有事法制反対ピースアクション

2005年9月24日、小牧基地申し入れ行動の報告

 2005年9月24日、小牧基地司令宛てに以下の要請書を届けました。
いつもは、一方的にマイクで喋って帰ると言うパターンなのですが、今日の当直の方は、30分ほど私たちの質問に応える形で対応してくれました。
 質問は以下のようなことを行いました。
1)来年度空中給油機の配備がされるが、基地北側の工事はその格納庫の工事か?
2)10月9日の基地祭のブルーインパルス飛行が中止になったがその理由は?
3)松島基地のブルーインパルス部隊の移転の噂を聞いているが真意は?
4)航空自衛隊は多国籍軍の指揮下で物資輸送をしているが、危険とは思わないか?
5)2年あまりの期間派兵されているが、複数回行っている隊員はどのくらいか?
などです。やり取りの詳細は省略しますが、「多国籍軍と調整はしているが指揮下には入っていない」と明言していました。

イラク撤退と派遣延長中止を求める要請書

航空自衛隊小牧基地
上田 益三 基地司令様

 もう何年もここにお邪魔し正門に立ちますと、人の気持ちは不思議なもので、抗議の思いを込めて申し入れに来ていますのに、なぜかこの場になじみ、応対してくださる隊員の安否を気遣う思いがつのります。それは、おそらく皆様が二年間も戦地イラクに派遣され続けても、制服を脱げば私たちと同じ市民であり県民であるという想いがあるからだろうと思います。私たちは、今の平和憲法がある限り、上田基地司令をはじめ隊員の皆様を自衛官と認めても、「軍人」であるとは思っていません。交戦権にない集団が軍隊であろうはずがありません。軍隊ではないと自覚されておられるからこそ、溝口基地司令は「平和時における活動が海外派遣の大前提であり、米国が勝手にはじめた戦争に日本はどこまで付き合うのか」という言葉を小牧基地に残され、宮崎へ転任されたのだと理解しています。

 しかしながら、皆様もご承知のように9月11日の選挙で自民党が勝ちました。憲法を変えるための発議権を手に入れ、11月に憲法草案を出してきます。草案には、9条2項に「自衛軍を保持する」と明記し、76条3項には「軍事に関する裁判を行うため、軍事裁判所を設置する」とあります。このような内容となれば、皆様は交戦権を持って海外派兵され、C130輸送機ではなく日本自衛軍機となります。軍人は制服を脱いでも軍人でなければなりません。自衛隊に関する法律も全て変わります。ご家族の皆様も「軍人の家族」となります。このようなことが9月11日の選挙結果に伴い、現実味を帯びてまいりました。
 私たちの平和運動の基本は、日本は交戦権を持つ軍隊を保持してはならない、いかなる理由があろうとも海外派兵をしてはならないという立場ですから、当然この憲法改悪に反対しています。この立場から、本日もまた上田基地司令に対し、いくつか要
請します。

 イラク北部の40万都市タル・アファルが9月10日以降、米軍に爆撃された上に、約1万人のイラク・アメリカ合同軍に包囲され、「外国のテロリスト対策」の名のもとに住民虐殺が続いています。イラクでは第2のファルージャと言っています。米軍はスンニ派住民が多数を占める都市を標的に攻撃し、10月15日の国民投票の期日まで攻撃を続けるつもりです。多国籍軍指揮下の皆様のC130が、米軍やその物資をクウェートからイラクに輸送していることを考えるとき、国民の税金がイラク人虐殺に使われていることは否定できず、1日も早く輸送業務をやめ、イラクからの撤退を防衛庁長官に要求せざるをえないと思います。

 C130輸送機を送り出している基地司令としては、クウェートやイラクに展開する部下たちの安全を毎日お考えのことと思いますが、部下たちの日々の業務が事実上アメリカ軍への全面協力である以上、米兵がイラクでなにをやっているのか、その業務がイラクの人々からどのように見られるのか、責任者として無視できないのではないかと考えます。敗退を繰り返す米軍に加担するのは、その敗北を引き受けるということになります。日本政府にはまだその自覚がありません。すでに9月20日の米軍発表で1907人の戦死者を出し、2000人を越えるのもあと一ヶ月足らずでなはいかと言われています。世界最強の軍隊がこの有様です。泥沼に落ち込んでいるこの状況で、12月14日の期限切れを前にして、今こそ即時撤退に向けた意見具申をしていただくことが急務です。ぜひ、撤退に向け最大限の努力をしてください。

 最後になりますが、日本政府にも大方の日本人にも、今、多国籍軍のもとで自衛隊がイラク戦争に参戦しているという認識が非常に薄いようですが、部下を戦地に送りつづける上田基地司令や戦地に送られている隊員の皆様には、当事者としてその自覚がひしひしと迫っておられると思います。ましてや隊員の皆さんの親御さんを含め、ご家族の皆様の緊張感はいかばかりかと察せられます。切実な皆様のご意見ほど重いものはありません。どうか新たに隊員を戦地イラクに派遣することのないように、派遣延長の中止を求める意見具申をしてください。

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