と続き3人目の司令への申し入れとなりました。私たちはこれまでのお二方の司令、また直接対応してくださる広報担当の方が、たびたびの私たちの申し入れについても誠実に対応してくださっていることに感謝しています。早くこのような申し入れをしなくともよくなることを願っておりますが、浮須司令におかれましても、これまでの司令同様、誠実な対応をしていただけるものと信じています。

 災害で苦しんでいる人たちを助けに行った者に石を投げる人はいません。しかし、イラクに派遣された陸自には石が投げられた聞きます。おそらく陸自の人にとってはとても不本意なことであったに違いありません。それはやはり今回のイラク派遣が単なる「人道復興支援」ではなかったと言うことだと思います。陸上自衛隊はギリギリのところで殺し殺されることなく帰ってきました。ギリギリだったと思います。この先このギリギリを越えた任務をしなければならない、その任務を強要されたのが航空自衛隊だと思います。武装した米兵の輸送はやめてください。もし、武器、弾薬に関わる輸送をしているならそれもやめてください。積み荷に何が入っているかチェックしてください。隊員の命を守る上で不可欠のことです。

 私たちはこの先どこまでこんなことが拡大されていくのだろうかと心配しています。米軍の要請のまま戦地派遣が続けられることは本当に日本の安全、平和にとって、役に立つのだろうかと心配しています。私たちは、この日本という国が安全で平和で世界の人々から信頼される国になってほしいと願っています。少なくとも軍事力で他の国を攻撃したり、占領したりということがあってはならないと思っています。またそうしたことを行うことに加担してもならないと思っています。

 イラクボディカウントというNGO組織があります。このNGO組織は米英軍のイラク開戦以来、イラクの民間人が米軍による掃討作戦や、この戦争によって引き起こされた様々な状況の中で、いつどこで何人の民間人が犠牲になったかを集計しています。報道されなかった死者は含まれていませんが、今年の8月20日時点で40592 人から45144人の民間人が犠牲になっています。これは、イラクの民主化にとって致し方ない犠牲なのでしょうか。これだけの民間人を犠牲にしてまだ「正義」があるのでしょうか?イラク国内の安全と安定が実は米英軍の占領によって破壊されているのではないでしょうか?イラクの人々が米軍を歓迎しているとはとても思えません。米兵も2500人以上が犠牲となっています。このまま現在の任務が続けられ、拡大されていけば、いずれ自衛隊も米軍の一部と見なされます。「人道復興支援」も「安全確保」も通用しなくなります。

 自衛隊員と言えど命を犠牲にすることを強いられてはならないと思います。そのような仕事が強いられることはあってはならないことだと思います。イラクにいったん派遣されてしまった今、次はどうなるのだろうと心配しています。どこかで歯止めをかけなければ自衛隊員の命はいくつあっても足らなくなります。

 私たちは浮須司令に、現在イラクに派遣されているC130輸送機と自衛隊員の早期の撤退が実現されるよう関係各方面にご尽力いただきたいと願っています。

 以上申し入れます。

2006年8月26日  有事法制反対ピースアクション (名古屋市昭和区白金1-13-10 TEL/FAX 052-881-3573)


有事法制反対ピースアクション