有事法制反対ピースアクション

イラク特措法に基づく自衛隊の派兵期間延長閣議決定に抗議する声明

 本日、政府は自衛隊のイラクへの派兵延長を閣議決定しました。私たちは、この決定に強く抗議すると共に、これ以上の派兵を行わず、自衛隊の即時撤退を強く求めます。

 政府は、世論調査でも6割、政府自民党の中でも反対や慎重の姿勢のある派兵延長を、大野防衛庁長官、武部・冬柴両幹事長のまったく茶番でアリバイ的なイラク訪問で「治安は安定している」「イラク復興支援は必要」として派兵の延長を決定しました。しかし、イラクの治安は誰が見てもまったく安定しているなどと言えません。11月はじめ、クルド自治区を除く全土に非常事態宣言が出され、ファルージャをはじめ各地で、アメリカ軍と暫定政府軍によって「武装勢力の掃討」を名目に無差別虐殺といえる大規模な攻撃が行われ、多くの一般市民が殺され続けています。その人数はすでに10万人以上とも言われています。自衛隊が駐屯するサワでも、宿営地に向けた迫撃砲やロケット弾の攻撃があり、自衛隊撤退を要求するデモも起こっている。治安の悪化はサマワも例外ではありません。 

 小泉首相は、イラクが「テロ行為根拠地とならないように米軍は闘っている」という趣旨の発言もしています。アメリカの攻撃の理由になった大量破壊兵器の存在も否定され、イラク攻撃と占領の根拠がまったくない今、イラクの人々の多くは侵略と占領に抵抗して闘っているのであり、一方的にテロと決め付け、無差別虐殺を続けているのは米英軍です。1月に予定されている国民議会選挙はイラク国内の有力宗教指導者が離脱を表明し、国連のブラヒミ特別代表も今のイラクの治安情勢では選挙は不可能と言っています。イラクの治安の悪化は米英軍の駐留に原因があります。その米英を支持し、自衛隊が多国籍軍の一員として加わっていることこそがイラクの人々の反感をかい、攻撃の対象となります。来年3月には、サマワで治安維持の活動をしているオランダ軍の撤退も決まり、自衛隊がイラクの人々を殺し、殺される危険性がますます高まることは確実です。

 小泉首相は、自衛隊の派兵は「人道復興支援」と言っているますが、ここ愛知の小牧基地から派兵されている航空自衛隊は「安全確保支援活動」として武装した米兵を輸送している。明らかに、米軍の兵站を担うものであり、多国籍軍の一員として自衛隊が機能をしていることに他ならない。自衛隊のイラク派兵は、イラクの人々のためではなく日本の国益をかけた「日米軍事同盟」重視優先そのものです。

 新防衛大綱の策定や改憲の動きなど、軍事優先の政策が次々と打ち出される中での今回の派兵延長の決定は、憲法の平和主義を逸脱し、再び日本が加害者の立場に立つことを加速することになり、決して容認できません。

 来年には第5次派遣団として守山に第10団からの派兵が行われようとしています。小牧に続く派兵を私たちは決して許すことはできません。自衛隊の派兵延長の閣議決定に強く抗議すると共に、決定を直ちに撤回し、全ての自衛隊員の即時撤退を強く求めます。


有事法制反対ピースアクション

名古屋市昭和区白金1−13−10
共同代表  水田 洋・寺尾 光身


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