■不戦へのネットワーク

(要請文)小樽港の軍事利用に反対し、米空母キティーホークの入港を拒否してください

小樽市長 山田勝麿 様

 私たちは、名古屋を中心に平和や人権の問題に取り組む、不戦へのネットワークという市民グループです。
5月29日、小樽海上保安部が、小樽市に空母キティーホークと随伴艦のカウペンスの「バース手配依頼」を提出したと言う情報を得ました。私たちは、山田小樽市長が両艦の入港を受け入れないように要請をいたします。

 民間港への米艦船の寄航は今年になって急増しており、私たちが住む名古屋港へも今年1月、米第7艦隊の旗艦ブルーリッジが市民に反対の声にも関わらず入港しました。その後も、2月には室蘭にチャンセラーズヒルとブルーリッジ、鹿児島にJSマッケーン、長崎にステザム、4月には秋田にステザム、大阪にカーティスウイルバー、5月には和歌山にカウペンス、佐世保に空母リンカーン、宿毛にラッセル、清水にシャウプが入港しています。このように民間港への米艦船の入港の激増が、「米軍再編」の中間報告の中で示された、「この検討作業は、空港及び港湾を含む日本の施設を自衛隊及び米軍が緊急時に使用するための基礎が強化された日本の有事法制を反映するものとなる。双方は、この検討作業を拡大することとし、そのために、検討作業により具体性を持たせ、関連政府機関及び地方当局と緊密に調整し、二国間の枠組みや計画手法を向上させ、一般及び自衛隊の飛行場及び港湾の詳細な調査を実施し、二国間演習プログラムを強化することを通じて検討作業を確認する。」と民間の港湾・飛行場の調査・使用の検討作業が確認」の実戦にあることは明らかです。また、周辺事態の際に自治体が管理する港湾や空港の使用を義務づけるように「周辺事態法」の改悪の検討に入ったと報道をされています。

 このような動きは、アメリカが行う先制攻撃も含めた対テロ戦争に際し、自衛隊のみならず、自治体の管理する港湾や空港の強制使用をめざす極めて危険な動きです。

 キティーホークは、2003年3月に始まったイラク攻撃に参加し、3500回に及ぶ空爆を行いました。カウペンスもまた、トマホークミサイルを発射しました。攻撃当初から、国際社会から多くの批判を浴びているイラク攻撃の中心的役割を担った艦船と「友好親善」ができるとお思いでしょうか。

 私たちは、戦前日本全国の港湾が侵略戦争のために使われたという苦い教訓から、港湾の平和利用を目的として港湾法が定められたと理解をしています。山田小樽市長は「市民感情も考慮して受け入れの是非を判断する」と表明されたとのことです。山田市長の判断を、港湾や空港の軍事利用をさせず、平和を願う全国の市民が注目しています。自治体の港湾管理権を充分に発揮し、キティーホークとカウペンスの寄航を受け入れないように、心から要請します。

不戦へのネットワーク

2006年6月8日


不戦へのネットワーク