有事法制反対ピースアクション

自衛隊のイラク「派兵」基本計画・閣議決定に抗議し、自衛隊派兵の白紙撤回を要請します



内閣総理大臣 小泉純一郎 様

 私たちは、人権・平和問題に取り組んでいる「有事法制反対ピースアクション」という市民グループです。
 自衛隊をイラクに派兵してはならないと、街頭で、デモで、自衛隊やそのご家族への手紙などで訴えてきましたが、本日、その基本計画が閣議決定されたことに強い怒りをもって抗議するものです。
 首相は、二人の日本人の命が失われたことを、自らの政策の強行突破に利用したのです。「テロに屈するな」と、肝心の「テロ」の拡散の原因には触れず、勇ましい叫びで反論を封じ込め、あくまで他国の領土に軍隊を出すことを強行しようとしています。「日米同盟重視」「イラクの復興支援」をいいながら、首相は国会や世論を軽視し、平和憲法9条の理念を大きく逸脱した選択をしてしまったのだと断言します。
 人道支援を言うのであれば、まったく大義のない米・英のイラク攻撃を止めることでした。いったいどれほど多くのイラクの一般民衆が殺されたことか。日本政府は米英がアフガンやイラクで何をしたか、それに触れたことはありません。基本計画にうたっている「人道復興支援」という言葉の空しさは、そこにあります。首相は「国益のため」の一言で片付けますが、イラクだけでなく中東における親日感を根こそぎ失うようなことが国益になるとはどうしても思えません。私たちは、10年も100年も先を見通した「人益」を政治家に期待しているのです。
 私たちは、してはならない決定をしてしまった首相・政府与党に対し、厳重に抗議し、以下の理由を持って自衛隊派兵の白紙撤回を要請します。

1) 基本計画の冒頭に「イラクにおける主要な戦闘は終結し・・」とありますが、そのような判断は大いに危険です。石破防衛庁長官の「自衛隊が行くところが非戦闘地域だ」という発言こそ、自ら成立させた法の威信を、自らおとしめるものです。イラクは全土戦闘地域です。無反動砲を携行しても安全だという保障はありません。
2) 空自先行で、小牧基地からC130輸送機4機を出すとなっています。私たちの街が海外派兵の拠点として、「標的」になることは絶対に認められません。
3) 様々なシミュレーションを想定したとしても、何が起きるか予測できません。「自衛隊員の命が奪われる恐れがある」と首相自ら言っています。正当防衛なら交戦を認める発言は、イラクの人々を殺すことになります。交戦を想定した派兵は憲法違反です。
4) イラクの人々は、外国の軍隊など来て欲しくないと言っています。この派兵に大義がありません。
5) 日本の派兵は、諸外国、特にアジア諸国民衆にとって脅威となります。軍事力の誇示は、平和に反する行為です。
 
以上
2003年12月9日
            有事法制反対ピースアクション
名古屋市昭和区白金1−13−10
電話:052−881−3573

共同代表  水田 洋   寺尾 光身   影山 健


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