有事法制反対ピースアクション

自衛隊のイラクからの即時撤退と、第5次派兵の中止を求める要請書

豊川駐屯地司令様
豊川駐屯地隊員の皆様

 私たちは、名古屋を中心に平和や人権の問題に取り組む「有事法制反対ピースアクション」という市民団体です。小泉首相は、昨年12月、イラク特措法に基づく派兵の延長を世論の60%以上が反対をしているにもかかわらず決定しました。第5次隊として第10師団の皆さんのイラク派兵が現実のものと迫ってきています。既に本日、第3次イラク復興業務支援隊として、中部方面隊から要員約100人が派遣されます。小泉首相は自衛隊員やイラクの人々の命よりも「日米同盟」や「国益」を優先したのです。これまで派兵反対を言ってきた私たちは深い憤りを禁じえません。

 イラクの治安は、1月末の国民議会選挙を前にますます悪化しています。この原因は、「大量破壊兵器の存在」を口実に国際法も国連も無視して行ったアメリカのイラク攻撃と、その後の不当な占領政策にあります。攻撃の理由にされた大量破壊兵器の存在もアルカイダとの関係もアメリカ自身によって否定されています。大義のない攻撃のために実に多くの人々が犠牲になったばかりか、アメリカの占領政策に反対するイラクの人々に対し無差別大量虐殺を行っています。11月からはじまったファルージャへの大規模な「掃討作戦」では6000人以上の人々が殺されたと言われ、その多くは一般市民です。その後も死傷者の報道がマスコミに登場しない日はありません。アメリカの政策は完全に破綻し、泥沼に陥っています。そのようなアメリカに、自衛隊派兵を継続し、唯一・無批判に忠実に追随しているのが小泉政権です。

 第10師団の皆さんが派兵される時期はオランダ軍が撤退します。小泉首相は「自衛隊がいるところが非戦闘地域」などど、まったく木で鼻をくくるような国会答弁をしていますが、クルド自治区を除くイラク全土に非常事態宣言が出されている状況で、サマワのみが「非戦闘地域」などということは成り立ちえません。隊員個々の皆さんが「善意」であっても、多国籍軍の一員として、重武装をした軍事組織が派兵されればイラクの人から見ればアメリカへの加担そのものです。小牧から派兵されている航空自衛隊がクウェートからイラク国内に武装した米軍や物資を輸送していることはアメリカ軍の軍事行動の後方支援を担っていること以外何ものでもありません。だからこそ、既に5人もの日本人が殺され、迫撃砲やロケット弾が撃ち込まれ、自衛隊撤退のデモが起きるのです。自衛隊が行くことこそ、イラクの治安をますます悪化させることになります。

 自衛隊は多国籍軍へ参加し、事実上米軍指揮下に入っています。このことは集団的自衛権行使を禁じた憲法9条に明らかに違反をしています。憲法には第99条「憲法尊重擁護の義務」があり、自衛隊という組織・個々の隊員も憲法尊重の義務があります。違法な派兵がこのまま続けば、自衛隊員がイラクの人を殺し、殺されることになると本気で危惧をしています。米軍のファルージャ攻撃に対し「成功させなければならない」と言い放ち、「国益」や「日米同盟」を優先する小泉首相に、一人一人に人間の姿は見えていません。違法な命令には従う義務はありません。

 自民党は「9条改憲」を行い、この国を本格的に戦争ができる国にすることを目指しています。このことは、侵略戦争や植民地支配で多大な犠牲を被った多くのアジア・太平洋諸国の人々にとってもとてつもなく大きな不幸であり脅威です。豊川市は、かつて豊川海軍工廠として日本海軍の機銃弾丸などを製造する一大軍事工場がある軍都として、侵略戦争の拠点になっていました。そのために、米軍の空襲の被害を受け2500人以上の人が犠牲者になりました。歴史を繰り返してはいけません。豊川を再び派兵拠点にするイラク派兵は絶対に行ってはなりません。

 隊員の皆さまは、違法な命令に従う義務はありません。基地司令は、法を守り、隊員の命を預かる責任者として小泉首相にこれ以上の派兵を行わないように意見具申をしてください。以上、申し入れます。

有事法制反対ピースアクション

(2005年1月8日)


有事法制反対ピースアクション