有事法制反対ピースアクション

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イラク派遣中止を求める申し入れ書

陸上自衛隊守山駐屯地
第10師団廣瀬師団長及び隊員の皆様へ

 前回12月25日の申し入れで「絶対安全宣言」のお願いを致しました。

1月30日の選挙を前にしてイラク・サマワの状況は急速に悪化しています。「部下の命を預かる第10師団長の責務として、第五次派遣隊からは一人の犠牲者も出さない」と発言なさることは、憲法99条「憲法尊重擁護の義務」を公務員として果たすことになり、1968年最高裁における「生命に関わる業務命令は拒否しても違法とはならない」という判決趣旨に沿うことになると考えます。
 イラクでは、今年に入って、1月30日をイラクの「テト攻勢の日にしよう」という声がひそかに広まっています。37年前、ベトナムで、アメリカ軍が決定的な敗北をしたあの「テト攻勢」のことです。1月7日、サマワのシーア派サドル派事務所代表のガジ・ザルガニ師は「自衛隊に対し、1月30日以降聖地ナジャフからどういう命令が下されるか、待つ」と声明しています。イラクの現状が悪化の一途をたどっている以上、「一人の犠牲者も出さない」という宣言は、次の行動「派遣中止」につながり、それは何よりも政府の作った「イラク特措法」という法律を守ることにつながるのだと私たちは考えます。

 無理に無理を重ねる結果、そのしわ寄せは第一に志願された隊員本人とその家族が背負うことになります。志願という形をとった防衛庁の強制を見逃すことは、市民・県民・国民として私たちの責任が問われることになります。本来ならば、日本政府に対して猛烈に「派遣中止要求」をすることが筋ですが、政府は命令だけ出してあとは知らん顔です。小泉首相は「これだけアメリカ兵が戦死している以上、自衛隊も一桁ぐらいは出さないとブッシュに顔向けできない」という心理に陥っています。一人一人の隊員やご家族の皆様を、小泉の政治の道具にさせてはなりません。派遣中止を視野に入れた勇気ある発言をしてください。

 1月21日から始まる通常国会の早い時期に、防衛庁は自衛隊法の改悪を準備しています。目的は一つです。海外派遣を本来任務にすることです。そうなれば、志願制もなくなり、いきなり本来任務の命令として隊員の皆様を戦地に送り込むことが可能になります。今こそ、イラクへ隊員を送り込むためにはなぜ志願が必要であったのか、お考えください。そして、派遣準備の最中であろうとも、さまざまな事情を抱えた隊員の皆様が辞退しても罰せられないこと、多少給料が下がる程度であることを、廣瀬師団長の口から直接部下に説明してください。部下の発言の自由を最大限に保障してください。

 自衛隊発足以来50年。「一人も殺さず、一人も殺されていない」・・・この素晴らしい伝統を汚さず、壊さず守り抜いてください。この伝統が壊れるとき、皆様はアメリカ軍の手下として使い捨てにされるだけです。

 最後になりますが、私たちは諦めることなくこの21日からの通常国会で「派遣中止とイラクからの撤退」こそが焦点となるように、与党野党を問わず働きかけます。そして、明日17日よりここ10師団正門前にて「取り返しのつかない事態となる前に、イラクへ行くことを中止してください」というお願いの座り込みに入ります。私たちの精一杯の本気を、座り込みを通して示していくつもりです。

廣瀬師団長及び隊員の皆様
 どうかイラクへ行かないでください。

2005年1月16日               
                    有事法制反対ピースアクション
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