有事法制反対ピースアクション

2003年11月29日イラク派遣中止を求める申し入れ

イラク派遣中止を求める申し入れ

航空自衛隊小牧基地
溝口博伸 基地司令様
自衛隊員の皆様

2003年11月29日 有事法制反対ピースアクション


 航空自衛隊小牧基地に働く皆様、小泉首相はイラク調査団の報告を受けて、年内に先遣隊を派遣し年明け早々にも自衛隊の本隊派遣を行う計画をしています。この先遣隊の中に航空自衛隊小牧基地からC130輸送機3機と、兵員150人の派遣する報道が行われています。
 これまで自衛隊をいつイラクに派遣すべきか、小泉首相の判断は二転三転四転してきました。イラク復興支援特措法が成立した今年7月には、年内に千人規模の陸上自衛隊派遣の計画を明らかにし、8月にはバグダッドの国連現地本部事務所が爆弾テロに合うと、「年明け以降に」と変更しました。しかし、その後にはラムズフェルド米国防長官の脅しを受けて再び年内派遣を決めましたが、11月にはイタリア警察軍への爆弾テロで来年への派遣へと揺れ動いてきました。私たちは、小泉首相の政治とは無責任で気楽なものだなと思う一方で、派遣される当事者、自衛隊の皆様の信条に思いを馳せ、少なからず心を痛めてきました。
 私たちは、つい先日まで日本の自衛隊が自国はもちろんのこと、他国の引き起こした戦争に加担するために海外へ出て行くことはないと考えてきました。恐らく、自衛隊員の方々も同じ気持ちだったのではないでしょうか。それは、日本が憲法9条で「交際紛争を解決する手段」としては、「武力による威嚇」や「武力行使」、「戦争」や「交戦権」を認めていないからです。この憲法9条があるからこそ日本は50年以上にわたり直接戦争もせず戦争による犠牲者も出さず、そして何よりも自衛隊員の皆さまの命と安全を守る結節点となってきたのです。
 しかし小泉首相は、この憲法に違反していま自衛隊を海外に送り出そうとしています。小泉首相は、自衛隊のイラク派遣について「復興支援、人道支援のための派遣であり、戦争に行くこととはまったく違う」とうそぶいています。自衛隊派遣の目的は、米・英軍への武器弾薬を含む生活物資の輸送や米軍の占領維持活動の後方支援、水道施設や医療施設の復旧などであり、どれをとってみても米英軍に加担する戦闘行為の一部であることは論を待ちません。イラクの人々の人権を踏みにじって武力で占領政策を続ける以上、それを、支援する国は敵をみなされ攻撃の的にされることは明らかです。
 今イラクでは、戦闘は激化しており中立的立場に立つと言われる国連や赤十字、報道関係者でさえ狙われイラクから撤退しています。また、米英軍以外のデンマーク、ポーランド、イタリア軍など復興支援に携わっているところにも攻撃がかけられ、死者が出ています。イタリア軍に多数の死者が出たナーシリヤは、自衛隊の派遣先とされるサマワから近いところです。航空自衛隊の皆様の派遣先であるバグダッド空港では11月22日に民間機を狙った攻撃も起き、イラク全土がいまだ戦闘状態におかれていることをあらためて証明いたしました。
 今回のイラク派遣で、最初に航空自衛隊小牧基地から出される可能性は強くなっています。それは、イラク戦争で最初の犠牲者が、愛知県から出る可能性が高いということです。航空自衛隊小牧基地は、歴史的な汚名を後世に残すことになりかねません。私たちは、皆様が派遣を留まるまで何度も何度も申し入れを行います。
 自衛隊の皆様、どうか貴方自身の命も、イラク国民の命も奪うような派遣はやめて下さい。特に自衛隊上司の皆様、私たちの思いをかなえるよう努力して下さい。
 「戦闘行為による危険回避」「自衛隊の部隊の安全確保」を盛り込んだ「イラク復興支援特別措置法」から言っても、違法な派遣です。
 今わたしたちのところへ自衛官・家族の方々から悲痛な声が届いています。
 「戦争に行きたいと思っている自衛官はいません。二度と戦争を起こさないために自衛官として頑張ってきたのであって、人を殺すため殺されるためではありません。無駄な殺戮を起こさないため、抑止の仕事を続けてきたのです。それを誇りに思っています。けれど、今明らかに信念に反する任務を命がけでしてこいと、圧力をかけられています。もともと憲法9条のもとで、戦争に行く可能性を考えて自衛官になった人はほとんどいないはずだと思います」
わたしたちは、これが本当の自衛官や家族の方々の声だと思います。よってわたしたちは、以下のことを強く申し入れます。

1、自衛隊の皆様、どうかイラク派遣に志願しないで下さい
2、戦闘が続くイラクへの自衛隊派遣を中止するよう上申して下さい
3、米英軍による占領中止を求め、イラク人自身による復興を支援するように政府に上申して下さい

以上


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