次々と襲いかかる原因不明の病魔

        一人で平壌へ渡って半世紀近く
     59年後に母から知らされた被爆の事実

              広島・長崎で被爆した7万人の朝鮮人

      広島と平壌で暮らす母と娘のささやかな願い
          立ちはだかる日本の朝鮮敵視政策

                   補償を求める1911人の在朝被爆者
     被爆の証として「被爆者手帳」が欲しい!

絶賛上映中!

  ドキュメンタリー映画


H I R O S H I M A   P Y O N G Y A N G

 棄てられた被爆者 


予告編 (2分)
You Tube(日本語)
You Tube(ENGLISH)


朝鮮民主主義人民共和国の首都・平壌(ピョンヤン)で暮す李桂先(リ・ケソン)さん。彼女の両手には、指ごとに包帯が巻かれていた。「どういうわけか指の皮がしょっちゅう剥がれ、薬を塗って包帯しないと血がにじむんです」と語る。指ばかりでなく、子どもの頃から消化器の病にも苦しみ続けてきた。
 李桂先さんが、自分の健康を蝕んできた原因を知ったのは2004年。広島から訪ねて来た母親は、病に苦しむ娘を見て広島市で被爆していることを告げた。被爆から59年。それまで母親が黙っていたのには、深い理由があった。
 李さんの苦しみと怒り、日本政府に放置され続けてきた在朝被爆者たちの実態、動き始めた在朝被爆者支援・・・。この映画は、朝鮮民主主義人民共和国での何度もの撮影でそれを明らかにする。

紹介記事中日新聞09年10月4日


上映予定

愛知 伊藤孝司講演と「ヒロシマ・ピョンヤン」上映
      日時:2009年11月29日(日)
      場所:名古屋市・伏見ライフプラザ (052−222−5781)
      時間 11:00〜12:30 「ヒロシマ・ピョンヤン」上映
         13:30〜1500 伊藤孝司講演 「平壌最新事情とこれからの日朝関係」
            平壌と地方都市で撮影したばかりの写真を多数を上映します。新政権のもとで、
            日朝関係をどのようにすべきかを共に考えたいと思います。
         15:35〜17:05 「ヒロシマ・ピョンヤン」上映
      主催:国民保護法制を考える会
      問合せ先:西英子(052ー808−3241)


広島 ヒロシマ平和映画祭2009
      日時:2009年12月8日  「ヒロシマ・ピョンヤン」上映開始時間21時
      場所:カフェ・テアトロ アビエルト (082−873−6068 JR可部線 上八木駅下車すぐ)
      主催:ヒロシマ平和映画祭実行委員会
        公式サイトhttp://sites.google.com/site/peanutsff/  公式bloghttp://blog.goo.ne.jp/hpff2009
      問い合わせ先: hpff2009@mail.goo.ne.jp


東京 さらば戦争!映画祭2009
      日時:2009年12月12日(土)  「ヒロシマ・ピョンヤン」上映開始時間16時55分
      場所:東京・在日韓国YMCA (03−3233−0611)

      主催:さらば戦争!映画祭実行委員会 http://www.eigasai-60.com/
      問合せ先:info@eigasai-60.com


京都・京都市 (予定)
       日時:2010年2月12日(金)


愛知・名古屋市 (予定)
      
日時:2010年2月20日(土)


三重・桑名市 (予定)
      日時:2010年2月20日(土)

大阪・枚方市 (予定)
      
日時:2010年3月19日(金) 19:00〜


終了しました
三重 「ヒロシマ・ピョンヤン」桑名上映会
       日時:2009年11月14日(土) 14:00・18:00の2回上映  監督あいさつあり
       場所:桑名市中央公民館
       共催:戦争をしない・戦争協力もしない三重ネットワーク(090−2925−0138 伊藤)
          桑員九条の会


兵庫 今、戦争被害者に向き合う  「ヒロシマ・ピョンヤン」上映会&伊藤孝司監督講演会
      日時:2009年11月1日(日)
      第1部 10:00 「アリラン峠を越えて」     神戸市勤労会館・研修室403(JR三ノ宮駅前)
      第2部 11:00 「銀のスッカラ」上映      神戸市勤労会館・研修室403(JR三ノ宮駅前)
      第3部 13:00 「ヒロシマ・ピョンヤン」上映  神戸市勤労会館・多目的ホール(JR三ノ宮駅前)
      第4部 15:15 伊藤孝司監督講演       神戸市勤労会館・多目的ホール(JR三ノ宮駅前)
      主催:兵庫コリアン青年学生協議会


京都 日朝関係史講座 「ヒロシマ・ピョンヤン」上映
      日時:2009年10月9日(金) 18:25〜 
      場所:同志社大学 今出川キャンパス 至誠館1階 3番教室
      主催:同志社大学KOREA文化研究会


東京 「ヒロシマ・ピョンヤン-棄てられた被爆者」試写会
     日時: 2009年10月20日(火)18:30-20:30
       会場: 総評会館5F 501会議室 (千代田区神田駿河台3-2-11 TEL03-3253-1771)

         事前に電話でのお申し込みが必要です。担当者:五十川(いかがわ)
     主催:日朝国交正常化連絡会


愛知 「ヒロシマ・ピョンヤン」上映と伊藤孝司監督講演
      2009年8月26日(水)

      4回上映 各2時間(上映90分と講演30分)  @11時〜  A1時半〜 B4時〜 C6時半〜
      名古屋市女性会館ホール (地下鉄「東別院」下車 @番出口から東へ3分)
      主 催:映画「ヒロシマ・ピョンヤン」上映 実行委員会
       紹介記事:中日新聞

広島 「原水禁世界大会広島大会」  上映と監督あいさつ
      2009年8月5日 14
00

       広島市・YMCA国際文化ホール(広島市中区八丁堀7−11)

三重 「ムーブメント平和への希望 例会」  上映と監督講演
      2009年7月25日 13
30

      三重県津市・みえ県民交流センター(近鉄・JR津駅東口隣接のアスト津ビル3F)
      主催:平和憲法を世界に拡げるネットワークin三重(宮西)

広島 完成記者会見と試写会
      2009年7月23日に広島で完成記者会見と試写会を行います。
      取材を希望されるメディアの方は、制作委員会へご連絡ください。
      紹介記事:共同通信



ご覧になった皆様からの感想

今まで見たことのない映画でした。感動しました(50代・女性)
この映画は、日本人が見なければいけません(40代・女性)
つらく悲しい現実でした。政府や国にもきちんと考えてほしい(10代・女性)
音楽もすばらしい。メッセージもよく理解できました(70代・女性)
入市被爆・内部被爆の貴重な証言記録です(60代・男性)
映画が心にしみました。決して自分と関係ないなどとは思えません(20代・女性)
伊藤さんの熱い思いがとても良く伝わってきました(60代・男性)
今までまったく知らなかった世界を知りました(40代・女性)
すばらしい映画でした。たくさんの人に見て欲しい(30代・男性)
在日3世です。祖国の親戚に会いに行きたいと心の底から思いました(20代・女性)
親子の思いに胸が引き裂かれそうです(60代・女性)
ドキュメンタリーをいっぱい見てきましたが、この作品は第1級です(60代・女性)
映画、感動しました。ラストには本当に衝撃を受けました(40代・男性)
戦後世代に「戦後責任」を問う作品だと思います(50代・男性)
初めて知ることばかりでした(60代・女性)
本当に感動しました。伊藤監督の作品は心揺さぶられることが多い(60代・男性)
余りにも大きく深くて重い内容なので、すぐには言葉になりません(60代・男性)
とても悲しい現実に涙しました(60代・女性)
重い重い課題を、何という優しさで語られていることでしょう(70代・女性)
罪もない市民が、今も苦しんでいる実情が良く理解できました(60代・男性)
朝鮮と日本との関係は、これほどまでに深いのかと思いました(20代・男性)
過去の歴史をつむぐ労力に、心底から敬意を表します(80代以上・女性)
この映画を、日本人全員に見て欲しいと思った(50代・女性)
ていねいな映像で分かりやすく、感動しました(60代・男性)
国と民族に違いはあっても、僕たちはみんな同じ人間なんだと感じた(10代・男性)

この映画に出会えて良かったです(50代・女性)
私たちのあり方が問われた。すばらしい映画です(50代・男性)
心にしみる映画、ありがとうございました(60代・女性)
一人でも多くの方に見ていただきたいです(20代・女性)
日本政府のせいで海外でも大勢の人が苦しんでいることを知りました(70代・女性)
最後の独白が感動的でした(70代・男性)
広島出身なので特別の思いで見させていただきました(60代・女性)

この映画を、政権中枢にいる人たちにもぜひ見てもらいたい(60代・男性)

この胸の張り裂けそうな思いは、もう二度と繰り返してはならないと思いました(30代・男性)
知らないことを教えて下さりありがとうございました(60代・女性)
桂先さんの日常生活の中から、いろんな問題が見えてきた(30代・男性)
被爆者への差別がここまで厳しい‘壁‘としてあることを認識しました(20代・女性)
悲しみが淡々と語られ胸を打たれた。プロパガンダがないのが良い(60代・女性)
報道からは見えないところで、人間が生きていることを感じました(20代・女性)
原爆や日朝関係、日本の政治問題がよく伝わってきた(30代・男性)

朝鮮の実態を少しでも知ることができて良かった(60代・男性)
重い内容でした。こういう事を一人でも多くの人に知って欲しいです(60代・女性)
感動を通り越して言葉になりません。家に帰ってじっくりとかみしめたいと思います(60代・女性)



あなたの街でも上映してみませんか!

監督  伊藤孝司 (いとう・たかし)

映画「ヒロシマ・ピョンヤン」は、朝鮮民主主義人民共和国で暮す被爆者を取り上げた作品です。一人の被爆者の日常生活を通して、在朝被爆者問題の全体を明らかにしています。ですがそれだけでなく、在日朝鮮人そして帰国者となった一人の朝鮮人女性の生き方や、現在の日本による経済制裁の非人道性についても描いています。
 朝鮮で長期ロケを行ってドキュメンタリー映画を制作した外国人はごくわずかです。しかも国交のない日本のジャーナリストが、極めて厳しい状況の08〜09年に3回の現地ロケを行ないました。何度もの被爆者の自宅や海岸での撮影、被爆者がほとんど日本語で話していることなど、日本のメディアによる取材では絶対に不可能なことを実現させています。
ぜひ皆さんの地域で上映会を開いてください。


検討していただくための「上映要項」・「あらすじ」(日本語・英語)・「採録シナリオ」があります。ご希望の個人・団体にはEメール・郵便でお送りします。



英語版が完成しました。海外のNGOへ貸し出ししますので、
お申し込み・ご紹介ください。


 映画普及・証言集刊行のためのカンパをお願いします
映画採録シナリオ・在朝被爆者証言を収録した出版物刊行、映画普及のために
協力費をお願いしています   
 

1口 3000円 (4口以上で、作品の一般販売開始時にDVD1枚を贈呈) 

    作品の一般販売は2010年秋の予定です
 
    4口以上のカンパをいただいた方には申し訳ありませんが、それまでお待ちください。


              振替先 郵便振替口座 00810−4−106225
                             
ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会

映画のエンドロールにお名前を入れさせていただくのは、2009年7月15日到着分で終了させていただきました。振込用紙の通信欄に氏名公表可として記載していただいても、それ以降は入れることが不可能です。申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。


映画「ヒロシマ・ピョンヤン」紹介・関連記事

●『北朝鮮被爆者の実態知って』「毎日新聞」2009年11月12日
●『北朝鮮の被爆者 映画で知る苦悩』「中日新聞」2009年11月12日
●『戦後64年援護の枠外に 在朝被爆者の姿追う』「神戸新聞」2009年10月29日
●『援護の対象から唯一抜け落ちた在朝被爆者』「イオ」2009年11月号
●『発信箱 厚労相、北朝鮮へ』「毎日新聞」2009年10月4日
●『在朝被爆者の映画を上映してみませんか』「週刊金曜日」2009年9月11日号
●『被爆の国から 棄てられた姉案じて』「毎日新聞」2009年8月12日

●『北朝鮮の被爆者に焦点』「伊勢新聞」2009年8月7日
●『被爆の北朝鮮人 映画に』「中日新聞」2009年8月5日
●『在朝被爆者の実態追うドキュメンタリー映画』「朝日新聞」2009年7月29日

●『受け継ぐ09夏 映画「ヒロシマ・ピョンヤン」』「毎日新聞」2009年7月25日
●『北朝鮮の被爆者 映画に』「中国新聞社」2009年7月24日
●『北朝鮮の忘れられた被爆者』「大阪読売新聞」2009年7月24日
●『在朝被爆者の実態知って 記録映画完成試写会』「共同通信」2009年7月23日
●『朝鮮人被爆者追い記録映画』「中日新聞」2009年7月20日
●『北朝鮮被爆者の記録 支援、置き去り「おかしい」』「朝日新聞」2009年6月4日
●『在朝被爆者の怒りと悲しみを映画に』「統一評論」2009年3月号 文=伊藤孝司
●『映画ヒロシマ・ピョンヤン 制作費のカンパ呼びかけ』「朝鮮新報」
●『在朝被爆者の悲しみを受け止めて』「イオ」2009年2月号 写真・文=伊藤孝司
●『動き出した在朝被爆者被爆者支援』「人権と生活」2008年11月号 文=伊藤孝司




ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会

  連絡先  名古屋市北区大曽根4−6−60 コリアンネットあいち気付

                          Eメール iinkai★mbn.nifty.com
                             
(★を@へ置き換え、コピーをせずに全文字を打ち込んでください)

                          電話  090−5450−5934

  振込先  郵便振替口座 00810−4−106225
                        ゆうちょ銀行 089店 当座 0106225
                                   





             伊藤孝司 監督作品

     銀のスッカラ



新聞社を退職してからは、子や孫たちに囲まれて穏やかに暮す尹昌宇(ユン・チャンウ)さん。
その尹さんは、まだ14歳だった1942年に、興南(フンナム)の巨大な肥料工場へ連行された。
亜硫酸ガスに満ちた工場で過酷な労働を強いられ、全身に大火傷を負う。
その恨みに満ちた工場を訪ねるため、尹さんは平壌市内のアパートを出発した。
63年前と同じように、母の愛がこもった「銀のスッカラ」を持って――。


*スッカラとは、朝鮮民族が使ってきた伝統的デザインの匙のこと 


興南肥料工場の尹昌宇さん 撮影・伊藤孝司©2005


予告編 2分15秒 
You Tube


ビデオアクト上映会報告 「銀のスッカラ」上映会



伊藤孝司監督からのメッセージ

 ドキュメンタリー映画「銀のスッカラ」が完成しました。「スッカラ」とは朝鮮民族が使う伝統的デザインの匙のことです。この作品は、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)で暮らす植民地支配被害者を紹介するシリーズの第2作目です。
 近年、大韓民国の植民地被害者を取り上げたドキュメンタリー映画が次々と発表されています。ですが朝鮮で暮らす被害者たちの体験はごくわずかしか明らかになっておらず、映画もありません。そのため、日本軍性奴隷被害者を取り上げた前作の「アリラン峠を越えて」に続き、朝鮮内の軍需工場へ少年として強制連行された被害者を主人公に「銀のスッカラ」を制作しました。撮影は平壌(ピョンヤン)の被害者宅、軍需工場のあった興南(フンナム)とその隣の咸興(ハムフン)で敢行。撮影した約40時間のテープから45分の作品をつくりました。
 朝鮮による核実験の実施以降、朝鮮と米国・日本などとの関係は過去最悪になり、一触即発の危険な状態にあります。ですが国家関係はそうであっても、朝鮮で暮らす2200万のことを私たちは考えるべきです。植民地支配で被害を受けた人たちは、高齢化し次々と亡くなっています。日本政府は、朝鮮への過去の清算が済んでいないことを認めているものの、被害者たちへの謝罪と補償は行っていません。
 日朝国交正常化がいつになるのかまったく見当もつきませんが、過去の清算を求め続けている朝鮮の被害者たちの存在を忘れてはいけないでしょう。また、日本政府が過去の清算に積極的な取り組みをするよう政策転換すれば、日朝関係は大きく改善されるはずです。そのためにも、こうした状況だからこそ、より多くの方に「銀のスッカラ」をご覧いただきたいと希望しています。

販売価格 [個人] 5000円   [図書館・学校(上映権付)] 15000円



アリラン峠を越えて」制作上映委員会は、ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会へ引き継がれました。ビデオ作品の購入申し込みは下記へお願いします。

連絡先  名古屋市北区大曽根4−6−60 コリアンネットあいち気付
                             ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会

                    振込先  郵便振替口座 00810−4−106225




               伊藤孝司 監督作品

アリラン峠を越えて
Crossing the Arirang Ridge


予告編 (3分)
You Tube (日本語)
You Tube (ENGLISH)




病院で体験を語る郭金女さん 撮影・伊藤孝司©2003


<ビデオ作品「アリラン峠を越えて」の解説>

日本の侵略で被害を受けた人々を、伊藤孝司は長年にわたってアジア諸国で取材してきた。日本軍性奴隷被害者(いわゆる「従軍慰安婦」)の郭金女(クァク・クムニョ)さんとは平壌(ピョンヤン)で何度も会っている。郭さんの日常生活のようすを見たいと思った伊藤は、端川(タンチョン)市へ列車で向かった。郭さんは急病によって自宅にはいなかった。だが、家族や近所の人たちなどの話から、被害者としての苦悩を抱えながらも明るく懸命に生きてきた朝鮮女性の姿を知った。郭さんとどうしても会いたい伊藤は、車でいくつもの峠を越えて咸興(ハムフン)の病院へと向かった。



伊藤孝司監督からのメッセージ
 
 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)で暮らす元「従軍慰安婦」のお婆さんについてのドキュメンタリー作品の制作を計画したのは2002年5月でした。

 私が今までにDPRKで取材した被害女性13人の中で誰を取り上げるか検討したところ、その内の5人はすでに亡くなっており、他の人たちもほとんどが動けない状態でした。そうした中で、唯一といっても良いほど元気だったのが郭金女(クァク・クムニョ)さんでした。
 私は撮影のため、訪朝の準備を進めていました。ところが出発直前になって、DPRK政府が外国からの入国者に対してSARS予防隔離を実施する、という連絡が来たのです。空港へ向かう直前まで迷いました。ですが、郭さんの健康状態がかなり悪いと聞いたため行く決心をしました。
 2003年4月24日、平壌(ピョンヤン)空港へ到着するとそのまま地方都市のホテルへ送られ、10日間にわたって隔離を受けたのです。ですがその期間中に、関係機関に対し次々と協力要請を行ったため、作品のための撮影は後に順調に進む結果となりました。隔離が終わった日の列車で、郭さんに会いに行きました。
 当初の計画では、郭さんの自宅がある端川(タンチョン)市ですべての撮影をするつもりでした。ところが行って見ると、郭さんは咸興(ハムフン)市の病院へ移っていたのです。病名は膀胱ガンで、出血がひどくなったというのです。郭さんはいないものの、家族たちからは食事をもてなされたり歌を聞かせてもらったりと大歓迎を受けました。また地元の行政機関は、戦後は日本人が入ったことのないという地方都市での自由な撮影を許可してくれました。
 入院中の郭さんは思ったよりも元気で、声が出ないと言いながらもいくつもの歌を聞かせてくれました。結局、この「アリラン峠を越えて」撮影のためのDPRK滞在は22日間となりました。
 現在、日朝関係は厳しい状況に置かれ、しかも日本人にとって非常に重たいテーマを取り上げた作品です。ですが、郭金女さんの明るい性格や家族たちの遠来の客への心遣いが強く伝わり、DPRKで暮らす庶民たちの生き生きとした姿を描くことが出来たと思っています。そして、かつての戦争の記憶が風化する中で、決して忘れてはならない歴史の一コマを描くことが出来ました。終戦60年の年にふさわしい作品だと自負しています。



紹介記事

『自然と人間』2005年11月号
   
「がんばれ! 草の根で広がる映画たち」

旧日本軍性奴隷(慰安婦)の女性たちの取材を続けてきた伊藤孝司さんが、03年朝鮮民主主義人民共和国に郭金女さんを訪ねた記録。いくつもの峠(苦難)を越えてきた元慰安婦の姿はもとより、遠方からの客を精一杯もてなす親族の姿も印象的。マスメディアが決して報道しない北朝鮮の静かな風景なども垣間見ることができる。


『週刊金曜日』2004年4月16日号
 
  「ビデオと過ごす」

撮影・監督  伊藤孝司    編集 小林アツシ・土屋トカチ    制作 「アリラン峠を越えて」制作上映委員会
カラー/45分    2003年9月    英語版・朝鮮語版あり(PAL・SECAM方式での注文にも対応)

 日本軍によって性奴隷(「慰安婦」)にされた女性たちの訃報が次々と届く。そうしたなかで、日本による植民地支配や侵略戦争で被害を受けた人々の体験を記録してきた伊藤孝司は、朝鮮民主主義人民共和国で暮す被害女性のドキュメント映画の制作を計画。もっとも健康そうな郭金女さんを撮影することにした。
 2003年4月に訪朝。すると、あれほど元気だった郭さんは、癌の悪化で入院していた。計画では、郭さんが暮らす端川市だけでの撮影だったが、入院している病院がある咸興市にも行くことにした。その結果、滞在は22日間にもなった。
 郭さんが連行されたのは中国東北地方。「軍慰安所」で過酷な日々を送る。決死の脱出をして、朝鮮人医師に運良くかくまわれた。だが、結婚した朝鮮人技術者を日本軍は連行して殺害。解放後、夫を捜しているうちに軍事境界線より南の故郷へ戻れなくなった。そして、再婚した相手は朝鮮戦争で米軍の爆撃によって死亡。このように郭さんは、いくつもの険しい「アリラン峠」を越えてきた。
 明るい性格で歌が上手な郭さんは、家族や地域の人たちから慕われている。この作品は、郭さんが日本から受けた怒りと悲しみを、今の穏やかな暮しを通して描こうとしている。



海外映画祭での上映

     ●2004年9月12〜20日 朝鮮民主主義人民共和国 「平壌映画祭典」

    ●2004年6月26日〜7月2日 クロアチア 「第9回スプリット映画祭」

    ●2004年5月11〜15日 スロヴェニア 「Politically Incorrect Film Festival」



 一般販売ビデオテープ5000円、上映権付(上映会・図書館・学校)ビデオテープ15000円です。
英語版・朝鮮語版もあります。PAL方式・SECAM方式でのご注文もお引き受けします。


アリラン峠を越えて」制作上映委員会は、ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会へ引き継がれました。ビデオ作品の購入申し込みは下記へお願いします。

連絡先  名古屋市北区大曽根4−6−60 コリアンネットあいち気付
                             ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会

                    振込先  郵便振替口座 00810−4−106225