秘書の小部屋 2003.2

2003年2月28日(金)晴れ

また月が終わります。秘書は近頃とみに世の無常を感じます。来月は良い月でありますように。

2003年2月27日(木)晴れ風強し

次の講演に備えて、のどを準備中の編集長に、近頃話題の中高年のアイドル路線でいけばよい、と秘書が進言しました。浮き世の俗事に縁のない編集長は、それは何のことだ、と真顔で聞きます。まこと、このとうへんぼ・・・失礼、口が滑りました。まことこの仙人擬きというか紛いというか崩れというか、とにかく人間ばなれした編集長は、かの、 有効期限の過ぎた亭主や賞味期限の切れた女房を商っておられる、綾小路きみまろ氏を御存じないのでした。いわく、自分の扱っているのはぴちぴちの新鮮情報である・・・

ともかく、少しは俗世間情報に通じてもらおうと、秘書はビデオをみせました。げらげら笑って見終わって、嘘か本当か知りませんが、この路線もよいな、とのこと。

そうですか。では、さっそく売り込みにかかりましょう。まずはインパクトのある芸名ですな。薮小路ざまみろ、なんぞ如何でしょ。

2003年2月26日(水)晴れ

強請りメールのついでに、秘書の秘密をこっそりお教えします。

秘書は実は、心の奥に大きな袋を隠しておりまして、その中には、タネがたくさん入っています。何のタネかというと、俗に“話のタネ”と呼ばれるものです。ネタ、とひっくり返して言う人もおりますな。

ネタの種類は大小硬軟上下様々ですが、人様の私生活に関わる部分なんぞも数多ございまして、人によりましては、書くなっ、とわざわざ秘書に電話してくる方もおりまして、そんな時は秘書もちっとは遠慮するものでして、しかしなんですな、書きたいことが書けないというのは、ちょいとストレスが溜まるものでございまして、なんたらかんたら、とつぶやいておりますと、お饅頭やらチョコやらシュークリームやらが届きまして、そうすると秘書は少し気分がよくなって、ほんじゃま、と付け届けいただいた方のネタを心の壁にコンクリートで塗込めるのでございます。

で、何が言いたいのかといいますと、書きたくてうずうずしている秘書が、モノ欲しそうな流し目をしているのに、じぇんじぇん気づく様子のない不感症みたいな方も、この世には存在しておりまして、ちょうど今秘書の隣に立って演説の予行演習をしております。ぐぐぐ・・・

このお方、シャンソンを原語で歌うことにこだわり続け、社内にさんざん枯れ葉をまき散らした後、突如リートを原語で歌うと言いはじめ、シューベルトのCDを図書館から借り出して来ました。探し物に関しては、どこに目が付いている、と言いたくなるよなこのお方、職員を動員してやっと1枚見つけたそうです。そしてプレイヤーにセットしてしばし・・・ 「歌が入ってないよ」と、のたもうたのでした。

どれ、と秘書はCDジャケットを手にしました。入っている訳がございません。借りて来たのはピアノ曲でした。歌曲集を借りていらっしゃい! 

図書館の職員には、ちゃんと「歌」と言ったそうです。この職員の方もあまり詳しくはなくて、へん・・・いえ、我が社のとある歌オタクがリートの講議をしてきたそうです。

秘書の御機嫌伺いを怠ると、こういう話をばらされます。

2003年2月25日(火)晴れ

不幸の上塗りその3。

我が社宛に変なメールが舞い込みました。「あなたが過去に利用したアダルトサイト利用料金の未納がナンタラカンタラ・・・債券譲渡を受けたので」即刻払え。払わにゃ、集金に行く。そん時にゃ、交通費と人件費を加算して約10倍払ってもらおうじゃないか・・・

ここで、疑心暗鬼の登場です。

編集長宛によく変なメールが来ます。なんじゃこれ、のつぶやきで覗き込んだ秘書が目にしたのは、watasinohadaka.×××みたいな添付ファイル。幸いというか、生憎というか、編集長のパソコンでは開きません。この類いはウィルスかも知れないから絶対開くな、と厳命しておいたのですが、何か開いたかな・・・

つい先日も、儲け話だ、と編集長が浮かれていましたが、バナー広告を掲載してくれれば、ワンクリック8円払うというメール。ちょいと待ちなさい、うまい話には裏がある、とインターネットで検索してみれば、出会い系サイトでした。引っ掛かっちゃいけません。

さて、編集長は編集長で、秘書がこの時確認のためこのサイトに接続したもので、こんな請求が舞い込んだとお思いになられたようでした。秘書のこの、石部金子とか朴念姫とか称される謹厳実直な性格を未だに理解しておらんのですな。秘書は用心のため検索サイトのキャッシュを調べただけでした。

「ピンク倶楽部」とはもっともらしい名前です。未納利用料金が15800円、遅延損害金が3950円、回収代行手数料が5930円、合計25680円。どういう根拠でこの金額をはじきだしたんでしょ。この位の金額だと、身に覚えのある方々が払いやすいんでしょうか。

とにかく、このけったいな請求に編集長怒り狂って、謝罪要求のメールを送りつけ警察に電話し捜査を要請しました。告訴するっ、という話にもなっております。仕上げに、電話かけてがんがん文句言ってやる、というのを秘書ちょっと押しとどめました。まともな会社じゃなさそうだから、下調べしましょう、と。

「有名な債権回収詐欺の一例」

でございました。皆さんもお気をつけ下さい。このメールを送りつけてきたのは「旭総業」でございます。

これが何故不幸の上塗りか、それは、しばらく社内に疑いの心をもった暗い鬼が跋扈繁殖したからであります。秘書は編集長を疑い、編集長は秘書を疑い、社長は営業部長を疑い、営業部長は守衛のおじさんを疑い・・・

2003年2月24日(月)雨のちみぞれ時々雪

不幸の上塗りその2。

秘書のもう1人の相棒、新松はOSがX(テン=10)です。買った時は画期的な最新製品で、新し物好きの編集長がすぐさま飛びついたのでした。

ところが、このOS Xは、それまでのMacOSとは全く別物でございまして、新松は編集長が使い、古松の愛松はお下がりとして秘書が使うはずだった予定は、編集長の唸り声と共にいつの間にかうやむやになりまして、愛松は相変わらずバカだチョンだと言われながら編集長にこき使われ続け、新松は秘書に可愛がられております。

さて、新松は画期的な新製品ではありましたが、その斬新さゆえの不備も画期的でした。発売時点で接続できるプリンタがない、のでした。印刷できないパソコンなんて何の意味があるのじゃい。その後、技術の進化は目覚ましく、あっと言う間に対応製品が出て来たのですが、はてさて、ここで難問発生です。

OS Xはいつの間にか進化して10.2というバージョンになっていました。新松は10.1です。気がついたときにはバージョンアップサービスの期限が過ぎておりました。開発競争の谷間に取り残されたような10.1新松は非常に半端なパソコンと化しつつあります。

しかし、なんとかしなくては、とインターネットを駆使して調べましたら、おお、なんと一時期編集長に見捨てられて粗大ゴミに出されるところを秘書が救出したエプソンのプリン太が、OS Xに対応しているというではありませんか。さっそくドライバをダウンロードしてインストールして、ああ、これで快適パソコンライフが満喫できる・・・

夢は打ち砕かれるためにあります。

再起動したら、OS9.2が立ち上がりまして、それだけなら、後から起動ディスクを変更すれば済む話なんですが、立ち上がる途中でフリーズしやがります。画面のまん中に、エラーメッセージを表示する黒枠が出てくるのですが、多分爆弾マークが出てると思うのですが、なんとまっ白け。何回やっても、ノッペラボーが出てくるのです。ああっ、もう妖怪は嫌いですっ。

で、何をしたかというと、OS Xの再インストール。もう何も言いたかない気分ですが、もひとつ不幸を上塗りしました。

近ごろのパソコンには、昔悪文で評判の悪かった分厚いマニュアルがついておりません。それでも、Windowsフジ太にはそれなりのマニュアルがありましたもので、リカバリの際には大変助かりました。Macには、信じ難いことに、なあーんにもついておりません。

再インストールを始めてしまったのはいいけれど、途中で迷ってカスタムインストールのボタンを押して、やっぱり違う、と元に戻したはずなのに、なぜかカスタムのままで、しかもカスタムの初期設定が全て選択になっていたので、時間がかかりすぎるよ、と気がついた時には、日本語を選んでいたにもかかわらず全言語分をインストールしていたのでした。うぎゃあ。

とにかく、起動できるようになりましたので、余計なものをアンインストールしようとしたら、「インストールするには、管理者の許可が必要です」とかの警告が出てきます。インストールするんじゃなくて、アンインストールしたいんだよっ、もう。

2003年2月23日(日)曇り

公園歩いていたら、異空間に紛れ込みました。いつもと空気がちがうのです。そっくりさんばかりがいる偽世界みたいな。(お家へ帰れなくなったらどうしよう・・・)思わず立ち止まって辺りを見回しました。首をぐるーっと360度回して、失礼、首だけそんなにまわったら化け物です、思わず体をよじって辺りを見回して、しばし様子を伺って・・・。

分かりました。鬱蒼とふさふさと繁っていた公園の四方の樹木がことごとく切り詰められて幹だけの姿になっていたのです。園芸用語でいう強剪定というやつです。長毛種の猫や犬の毛を刈ると、実に情けない生き物が出現しますが、あれとおんなじです。痩せこけた隣の爺さんの丸裸を目にしたような気まずさを感じました。植えられてから10年以上は経つのに、ちっとも大木になれないのは、この強剪定のせいです。大木にすると何か不都合でもあるのでしょうか。今度の地方選挙の候補者に、伐らないって約束してくれたら投票する、と言ってみようかと思いました。

2003年2月22日(土)晴れ

秘書はお受験終わって燃え尽き症候群です。不幸の上塗りはしたくないので、1日中お家の中で過ごしました。何故かとってもチョコレートが食べたくなって、でも買いに出ると頭上から馬糞をぶちまけられそうな目に合いそうで、いじいじしたまま眠ってしまったため、一晩中、チョコと思ったら馬糞、の夢をみておりました。

2003年2月21日(金)晴れ

不ー幸は続くーよどーこまでもー・・・

昨日のお受験ショックでぼけっと歩いていたら、電信柱に衝突いたしまして、頑丈に出来てるわけでもない秘書本体は幸いなことに無事でしたが、身替わりに衝撃を吸収してくれました眼鏡のフレームがへしゃげました。いきなりガチャ目になりまして、すわ、お目目の一大事失明の危機、と焦って鏡を見たら、右目側がさがって全体斜めに、つまり長方形の立方体に力を加えて平行四辺形の立方体にして雑巾絞りかけたみたいに歪んでおりまして、よくマンガで見るボコられたおじさんの眼鏡みたくなっておりまして、要するに非常に間抜けな顔をしておりました。

知性と教養の人秘書には極めてふさわしくありません。ちょいとフレームを曲げて鼻当てを引っ込めて、反対側も少し捻って、うーん、曲げすぎたので元に戻して・・・ という作業はどういう結果に終わるか、世知に長けた皆さん、もうお分かりですね。

やればやるほどおかしくなってしまったフレームが顔からずり落ちないよう片手で押さえてひいこら自転車こいで、吉祥寺の眼鏡やさんまで行ってまいりました。店員さんは、奥に引っ込んだと思ったらすぐ直した眼鏡を手に現われました。やっぱりプロの領域に素人が手を出しちゃいけない、と思い知りました。

ところで、昨夜は会費9000円也のパーティにお出かけしていた編集長は、そんな秘書の不幸も知らず、御機嫌でお昼頃出社してまいりまして、なにやら遠大な構想をぶち上げておりました。将来の夢はそりゃでっかいほうがいいですけれど、誰が実行するんでしょうな。またこき使われるんでしょうな。

2003年2月20日(木)雨

秘書、お受験をいたしました。因数分解なんぞに頭を悩ましていたのは、この日のためでした。朝もはよから起き出して電車に揺られて試験場に到着して書類をせっせと書いて、答案用紙に答えを書いて提出して、それから面接の順番待ちをして・・・お家に帰ったのは午後でした。疲れてお布団に潜り込んで眠たいのに眠れなくて・・・

悲しかったです。30人の定員に150人以上の人が詰め掛けて、しかもぴちぴちの若い子がどっさりこ。おばちゃんもおじちゃんも数えたくてもほとんどおりません。きっと秘書が受験者の平均年令を上げてるんでしょうな。

面接でいい加減なことばっか言ってしまいました。わーん、人生お終いです。同居人は、来年があるさ、となぐさめてくれましたが、来年はもっと物忘れがひどくなって、もっと支離滅裂になってる筈です。えーん、事前に見学に行けばよかった。学校へ行きたいよお。

2003年2月19日(水)晴れ

週末に熱を出した原因を思い出しました。大変なことが起きてたのでした。こんな事態をきれいさっぱり忘れていたなんて、誰かさんの影響大です。気をつけなくっちゃ・・・

天変地異ならぬ大変怪異な事態に陥ったのは、我が社で唯一編集長の魔の手を逃れていたフジ太君でした。名門富士通一族のフジ太君は、愛松君やメビと違って、いかにものWindowsビジネスパソコンの風貌をしておりますので、さすがの編集長も敬して遠ざかっていたのでした。もっぱら秘書が組版したりイラスト描いたり(内職したり)に使っていました。愛松君やメビが、年中キャッとかギャッとか、悲鳴や雄叫びを上げているのと対照的に黙って仕事をこなす頼もしい奴でした。

時々、なんか、ちょっと変だなとは思ったのですが、フジ太に限ってそんなことは、と根拠のない信頼を寄せていたのが間違いでした。何もしてないのに、CDトレイがジャーっと出てきて何もしないのに引っ込んで・・・でも差し支えないので深く考えませんでした。アップデートを全自動にしたら、年がら年中ダウンロードとインストールをしてしました。Windowsってウィルスに狙われやすいから、修正ファイルがいっぱいあるんだ、と思っていました。

念のためシステムの完全スキャンをしようと、アンチウィルスを開けてみたら、んぎゃあ、緊急事態が発令されていました。ウィルス定義が1月から更新されていないのです。焦ってLiveUpdateをしようとすると、全く受け付けてくれません。ダメならメーカーのサイトから直接ダウンロードせい、と書いてあったので、素直に従ったのに全くダメです。どうも「更新ファイルが壊れています」ということらしいです。

それから秘書は、システムの復元を試みて、その前にアンウィルスソフトを抜いて置くのを忘れて(メビでさんざんやったのに)、再起動したら収拾のつかないことになって、復元を取り止めて戻してアンウィルスを抜こうとしたら、アンインストールができない、というしょうもない事態に陥いりました。

泣く泣く、「リカバリ」を決意しました。マックでいうところの「リストア」です。えーん。

バックアップして、全てオジャンにして、せっせとインストールして設定し直してアップデートも山のようにして、さて締めにアンチウィルスとインターネットセキュリティをインストールして、これもアップデートして設定し直して、の最中にフリーズしやがりました。5時間近く奮闘した後です。強制的に電源切って立ち上げたら、あらまあ、システムがめちゃくちゃになっておりました。ちゃんと手順通り、インストールするごとに再起動してたにも関わらず、です。

こ××くしょう、ば××ろう!(秘書だって悪態つきたくなりますわな)

めげてては何も解決しません。またリカバリしてせっせとやり直しました。2度目は迷いがない分手早くなったのが、救いといえば救いです。用心のため、一定レベルまでシステムを復活させるごとに復元ポイントを作成しておきました。性格が暗くなるような作業でした。取り敢えずメールが出せてインターネットが出来てワードが使えるレベルに回復させたときには疲れて冷えきっておりました(電源落ちるのが恐くて暖房止めてたもので)。

秘書は日頃何か報いを受けるようなことをしていたのでしょうか。

2003年2月18日(火)雨

やれやれ。1週間分の日記を書くのはやっぱりしんどいざんす。その日のことはその日のうちに。将来にツケを残しちゃいけませんな、まったく。

さて、天変地異が起こって地上の人類が死に絶えても唯1人生き残るであろうと(秘書が)思った編集長が、まさかの脳硬塞で入院したのは約9ヶ月前のことでした。事の詳細を蒸し返しても面白くもなんともないので省きますが、後からつらつら思うに、だから言ったじゃないかー、という状況がありました。

健診で、心臓に少々問題があるかも、と指摘され、精密検査を受けるべし、と言われていたのに、検査結果のほうが間違っているとばかりに無視して、相変わらず街頭演説三昧、挙げ句議会での陳情陳述でぶっちぎれて・・・

そりゃ、剛毛で覆われた心臓がそんなにヤワだとは自分でも思いもよりませんでしたでしょ。

で、今年もまた健診で引っ掛かり、「あれから定期検査していないんですか」と言われて初めて自覚が芽生えて診察を受け、本日検査器具を取り付けに病院に出頭しました。

心臓の剛毛は多分つるつるにそりあげられたかと思います。体中にべたべたとなにか貼られて少々しおらしくなって帰ってきました。

と、思ったのは間違いでした。あちこちに電極がくっついたサイボーグみたいになっても、相変わらず電話かけまくって説教を垂れまくっております。どっかショートしないか、心配です。

2003年2月17日(月)晴れ

ぼけっとしておりましたら、節分も終わって春が立っておりました。煎り豆を食べはぐれてちょっと悔しいですが、暦の上だけでも春になったのは嬉しいです。こころなしか、風が爽やかな気も・・・

しかし我が社の窓はぴたり閉ざされたままです。花粉が入るから開放厳禁なのです。秘書はお外の空気が吸いたくなってときどき玄関からちょろっと出ていきます。すると編集長がエイリアンでもみるような目で睨みます。そんなとき秘書は(いっぺん杉林に一昼夜放置したセーターでも着て出社してみようか)と思うことがあります。

今年も花粉症は深刻です。関係各方面の方々、我が社の平穏のため、杉林のお手入れをお願いします。

2003年2月16日(日)雨

相変わらずやる気欠乏状態です。寒いので動きたくないし、ベッドにこもって本を読んだりしてましたら、あららお熱が出てきました。どうやら本物の病気になったみたいです。これでおおっぴらに昼寝ができます。お外はみぞれも降ってきたようです。

2003年2月15日(土)晴れ

頭痛いです。このところ週末になると体調が崩れます。お勉強せにゃならんのですが、やる気ゼロ状態なので、1日だらりんこと過ごしました。人生こういう時間も必要です。

2003年2月14日(金)晴れ

パリ土産は、お高いチョコレートでした。4かけ入って8ユーロ。1ユーロが140円だから、140×8は、えーと・・・1120円。ぐっ、高すぎる。いつも秘書がおやつにするのは、同じくらい、いや、もっと入ってて100円のチョコです。

どこが違うのでしょう。食べてみましょう。ぐっ、違いすぎます。なんとまろやかなおフランスのお味。やっぱり“レート”が抜けた“チョコ”は“チョコレート”じゃないんですね。

それはそうと、縁のない別世界のお話だと思っていた「通貨ユーロ」が突然身近になりました。フランス通貨がフランでなくなったのは、ちょっと淋しい気がします(時代に取り残されつつある秘書のぼやきです)。

2003年2月13日(木)晴れ

同居人がパリから帰ってきました。

心配性の秘書は、飛行機が無事着陸したことを確認するまで安心できません。成田空港に電話して、ナントカ航空のナントカ便は着きましたか?、とやって、同居人に呆れられたのは去年のことでした。今回も、電話するなよ、と言いおいて同居人は旅立ったのでした。

わかっちゃおりませんな、こいつは。自分のことじゃないから、心配するんです。自分のことなら心配してる暇なんかありません。きっと念仏マラソン状態になって震えております。

電話するなと言われて思い当たりました。インターネット全盛の世の中、パソコンに繋いだ電話線の向こうに情報はあるに決まっております。成田空港のフライトインフォメーションはすぐ出てきました。10分単位の更新で、搭乗予定の便が遅延していることまで分かります。ついでにエールフランスのフライトインフォメーションも調べました。こっちも遅延だと表示されています。

出発もパリ着も、帰国のパリ発も成田着もぜーんぶインターネットで検索しましたので、今回秘書は心安らかに過ごせました。便利な世の中になりましたな。

2003年2月12日(水)雨

編集長鍋を火からおろしましたが、まだフツフツいってます。お陰で月刊憎まれ愚痴の原稿がちっとも進まず、まだ1月号発行中を掲げております。

編集長の言うことを真に受けて週刊にしなくて良かった、とつくづく思って・・・いる場合ではありません。いっそ、隔月刊にしますか、季刊にしますか、という事態です。

そういう状況が分かっているのかいないのか、書く書く、と言いながら、今日もまた電話魔と化してあちこち長電話をかけまくっております。電話代の請求が来た時に腰を抜かしても、秘書は面倒見る気ありません。

2003年2月11日(火・建国記念日-昔紀元節)晴れ

仕事のし過ぎで頭が痛いので、お休み。

世間的にも今日は祝日です。国民の祝日のことを、昔は旗日といってたようです。そういえば、祝日には新聞の1面に日の丸の旗が印刷されておりました。いつから見かけなくなったのか、覚えておりません。玄関に日の丸を掲げるのも普通の光景でしたが、いま殆どみかけることはなく、たまに目にすると、頭の中に軍艦マーチが鳴り響いて、ちょっと困ったりしております。

秘書は小さい頃、日の丸の旗の竿の先についている金色の玉を磨くのが好きでした。ピカピカに磨いた玉に顔を映しては、鼻デカの間抜け顔を笑いあったものでした。

2003年2月10日(月)晴れ

秘書んちの電話はナンバーディスプレイです。ひと頃ろくでもない電話が頻繁にかかってきましたものでうんざりしておりまして、ナンバーディスプレイ施行の知らせに飛びついたのでした。

電話番号を把握される、電話の機能を阻害する、とかの施行反対意見があったようですが、そんなもん反対のための反対じゃございませんでしょ。違う。でございますでしょ。匿名で掛けてくる電話のほとんどが、どうでもいいというより、二度と掛けてくるな、というものでした。

電話が掛かってくると、じーっと番号をみつめて、心当たりがあれば出ますし、心当たりがなけれが留守番電話におまかせします。お陰で心やすらかに電話とつきあえるようになりました。

さて、お家の電話がピロポロロとなって、画面に現われたのは、ヒョウジケンガイの表示。初めてお目文字いたしました。はて? 取り敢えず出てみましたら、おお、電話の向こうはまたしてもパリでした。しかもまた隣の部屋からかけてるみたいにはっきりくっきりすっきりです。ザーザーと国際電話に海の底の音が混じっていたのはいつ頃の話だったのでしょう。科学技術の進歩は素晴らしいと実感しました。

人間そのものは、いくら生命化学が進歩しても、それぞれの個体が受胎の瞬間から太古の生命発達の歴史を一から辿ってくるため、たいして進歩がないようです。親が獲得した知識技術の脳情報をアウトプットして、子孫の脳に直接インプットし、そこから人生がスタートする、なんてことはありますまい。なんか、えらい無駄してる気分。でも、生まれたての赤ちゃんが、どこぞの大学の名誉教授みたいな口きいたら、それも無気味でしょうな。

2003年2月9日(日)晴れ

ちょっとした成りゆきで、中学校数学をすることになりました。秘書、これでも中学生の時は優等生で数学は大の得意、ほとんど満点でしたから、鼻歌気分で問題集を拡げました。ちかごろの大学生は分数の計算ができないのもいるそうです。だから日本は不況から立ち直れないのだ。嘆かわしい・・・のは大学生だけではありませんでした。

因数分解って何をするんだったけ。平方根の有利化ってなんだ。

おまけに簡単な計算でも電卓たたく習慣が身についているもので、128-65程度の計算で、えーっとえーっとを連発してしまいます。知性の危機を感じました。しかし、焦れば焦るほど解答集とかけ離れた答えがでてきます。

ちょいといたずら心を起こして、何食わぬ顔で編集長に2次方程式を解かせてみました。因数分解して0になるのはすらすら解きましたが、公式が必要なほうは、公式の存在そのものを忘却の彼方へ追いやっておいでのようで、頭に???の輪っかをはめておりました。

覚えておりますかな。 ax自乗+bx+c =0 が b自乗-4ac≧0 のときの解法の公式を。秘書はこれだけは頭に叩き込みましたぞ。

2003年2月8日(土)晴れ、夜中に雨

お腹の具合がちょっとよろしくありません。鍋に当ったかも。咳もこんこんと出るので、大事をとってお休みしました。寝ても寝ても眠いです。

2003年2月7日(金)晴れ

秘書の携帯にペロポロと[通知不可能]の表示の着信。なんざんしょ、と出てみれば、電話の向こうはいきなりパリでした。まるで隣の部屋からかけてるみたいによく聞こえます。テレビのニュース等の衛星中継をみてると、結構会話に間があきます。あれと同じで一呼吸おいての通話になるかと思ったら、即時に返事が返ってきます。いやあ、技術の進歩というものは素晴らしいですなあ、とちょっぴり感動いたしました。

編集長鍋はまだ煮えています。いろいろいろいろぶち込んでお出汁がでて、今がちょうど良い煮詰まり具合みたいです。隠し味はインターネット検索資料。予想外のとんでもない記事も出てきたりしまして、闇鍋みたくなってきました。そろそろポン酢でいただこうかと思います。

2003年2月6日(木)晴れ

秘書、頭が痛いです。心配事があって・・・ 

昨日吹き飛んだ鍋の蓋が、くわらん、くわらんとまだ床で回転踊りをしています。編集長はまだぐつぐつ煮えてます。差し水をすれば一瞬は沸騰が治まりますでしょうが、じきまた沸騰して、結局煮え湯の総量が増えるだけです。秘書にはさして珍しくもない事態ですが、人生順風満帆でこられました方には、キラウエア火山の噴火口を覗く思いがしますでしょうな。テレビで見る噴火はそりゃもう素敵ですが、現場には行きたくありませんな。

さて、心配なのは、憎まれ愚痴活火山ではありません。憎まれ愚痴が休火山になるほうが心配です。理由もなく沸騰しているのではありませんから、秘書ごときの余計な手出しは無用です。

秘書の心配は、極小の個人的事態です。秘書は飛行機が大嫌いです。訂正。飛行機そのものに遺恨はありません。飛行機に乗るのが大嫌いです。

あれは、ウン十年前のまだ秘書がハイティーン(死語ですかな)の頃のことでした。和歌山に行った秘書は、帰りはナントカ国内航空のプロペラ機に乗り羽田空港に向かいました。生まれて初めての飛行機は、晴天のうちに離陸いたしましたが、間もなく乱気流に巻き込まれ、コニ-アイランドの木製のジェットコースターさながらにがたがたと揺れ続け、瞬く間に巨大スーパーゲロッピと化した秘書は備え付けのビニール袋にずっと顔を突っ込んで、口から飛び出そうとする胃袋と格闘しておりました。こういう時に窓から外の景色を楽しんでいるのがおりましたが、そんなの人間じゃありません。じご・・おっとっと口が滑るところでした。

グロッキー(これも死語ですかな)になって羽田へ着いて地面に足が着いて人心地が着いて、ようやく思いいたりました。墜落してても不思議はなかった、と。

北海道に行った時も悪天候にたたられ、函館の上空で旋回を続け、羽田へ引き返します、とか言われて、念仏唱えながら十字を切りました。この時は結局強行着陸してしまいました。帰りも飛行機でした。二度と飛行機には乗るまいと決心した旅行でした。

なのに、フランス行こう、ですって。あれですか、近ごろはフランスまでJRが走ってるんですか。東京湾フェリーはフランスまで運航するんですか。青函トンネルの向こうはドーバートンネルですか。飛行機にはじぇーったい乗りません。1人で行けー!

という訳で同居人がエールフランスでパリにお出かけになりました。貸して、の一言で秘書の金ふんだくって行きました。“貸して”というのは“返す”という前提があって言う言葉です。いつ返す、と詰め寄ったら、出世払い、との返答でした。先物取引みたいです。ここで引くと損が出る、と次々と追証を差し入れて・・・ 同居人が出世するまで貸し続けにゃならんのです。むあああ。

2003年2月5日(水)晴れ

過ぎ去った集会の日のことです。公民館に足を踏み入れた秘書は、どっきっ、としました。ロビーでタバコをお吸いになっているお方がいらっしゃいました。公共施設は禁煙、が社会原則だと思っておりましたが、世の中そんなものやおまへんかったようです。タバコの煙が大嫌いな編集長にたちまち火がつくかと思いましたが、たまたま風上に立ったおかげで全然気がつかなかったようです。それどころか終始ニコニコといつになく笑顔で・・・ 秘書無気味なものを感じておりました。

編集長は静かに煮えていたのでした。とろとろトロ火で暖めつづけて、ようやく沸騰点まで加熱されて、本日鍋の蓋が吹き飛びました。詳しくは言いますまい。いずれ編集長が、仰天痴呆自治出張編顛末記を、彦彦媛媛と書くでしょうから。世の中誠に色々です。

2003年2月4日(火)晴れ

取り敢えず課題の平和集会記念講演を終えたので、秘書は気が抜けています。と言っても、秘書が一席ぶったわけではありません。時間制限に引っ掛かって、せかせか喋ったのは我が社の編集長です。

こういう時は間(ま)をとって喋れ、と秘書がうるさく言うので、いつもはゆったりと喋るのですが、今回ばかりは秘書も時計を見ながら気が気じゃありませんでした。しりきれとんぼになっちゃうよー、と焦りましたが、強引に納めてしまいましたな。

という訳で、秘書は気分転換に税務署に行ってまいりました。気晴らしにはもってこい・・・な訳ありません。もうすぐ確定申告の季節です。毎年秘書はなけなしの脳味噌を裏ごしするような思いで電卓叩いて税金計算するのですが、今回は払い過ぎた税金を返しておくれ、と即ち還付申告をするのです。恥ずかしながら昨年は失業してのち税金払うほどの収入がございませんでした。還付申告は年明けそうそうからできます。わざわざ確定申告が始まってからの修羅場のような税務署に行って、混雑に輪をかけることもありますまい・・・ やはり秘書は性格が慎み深いのです。

さて税務署の帰り、駅前に自転車を留める許可をもらうため駐輪場の申し込みに役所の出張所にも行ってまいりました。申し込んですぐ許可されるのではなく、それから抽選して、当ったら利用料払って、と結構面倒臭いのですが、家から駅までは歩くと20分あるのでして、健康維持には程よい距離なのですが、よんどころない事情のある時はハアハア言いながら走り、もっとよんどころない時にはチャリンコ飛ばして一時駐輪場に預けて1回につき100円也を払うのでして、1月ぶっ続けに飛ばした日には1年分の利用料金も飛んで行ってしまう。1年間ぶっ飛ばした日には12年分も払ってしまう・・・ そんな不経済なこと、この秘書には耐えられません。

ちなみに秘書は、編集長言うところの“100億円の駐輪場”に置かせてくれろと申し込みました。なぜ100億円なのか、知りたい方は、編集長執筆の“武蔵野オンブズマン”をご覧になって下さい。この“100億円の駐輪場”には、もっと駅に近い駐輪場を希望して外れた方がよく回されてくるようです。編集長が回されたらどういうことになるでしょう・・・

帰り道、警察署の工事現場を覗いてきたら、おんや、いつの間にか地面に太い鉄骨が生えていました。1本の幅が秘書のベッドより広い、ぶっとーい鉄骨です。要塞でも作るんでしょうか。

2003年2月3日(月)晴れ

昨日変身したせいか眼が変です。ちょっとばかし焦点が定まらなくって新聞が読みにくくて・・・と思ったら眼鏡を間違えていました。映画を見る時用に作った、かけたら殆ど遠視、視力3.0あるかも眼鏡をかけていました。こんな眼鏡、日常生活でかけちゃいけません。まったくもう。

しかしド近眼の秘書、眼鏡なしでは新聞読むのも一苦労です。(明視の距離は、試しに計ったら11センチでした)。眼の前におっ立てるようにして読んでいた秘書は、ある記事を読もうとしてヘッと思い、しばらく眉根を寄せて思い悩み、次の瞬間思い違いに気がついて憮然としました。キューバのスカトロってなんだ?と思ったのはキューバのカストロ首相でした。まったくもう。

とろとろと重役出勤したら、事務所には誰もいません。むああ。仕方なし、こういう時しかできない大ならぬ中掃除を始め、掃除機かけた床をピカピカに磨きました。さっぱりしたところに編集長が無事帰ってまいりました。埼玉観光をしてきたそうです。いろいろとお疲れさんでした。それにしても大変でしたなあ・・・

2003年2月2日(日)晴れ

本日は編集長の講演会です。

駅で待ち合わせしたら、やって来ましたのは、マスクにサングラスに帽子3点セットの編集長。グゲッと思いましたが、駅前の交番のお巡りさんに不審尋問されなかったところを見ると、気を揉んでいるのは心配性の秘書だけみたいです。そういえば、巷にはマスク姿が急増しています。

さて、乗り物アレルギーの秘書はお家を出る前に、薬を飲んで来ました。この手の薬は一種の睡眠薬です。電車に乗ってる間、ずっと編集長が喋っていた気がしますが、記憶が曖昧です。電車の窓の外の風景がだんだん長閑になっていくなあ、とか思っておりました。

編集長のほうは、なにせ1時間で話せる筈もないテーマをさらにビデオ上映で短くせにゃならないので、しきりに頭の中で講演内容を再構築しているようでした。もうろうとした秘書を観客に見立てていたようですが、生憎な客でしたでしょうな。

講演会は駆け足で終わりました。やっぱり1時間は辛いですなあ。編集長珍しくニコヤカでしたが。

懇親会に参加する編集長を置き去りにして、秘書はお薬の効いているうちにと、とっとと帰ってきました。1件落着。お家に帰って1人で慰労会でも、とスーパーに寄り道してワインを買い、冷蔵庫にソーセージがあったから炒めて・・・などと算段していたら、にわかに胃のあたりがムギュグニグニ。急に匂いに敏感になって・・・

初体験でした。これまでは、乗り物に揺られてかなり出来上がっちゃっていても、とにかく下車すれば治まっていました。今日のは、ヤクの切れ目が鬼太郎袋の破れ目、の後追い発症でした。ドアを開けた途端普段は気にならない閉め切った部屋の匂いに首を絞められて、大ゲロッピに変身いたしました。

寝てしまおう、と思ったのですが、冷えたのか寒くて寒くて熱いお風呂に入って鳥肌立てたまま震えて浸かって上がろうとシャワー浴びれば小ゲロッピにぶり返し変身してトイレに駆け込んで冷えてまた湯舟に浸かって・・・ああなんたる結末。

埼玉に置いてきた編集長の身の上を心配するどころではありませんでした。

2003年2月1日(土)晴れ

明日はいよいよ編集長の講演です。会場は、お家を出て電車を乗り継いで約2時間程の地方都市です。(そんなに電車乗るのヤダ)と、由緒正しい乗り物アレルギーの秘書は丁重に辞退申し上げたのですが、「何のための秘書だ」との大合唱が期せずして社内に沸き起こりまして、出張と相成りました。こういう時は社長以下全部長が一致団結する我が社は同族会社でしょうか。

ですので、本日は英気を養うためお休みして熟睡することにいたしました。明日はつやつやの顔で行かなくっちゃ・・・

その後秘書に何が起きたかは、これまでの行動パターンからして、もうお分かりでしょうね。電話で叩き起こされて、あたふたと・・・

今月も秘書の人生辛いです。