■不戦へのネットワーク

小泉首相靖国神社参拝に抗議文をおくりました。(2006年8月15日)

内閣総理大臣 小泉純一郎 様

 61回目の「終戦」記念日となる今日8月15日、小泉首相は、アジアの平和と友好を、心より願う多くの人たちの想いをふみにじり、靖国神社への参拝を強行しました。私たちは大きな怒りと深い悲しみをいだいています。私たちは、日本のひきおこした侵略戦争により、2000万人のアジアの人々、300万人にのぼる日本人が犠牲になり、亡くなられたことを知っています。そして今にいたるも、原爆や空襲の被害にあわれた人々、「従軍慰安婦」とされた人々、強制的に連行され働かされた人々らが、日本やアジア各地で、戦争被害の傷が癒されぬまま、日本の戦争責任を追及し続けていることを知っています。この人たちを前にして、小泉首相の靖国参拝の事実に、私たちはもはや言葉を失なってしまいます。小泉首相の靖国参拝はこれらの人たちを再び、いや、6たび、侵略し、蹂躙し、心を踏みにじったことになります! これはもはや犯罪的行為です! 「心の問題」を言うあなたの心はいったいどこにあるのでしょうか?

 靖国神社を参拝することは「国のために死ぬこと」を賛美することです。それは過去の侵略戦争を賛美することのみでなく、イラク派兵に続く新たな戦争、戦死を賛美することにつながります。そして、それは徹底して加害を正当化する行為です。戦争被害者に心をよせる行為ではありません。小泉首相が言うように、本当に、戦争犠牲者に想いをよせ、平和を願うのであるならば、侵略戦争の責任を明確にし、戦後責任を果たさなければなりません。日本は侵略戦争の反省のうえで、憲法を生み出しました。戦争放棄の9条や、政教分離の20条にはそのことがはっきりしめされています。この憲法の精神を守らなければなりません。首相の靖国参拝を違憲とする司法判断はありますが、合憲とする判断はいまだありません。

 戦争被害者の心を踏みにじり、憲法を踏みにじり、信頼にもとづく外交をつくりだすことのできない小泉首相に、心や平和を語る資格はもうありません。私たちは小泉首相の靖国神社参拝強行に強い怒りをもって抗議します。

2006年8月15日

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