秘書の小部屋 2004.3

2004年3月26日(金)やっと晴れたぞなもし。連日雨も降ふっとりましたがな

何を言っても言訳になる今日この頃、秘書は相変わらずの日々を過ごしております。前回の記録を打ち破って、日記をほったらかしにすること、11日が過ぎました。

それでも、雑誌『憎まれ愚痴』100号記念をほったらかしにしている編集長よりかはずっとマシです。似たようなもんだと、一緒くたにしないで下さいまし。同属扱いだけはされとうありません。

さて、何がありましたでしょう。ちょいと回顧してみましょう。あんまり忙しかったもので、ミミズ並みの脳味噌がひからびて、記憶が飛んでおりますが・・・

新しい雑誌のテキスト原稿が秘書の手元に届いたのは、17日(水)夕刻のことでした。もう帰る時間だったのですが、さっと目を通しておこうとファイルを開いて見れば・・・ 恐怖劇場が幕を開けました。

組版始めたくも、だらだらデレデレと文字が並んでいるだけで、なあ~んの指示もありゃしません。すなわち、どこからどこまでがまとまった記事? 記事のランクは? 順番は? どれが見出しなの? 

分かりゃしません。あまりのことに、とりあえずシンプルテキスト状態で印刷して見ましたが、A4用紙で約90枚程あるという量的な把握は出来ても、パソコン画面がプリントアウトに変わっただけの話でして、質的な把握は出来る訳がございません。

いつもなら、おいオヤジ、と怒鳴りたい内心を隠して、お忙しいところを誠に申し訳ございませんがここは如何いたしましょうか、などと礼を尽くして確認をさせて頂くのですが、今回はこのオヤジ殿、泊まりがけで三浦海岸とやらに行ってしまいました。大事な打ち合わせがあるとか、お抜かしでしたが、新雑誌よりも大事ですかい、とひねくれたくなります。

次の日(18日・木)は早く帰って来ると言っていた筈なのに、秘書が一日中一心不乱になって頭をひねりつつ組みましたが、終わりゃしません。遅くまで残業したにも拘らず、はじけたオヤジ殿はとうとう帰ってきませんでした。何をやっとるんじゃ・・・

日程的に待った無しの19日(金)、とにかく組み上げて、きちんとした編集の人にみて貰わねばなりません。必死になってる秘書のかたわらで、編集長は居眠りするわ、ひと事みたいに笑っているわで、秘書は完全にぶち切れ状態。わめき散らしたからって、それが何だっていうんですかっ。雑誌が出来ないよりマシでしょうっ。ちっとは思いしれっ。

疲れました。続きはまだあります。土曜も日曜も、朝早くから深夜までああだ、こうだ・・・

組んでから、この原稿ボツとか、削るとか、ランク見直しとか、順番変更とか、土壇場でそれはねえでしょお。組版事故が起きるんだよお。起きたんだよお。半日くらいやり直したんだよお。

ざけんじゃねえっ。

秘書が怒ってばっかいるだってえ。ちったあ反省しろっ。

ほんとに嫌になります。それでも、なんとか月曜には印刷所に突っ込みました。もう、ぐったり。これで休めるかと思いきや、先週思いっきり内職の作業を止めていたもので、息付く暇もなくキーボードひっぱたいて入力して組んで、合間に、エクセルのファイルが画面と印刷結果とでずれちゃって困ってるんだけどちょいと印刷版下用に手直ししてだの、WindowsのWordをPDFにしてそれをIllustrator 10.0に貼付けてバージョンを8.0に落としてMacで開いたらどうなるだの、うわあああ、秘書の頭は分裂するう~。

駄目押し。編集長の使っているレーザープリンターが壊れました。秘書の留守中、このオヤジ殿は、秘書室のレーザープリンター(不幸にも同メーカーの同じ型番でありました)を運び出して勝手に使い、トナーを全部使い切って下さいました。秘書は内職のファイルをプリントして納品に行かねばならないのです。ここで怒らなかったら人間じゃない・・・

2004年3月15日(月)晴れ

月日の経つのは早いもの。あっという間に10日が過ぎ、巷は春の盛り、秘書の頭にもタンポポが生えて・・・

忙しかったに決まっとるざんす。昨日も一昨日も仕事してたざんす。編集長がねェ原稿出すの遅いもんでねェしわ寄せ食らってねェ必死になって組んでてねェ・・・ならまだいいざんす。今に至るもまだ原稿は出て来ませんっ。構想だけは素晴らしく、広告作れだの、コラムを設けろだの、まだ組版の詳細も決められないのにごちゃごちゃとお抜かしです。

同時進行で大口の内職が加わっているもので、そっちの期日はまだ先なのですが、こういう状況では片付く所からさっさと片付けていかないといけませんもので、焦る秘書の頭は休日出勤までして、ぐっちゃぐっちゃ。言っておきますけどね、内職といえども金になる仕事の手は抜けないんですから。ふんとにもうっ。

秘書はこれから内職の納品に行ってまいります。ひきかえでまた仕事をもらってくるんです。さっさと原稿出さないと、ほんとにもう知りませんっ。

ああ、秘書の人生真っ暗。やだやだこんな生活・・・

と、この秘書がそんな状態を甘受していると思いますかな。こういう状態にめげてるようじゃ、秘書じゃござんせん。

という訳で、ぷんすか怒っている振りして、すっとぼけて行って来ました、わはは、日本武道館3月9日、8年ぶりのDavid Bowie日本公演。(この先はグラムロック大好きマニアック元青少年の話です。当サイトを“思想系”サイトと思って訪れている方には、この手の話はさっぱり分からないであろうことをお断りしておきます。)

8年前も秘書は日本武道館に行きました。ははは、大好きなのです。もう人生の15パーセントはBowie様、って感じっていうのは、秘書がもう少し若かった頃の話。

相変わらずいい男だな・・・ いや“相変わらず”じゃなくて若返っておりますな。最近は医学も随分進歩しておりますから、大金持ちBowie様は多大なる恩恵を蒙っているんでしょうな。それにしてもいい男だな。10年位前には、もうじき50だっていう焦りなのか悟りなのか分別臭いジジイになりかけて、かなりがっくりしちゃったんですが、今回は若者もどよめくかっこいい不良中年。Gジャンにスリムパンツに足下はコンバースですか。いいなあ、サマになりますなあ。ちょっとお太りのようですが、元が骸骨みたいな体形だから、これくらいの方がいいかも。腰回りなんかはまだ若い子みたいにスラッとしてて、舌舐めずりしたくなるくらい。57になりましたか。昔は、頭をオレンジ色に染めたギンギンにつっぱらかった美青年でしたなあ。秘書も歳取るわけだ・・・ (ヤバいなあ、歳がばればれだ)

70年代の古い曲をやった時には、もう腕振り上げて一緒に歌っちゃいましたよー。

ところで、日本武道館へは秘書ん所からは地下鉄1本で直行、九段下で降りれば即武道館なのですが、今回は新宿の南口から歩いて行きました。例によってうろうろきょろきょろ曲がりくねって行ったもので、歩数にして約2万歩、所要時間約2時間。現地で落ち合った同居人は、近頃はなんにも言いません。帰りは九段下から電車乗ろうね、とは言われました。

2004年3月5日(金)晴れ、寒い

あー、くたびれた、と大あくびしながら、ホームページを眺めていて、大変なことに気付きました。我が憎まれ愚痴社の原点、雑誌『憎まれ愚痴』が、今月で100号になるのです。

原点でございましたが、いつの間にか、亜空間通信を発行するようになり阿修羅に投稿するようになり、途中で放ったらかしになってるにせよgiga-iとかいうのも発行し書店だ放送局だと浮かれているうちに、ほとんどアリバイ稼ぎの発行物と化してしまった、雑誌『憎まれ愚痴』でございます。

アリバイとは「不在証明」のことでありますが、ここにきて、雑誌『憎まれ愚痴』の存在証明をいたさねばなりません。

さあオヤジどうする、じゃなかった、編集長どうなさいますか。100号記念の豪華版を出さねばなりませぬぞえ。

2004年3月4日(木)晴れ、寒い

昨日は女の祭典、ひな祭りでした。気がつけば過ぎておりました。白酒を飲み損ねました。2月のセツブンカップ編集長追出記念も気がついたら出走後でして、とっても損した気分で豆をやけ食いしましたっけ。

季節感が希薄です。情緒に著しく欠ける日常を送っております。パソコンの前で、煩悩を溜め込んだ即身仏になりそうです。

と、言ったら、煩悩懊悩を抱え込んでいては仏にはなれん、お前のは人間の乾物と言うのだ、と蹴飛ばしたくなる程ありがたいご忠告をいただきました。

ふーーっつ、と長い溜め息がでます。「湾岸報道に偽りあり」再版でお休みなしに働いたのに、結局、代休をもらえませんでした。それどころか、事態はどんどん恐ろしくなって行きます。

編集長がぶちかまして、予約金まで受け取っている新しい雑誌、嘘のような冗談のような4月1日発行ですね。逆算すると、15、16日には印刷屋に渡さなきゃ・・・ 

原稿まだですよね。組版体裁どうするんですか。何文字書けばいいかって、あんた、見通しもなしにやってるんですか。どれ、出来てる分の原稿寄越しなさい、少し考えて見るから・・・・

と、むしり取ったのが正解だったのか、大間違いだったのか。原稿には「分かりやすくした」と書いてあるのに、秘書にはさっぱり分かりません。こんなもの判読できる読者がおるんか。

と、いう訳で、これから秘書vs編集長の攻防戦に入ります。分からん奴は馬鹿だ、と言われても分からんものは分からんのです。世の人々は、編集長の頭の蓋を取って中が覗けるわけではありません。

ああ、それにしても、秘書は世間並みに生きとうございます。3月はご先祖様のお墓参りがしとうございます。どなたか秘書に愛の手を差し伸べて下さいまし。

2004年3月3日(水)晴、今日も寒い

渋谷のハチ公近くの街頭大型スクリーンに、海上自衛隊の歌あり踊りありのコマーシャルが流れているんだそうです。それがおっかしくって・・・と聞きましたもので早速見物いたします。渋谷までいかなくとも、おうちで見られます。海上自衛隊のホームページを探し出して、コマーシャル、というのをクリックすれば・・・

こら、楽しいわ。

はためく日章旗の下、セーラー服に身を包んだ水兵さんが7人、多分どっかの艦の甲板でSEAMAN SHIPと歌いながら手を突き出し回り腰をくねらせ横に跳び、とショーを繰り広げております。この腰の振り具合がなんともヒワイでよろしい。

日本が好きです、平和が好きです、海上自衛隊

と、ナレーションがかぶさったりすると、イェイエイと間の手を入れて、椅子から転げ落ちそうになります。

秘書はいつもは、接続するやいきなり音が出るホームページの被害をこうむりたくないので、パソコンのスピーカーを切っておりますが、今回は特別にオンにして見ました。音声がないと、この爆笑もんの楽しさが伝わりません。

期間限定らしいので、見るならお早めに。重たいようで、画面が出てくるまで時間がかかりますが、一旦受け取ってしまえば、エンドレスで楽しめます。自衛隊も楽しいものを作ってくれますわな。わはは。

http://www.jda.go.jp/JMSDF/event/cm_p/index.html

2004年3月2日(火)晴、寒い

それにしても寒いです。2月が4月並みにバカ暖かったので、体はすっかり春モードで巷の猫と一緒に発情・・・ (向こうで人事部長が拳を振り上げて、それ以上口を滑らすな、と睨んでおります。どうせ我が社は枯れ木が山の賑わいじゃい)

秘書んちのベランダも先月既に春でした。あれよあれよという間にもろもろの草木が生長して娘盛り、じゃなくて花盛りになりまして、ムスカリにスズランにローズマリーにホトケノザに鳥の餌にするけど戦争中はお浸しにして人間も食べたと言う、えーっとハコベラ・・・ 

なんか変。

ラッパ水仙が出てこないのは、まあ、水仙にもいろいろ都合があるとして、なんでムスカリ? もうちっと先の花じゃないの。秘書んちのベランダは温室なんかじゃなくって吹きっさらしなの。健気に咲いていると思ったけど、さすが今朝はシオたれちゃって、抜き打ちテスト食らった中学生みたい。

それにスズランだって・・・ 乙女の清純さに例えられる可憐な花は5月のものじゃございませんこと。その昔、銀座の街角でスズランの花束を買ってもらったような記憶がありまする。あれは幻だったか・・・どうでもいいけど、寒風に吹きさらされてブルブル震えて、漏れちゃう~と、トイレを探し回るような季節に咲く花じゃございませんでした。

時に、スズランの英名はなんでしょう。ふと、気になったので、御存じインターネットexcite翻訳にお願いしてみました。

スズラン→tin run ・・・違うでしょ。オズの魔法使いじゃあるまいに、ブリキを走らせてどうする。

すずらん→すずらん・・・おちょくっとんのか、わりゃあ。日本語を英語にしてくれと頼んだんだぜ。

鈴蘭ではどうだ。鈴蘭→鈴蘭。たわけっ。せめてbell orchid くらいの芸を見せんかいっ。

気が付けば、秘書の人格が崩壊しかけております。インターネット翻訳くらいに翻弄されててはいけませぬ。因みに翻訳かけた際のOSがMacのXの1.1と言うところに問題があるのかもしれません。Babel Fish なんぞですと、Winでは何の支障もないのに、Mac は化け文字オンパレードで玉砕状態になります。

気をとりなおして、植物検索をしますと、おお、スズランはlilly of the valleyです。(その)谷間の百合って、どこの谷間でしょうかね、とtheがちびっと気になりますが、日本語の概念にないからといって目の敵にしちゃいけません(と、これは一人言)。

谷間の百合。バルザックでしたっけ。秘書は、読んでいない本の講評ができるほど図々しい人間ではありませんが、題名だけなら許容範囲かと思います。

昔、秘書はこの本の題名に、谷間に百合が咲き乱れている情景を連想しました。秘書が生まれ育った家の庭には、毎年夏になると、真っ赤な花弁にゴマのような黒い点々がついたド派手な鬼百合がごしゃっと咲いておりました。秘書にとっての百合とは、この年増ホステス(セクハラだ)みたいな鬼百合のことです。曼珠沙華といい勝負でございました。

それがまあ、鬼百合の群生じゃなくて、スズラン咲き乱れる光景でしたか・・・ 翻訳した人は、きっと植物オンチだ。(確証はありません-為念)

英文学の大家(たいかとよんで下さい。昔住んでいたアパートのおおやさんは業突く張りでした)は、翻訳の際、樹木の名が出て来ると、メンド臭いもので全て西洋トネリコと訳していたそうです。ブナもカシも何もかも。トネリコの現物と翻訳者の実態を知らない読者は、イギリス(アメリカでもよろしい)の摩訶不思議な植物体系に永年悩まされたことでありましょう。

2004年3月1日(月)雪!!!

寒いと思ったら雪が舞っておりました。心づもりが出来ていない所に降られるのはかないません。

只でさえ、新しい本のデータを今日中に印刷屋に突っ込まねばならなくて週末返上で髪振り乱してわめき散らしながら組版やっておる関係で、心持ちが冷え冷えとしておりますのに、ダメ押しのように空から降ってくるこの冷たい物体はなんざんしょ。

編集長がちっとも仕事をしないので、秘書が勝手に奥付けやらを作っていきます。頭だけはかっかとしておりますもので、ミスタイプも出ましょうぞ。やあ、間違えてる、とか嬉しそうに笑っておらんでしっかり校正せんか。はいっ、見ましたって、あんた、どこ見たんじゃ。十数年来が獣数年来になっておるぞえ。秘書は知らんぞえ。

と、かくの如くの修羅場が展開されまして、なんとか形ができました。あらかじめ申し上げておきますと、秘書は内容に一切責任もちませんので、ご了承の程を。

溜め息つきながら印刷屋さんに持っていくのは勿論秘書です。渡してほっとして、そうだ、役所はこのすぐ近くだ支払いに行って来よう、と、とことこ歩いて向かいます。

役所の中の支払い窓口は、ガラ空きでいいですな。銀行いくと待たされちゃって・・・ と窓口に払い込み票とお金を差し出します・・・ 

おいっ、と秘書の怒り虫が寒いにもかかわらず冬眠から目覚めます。

近頃は、公務員も随分と下手(したで)に出るようになりまして、住民票もらいにいって「お客様」とか呼ばれてお尻がこそばゆくなったりもしますが、おいっ、ここは住民が金を払いに来る窓口だよな、そしてあんたは公務員と思いきや(公務員でもちっともかまわんが)某三個ダイヤの銀行員ではござらんか。銀行の窓口に金持って行くと、異常なくらい愛想笑いしてくれるじゃないか。笑いを顔に貼付けろとは言わんが、客が金を出したら役所内窓口でもちゃんと相手をしろよ、横向いて隣のオバちゃんと話をしたまま受け取るなよっ。客商売のイロハだぜっ。

と、心のうちでぶちかまします。もう一度やられたら匿名で投書します。秘書は態度のでかい小心者なのであります。

そのまま歩いて内職の原稿を受け取りにゆき、大回りをして会社に戻りましたら、10000歩歩いておりました。今月も秘書は健脚です。