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最新号

『ACT―市民の政治―』123号(2000年6月12日)

Line Up

◆辛口レビュー 介護保険がスタートして・田中典子さん(東京ケアユニオン書記長)
◆CATCH UP(集会情報)/いずみ(編集長コラム)
◆6・25総選挙〜自公保を過半数割れに/今度こそはもう許しませんよ
      「共・社民・新社を支持するが、社会的亀裂表現できる党こそ」
                         ………小寺山康雄(本紙編集長)
      「護憲派の共同戦線として、辻元・中北両候補を擁立」
                         ………前田裕晤(大阪全労協議長)
      「社民党へ女性たちが加勢、可能性をもつ小さな試み」
                         ………朝日健太郎(本紙編集委員)
      「改憲阻止の砦として、保坂展人さんをぜひ」
                         ………内田雅敏(弁護士)
◆劣化ウラン弾 恐怖の放射性物質/介護保険がやってきた(3)
◆神坂直樹さん任官取消訴訟不当判決!
◆イタリアレポート 家事労働への労災を認める法律が成立
◆沖縄・対抗サミットに向けて オルタナティブな世界を構築するために
◆結党50周年・沖縄社会大衆党 その苦闘と新しい挑戦
◆7月沖縄サミットを前に〜ウチナー訪問記(3)ちゅらさせっけん工房
◆神戸市長リコール運動を終えて 空港建設STOP!まだあきらめない
◆市民派議員リレートーク(10)北海道札幌市議・小林郁子さん
◆Ecoひいき@大阪/ろばくん A福岡/和白干潟を考える会
◆経済ウォッチング(5)「ゼロ金利継続」という愚策
◆欧州短信〜フランス・トロツキスト2派、共闘路線はやくも破綻
◆BOOK Review『アンペイドワークとは何か』中村陽一編著(藤原書店/2800円)
◆広告(3面)『軍縮』7月号……宇都宮軍縮研究室
      『創』7月号『「こころの時代」解体新書』他……創出版
      『記録』7月号……アストラ・月刊『記録』編集部
      『インパクション』119号『女に向かって』……インパクト出版会


辛口レビュー

介護保険制度がスタートして
田中典子さん
東京ケアユニオン書記長

現場からの提起を活かし
介護職の専門職化めざす

ホームヘルプは社会的サービス

田中典子さんのプロフィル
たなか のりこ ホームヘルパー歴30年弱で、この3月に葛飾区役所を退職。現在、東京ケアユニオン書記長、同介護相談室に勤務しいてる。介護される人、介護する人びとに対しての支援事業を企画中。主として学習会、研修を実施し、現場で判断できる力を互いに育てあっていきたいと熱を入れている毎日。
【電話相談】東京ケアユニオン介護相談室*03-5215-0450/FAX03-5215-0451(月〜金、10時〜18時。相談無料。秘密厳守。相談員は田中典子さん、杉本早美さん)。
【連絡先】同事務局 千代田区五番町6-1 AKビル3F 自治労東京都本部内 
TEL00.6.2003-3234-0241/FAX03-3234-7767/http://www1.ubc.ne.jp/~CU/

(構成・清水直子/写真・大島正裕)

 今年四月から介護保険制度がスタートした。公的な措置制度から、理念としては利用者の必要に応じた福祉サービスへと転換し、制度が大きく変わった。その主要な担い手も、地方自治体や関連の社会福祉協議会・社会福祉事業団から、民間の事業所やNPOへと移りつつある。
 全国の地方公務員などで構成される自治労(全日本自治団体労働組合)は昨年八月の大会で、民間事業所を含めた介護労働者の組織化を決め、全国で三十万人の組織化を目標に各都道府県本部が取り組んでいる。東京では今年三月、介護の仕事に携わる人のための個人加盟の労働組合、東京ケアユニオン(TCU)が結成された。
 昨年十一月現在、都内では、行政区別に配置されている人だけで約三万五千人(非常勤約三万二千人、常勤約二千人)がホームヘルパーとして働いている。働く人の労働条件が懸念されていることもあり、同ユニオンの活躍には一層の期待がかかっている。
 ホームヘルパーの圧倒的多数が登録して現場に派遣される人や短時間のパートタイマーである。彼女ら、彼らの仕事、生活保証をするため、同ユニオンでは共済制度に力を入れている。全労済、自治労共済と提携し組合費に共済費を含むユニオン共済制度を作っている(月二千五百円の組合費に共済費を含む)。三月十八日の結成大会以降、多くの問い合わせに応えながら夏までに千人を目標に組織化をしている最中。介護報酬の学習会、ケアマネージャー受験講座、ヘルパー二級の養成講座も企画している。(編集部)

 ――共済制度に重きを置いているそうですが。

 ホームヘルパーの主力が公務員から民間の登録型に移っていますが、利用者にとって未経験のヘルパーがやってくるのは決していいことではありません。人相手の仕事ですからヘルパーの収入で生活する人、社会的活動として従事する人、どちらにしても長く続けてもらえるように条件整備をしたいのです。仕事上の悩みについて相談を受け、地域で情報交換もします。内容によっては弁護士や医師の専門的援助も受けられます。
 東京ケアユニオンのもうひとつの目的は、現場で直面している問題から社会的な提言をしていくことです。利用者にも働く側にも、介護保険の本来の目的や制度のあり方が周知徹底されていないため、制度のしわよせが現場のヘルパーにきているのです。

 ――どんなしわよせが?

 本来、利用者の生活を豊かにするため自立を支援する、そのために必要な看護やケアプランを立て実行するというのが、介護保険の最大の目的でしたが、利用者に限度額いっぱいのサービスを入れることを主目的にしてしまっている。そのしわよせは、訪問介護の部分にきているのです。訪問看護には報酬のランクはありませんが、訪問介護は「身体介護」「家事援助」「複合型」にわかれています。時間が短くなり、介護が家事援助になって、ヘルパーは倍忙しくなり、収入は三分の二に、というのが実状です。
 厚生省は、「身体介護」「家事援助」「複合型」それぞれの内容についての指針をだしているのに、現場に徹底されていない。たとえば、介護される方の意欲を引き出すため一緒に家事や料理をつくることも、そこでは介護に入っています。しかし実際は、作業の視点のみ強調され、家事として評価されがちです。事業所も仕事が来なくなることを恐れることもあって、なかなかヘルパーの立場に立ってものを言ってくれません。
 事業所側のサービス提供責任者も役目を果たしていない事例がとても多い。誰がサービス提供責任者なのかわからない、という話もよくききます。サービス提供責任者が訪問介護の介護計画書を作り、利用者と合意し、内容と時間を決める。その上で、現場で働くヘルパーに、訪問介護計画を説明してから仕事にかかるはずなのに、何の説明もなく「二時間で家事をやって」と言われる。これをやるためには何時間必要だからと時間が決められるはずなのに、サービス内容が三十分以上一時間未満と決まったらヘルパーは五十九分まで時間いっぱい働くべきだという理解が、利用者とケアマネージャー双方にあるようです。

 ――新規参入の大手事業所で働く方からの相談は?

 相談ではこちらから会社名は聞きませんのではっきり分かりません。ヘルパーの定着率もサービスの一つの指標になるはずですが、全般的に定着率は悪いと聞いています。その中で相談室へ電話をくださる方々は何とかその場にとどまり改善しようとされているのかなと期待しています。

 ――今後、現任研修にも力を入れられるそうですが、利用者の要求とヘルパーさんの技量にズレがある、とも聞きます。例えば、家事援助に派遣された先から料理ができないと苦情がくるとか…。

 業務がヘルパー個人の技量に任され、ホームヘルプサービスが社会的サービスだと理解されてこなかったことが最大の原因です。だからこそ介護保険では社会的サービスとして位置づけるため、ケアプランと訪問介護計画書という器を作ったはずなのです。介護保険下のホームヘルパーは家事手伝いの延長では決してないのです。訪問介護計画書の目的に相応しい業務ができたか否かが唯一の判断基準です。技量不足であれば事業者として改善が当然必要です。

 ――今後、資格取得の研修も計画しているそうですね。

 東京ケアユニオンでは、仕事として人の心理を理解することや生活の質を考えられるような研修をしていきたいと考えています。現在の資格認定基準や研修内容がすべてよいとは少しも思いませんが、介護の仕事は誰にでもできる仕事と誤解されることもあり社会的評価がキチンとされていません。そのような状況を変えていくためにも、資格制度や技能の向上はぜひ必要なのです。介護職の専門職化はケアユニオンの目標です。介護の仕事が社会的サービスとして認識されるよう、ヘルパー自身も力をつけ、今ある制度をよりよい方向で活用していきたいと考えています。


いずみ

 神奈川県警が組織ぐるみで現職警部補の覚醒剤使用をもみ消した事件で、横浜地裁は元本部長ら五人の県警幹部に有罪の判決をいい渡した。
 判決は「法治国の基盤を危うくするもので被告らの罪責は誠に重大、万死に値する。国民に抱かせた警察不信は深刻で、影響は計り知れない」と大見栄をきっている。
 ところが「万死に値する」犯罪の代償は、懲役一年〜一年六ヵ月で、おまけに執行猶予付である。元本部長らが涙を流して感激し「控訴しません」というのも当然である。
 私利私欲によるものでなく退職金を返上し天下り転職も辞しているというのが、寛大な判決になった理由である。私利私欲でやったのならまだしも可愛気がある。警察の威信とやらを誇示するために、組織ぐるみで事件を隠蔽する体質こそ裁かねばならないのに、それはできないのだ。
 裁判長の頭の中には、法治国家の体面を守ることしかない。こんなことが続けば、国民どもがエリート支配に不信感を抱き、ひいては国家の正当性を疑いだす。体面を汚した馬鹿なエリートを罰することで、国民の不信を柔げねばならない。しかし、その罰はほどほどにしておかねば、国民をつけあがらせる。エリートとノンエリートの垣根はどんなことがあってもとり除いてはいけないのである。
 冤罪で退職金や老後の就職どころか生計手段を丸ごと奪われ、家族の中から自殺者まで生んでしまう。息子が殺されると警察にかけこんでも、助けてくれない。容疑をかけられマスコミにリークされ、裁判以前に再起不能にリンチされる。これら警察の犯罪はけっして私利私欲に発するものでなく、国家と警察の威信のためにおこなわれてきたものである。
 このような警察犯罪を摘発しチェックすべき検察や裁判所は、例えば一審無罪のネパール人を控訴審に出廷させるのに便利だとの理由で拘留するのである。これが法治というのだから、中国を人治国家と嘲笑することはできまい。彼我の差は、それが多少とも大きくても、たかだか人治の洗練度の差にすぎないのだ。

小寺山 康雄


6・25総選挙〜自公保を過半数割れに/今度こそはもう許しませんよ

 好き勝手やりたい放題の自自公政権は、一度も民意を問うことなく誕生し消滅した、いわば非合法政権であった。それをひきついだ「天皇主権神の国」自公保政権もまた、数人の政治家による簒奪クーデター政権である。六月二十五日は「戦争のできる国家」体制づくりにたいする反撃の第一歩にしよう。(編集部)

共・社民・新社を支持するが、社会的亀裂表現できる党こそ

小寺山 康雄(本紙編集長)

よりましな選択とは…

 自前の党を持っていないわたしたちの選挙党争は、はじめから限界づけられている。韓国の経験に学んだ落選運動にしても、社民党の市民派への応援運動にしても、共産党の伸長に期待するにしても、けっしてポジティブな動機にもとづくものでなく、相対的によりましな政治状況をつくりだすための限界づけられた選択である。
 よりましな選択とは、阪神タイガースをこよなく愛し、その優勝を願いながらも、帝国主義読売ジャイアンツを優勝させないために、あるときは中日、広島など反帝国主義球団を応援し、場合によっては、それらの球団の優勝を期待するようなものである。
 今次総選挙は、自公保連立政権の「安定した多数支配」を崩すことができれば大勝利であるが、それができない場合でも、護憲を公約にしている共産、社民、新社会の岡崎の勝利をかちとることが獲得目標である。
 共産党は「無党派との連合」を掲げ、現にいくつかの地方でそのような共闘体制を組んできたが、その場合でも相も変わらず自党の同心円的拡大を第一義においている。わたし自身、昨年の芦屋市長選挙や反安保ガイドライン闘争をめぐる同党との折衝で、そのセクト主義の根深さをあらためて思い知らされた。にもかかわらず、この党が社会党なきあとの反保守・新自由主義の寄る辺になっていることは動かし難い事実なのである。
 また、わたしはそのようには考えないが、この国で社会民主主義の灯を消してはならないと考えるのであれば、労働者階級に基盤をおき、資本主義の枠内で民主的改良を追求しようとしている共産党こそ社会民主主義的であることも疑いえない事実である。この党の伸長に期待しない理由はない。
 社民党は、いわば「戦争のできる国家」への道筋を村山政権時代に布いた。また、土井党首は衆院議長の職権で、流産する寸前にあった現行選挙制度を実現させた。それにたいする明確な反省はいまだにしていない。しかし、衰退する党勢が強いた苦肉の策としても、女性や環境保護、反戦平和運動のにない手を候補者にしている。
 社民党は社会民主主義政党としてよりも、日本版緑の党として生き残り、生まれ変わろうとしている。その可能性に注目するのは当然である。
 新社会党は、岡崎宏美ひとりにしぼって選挙戦をしている。他の地方については詳しくは知らないが、少なくとも関西では市民運動のにない手として、岡崎も新社会党も奮闘していることは高く評価されるべきであり、岡崎の勝利を願うものである。

既成政党では表現できない
新たな政治的主体の確立を

 「神の国」発言で急速に支持率を下げた森内閣と、そのあおりをくらった自民党は獲得議席目標を大幅にダンピングして、敗北後の執行部にたいする政治責任追及の鉾先を予めかわそうとしている。その獲得目標すら達成できなかったなら、根深くある公明党との連立に批判的な潮流が一挙に台頭し、またぞろ政界再編が始まるであろう。
 民主党は選挙前にはタブーとされる課税最低限の引き下げをあえて公約にすることにより、本格的な新自由主義政党に純化しようとしている。もともと存在する憲法をめぐる党内対立とあわせて、新自由主義的経済政策をめぐっても党内対立は避けられない。
 今のところは思想的・政策的ちがいを曖昧にして進行している政党・政界再編だが、今次総選挙を契機に憲法評価を直接の問題にして、国家体制、政治、経済、社会の全領域で政党間と政党内部の差異と対立が激化しても不思議でない状況が進行している。
 しかし、九一年の湾岸戦争、九五年の大震災を契機に進行してきた社会的亀裂が、既存政党によって政治的に表現されないままうっ積してきたことも事実である。共産党を除いて、すべての政党が「ふつうの国家」とグローバリズムに拝跪してきた。その共産党にしてから党勢伸長とともに現実批判の思想的明瞭さを欠いている。
 石原慎太郎に代表される右翼ポピュリズムの台頭は、既存政党の没思想性・体制内化への大衆の不満の歪んだあらわれである。これは危険な徴候であり、わたしたちに社会の底流に進行する社会的亀裂を表現する新しい党の創成を一日も早くと促している。

護憲派の共同戦線として、辻元・中北両候補を擁立

前田 裕晤(大阪全労協議長)

 この一年間、大阪の運動は「競争社会に異議あり、共生社会を」を合い言葉に、労働戦線、労働者弁護団、市民運動、小売り業者団体等が共同行動を展開してきた。この流れは、今の政治・経済の動きに正面から異議を唱えるものであり、衆院選に対しては、どのような立場をとるのかが問われることにもなった。
 大阪全労協、全港湾大阪支部、全日建関生支部は新社会党の岡崎ひろみ(兵庫)、社民党の辻元清美(大阪)の推薦を決定していた。さらに、大阪十七区は、「レイプ発言」で防衛政務次官を辞めさせられた自由党の西村眞吾の選挙区であり、護憲・市民派としては、落選運動か、または対立候補を立てる、といういずれかの選択を迫られていた。
 中北龍太郎弁護士の擁立については、井上二郎弁護士らの呼びかけで、労働戦線、市民運動、社民党、新社会党も参加して討議を重ねた結果、護憲派国政選挙統一戦線と位置づけて、大阪十七区に社民党より中北弁護士を擁立することが決まった。
 市民派が社民党から立候補することについては、旧社会党の総括も含み、さまざまな意見があったが、積み重ねられた討議での論点を政策合意としたうえで、近畿比例ブロック名簿にも名を連ねることとなった。また、この討議を通して、大阪の社民、新社会の両党は政策協定を結ぶことになり、この動きは次期参議院選挙にむけて市民派も含めた共同戦線の芽ができたと判断している。
 中北支援体制については、井上弁護士を会長に「中北龍太郎を応援する会」が結成され、関西の市民派地方議員が結集し、推薦人には、太田昌秀、旭堂小南陵、河内家菊水丸、新屋英子の各氏も加わる多様な構成となった。選対本部は、後援会、労組選対、市民選対、社民党によって構成され、各々より事務所にボランティアを派遣し、資金不足を人で補おうとしている。
 以上、経過報告のように述べたが、ここに至る過程には運動体の性格、位置づけ等も含めた深刻な論争もあった。政治状況に対応するのには、それだけの主体的な努力は欠かせない。「平和・市民」の総括は何であったのか、私の脳裏から消えない。
 その意味では、傷のなめあいにしか思えなかった、前号のACT総選挙座談会には失望した。労働運動が政治と無関係ではありえないという立場をとるならば、プロセスを放棄した結論は「人に訴えるもの」を持たないと考えるからである。
 今回の大阪の取り組みは、社民党、新社会党のメンバーに対して、双方への批判点も明らかにしたうえで、国政選挙共同戦線としての位置づけと、今回の総選挙に限らない展望に立つことも含めて取り組んでいくことを表明した。
 そのために、全力を挙げたいと考えている。

社民党へ女性たちが加勢〜可能性をもつ小さな試み

朝日 健太郎(本紙編集委員)

 社民党にひとつの異変が生じようとしている。労働組合・連合から見捨てられた社民党に、女性・市民の一部が加勢しはじめた。「なにも沈没し始めている船に乗らなくても」との問いに、「女の心意気よ」の返事が返ってくる。
 同党神奈川県連では福島瑞穂、阿部とも子の正副代表コンビが女性候補の擁立を図り各層の女性がこの呼び掛けに応じ国政に挑戦している。同党候補として小選挙区で戦うことは実際上捨て石になりかねない。それでもゆったりと挑戦する女性の志は政治状況に風穴をあけたいと願う人びとの心を打つ。堅く閉ざされている女性の国政参加への壁を壊したいと願う地域の女性たちの気持ちを射っている。
 今度の総選挙で神奈川県の社民党は六人擁立し、うち五人が女性である。
 神奈川八区(横浜市青葉区、川崎市宮前区)から立候補するのは、遺伝子組み替え食品いらないキャンペーン事務局長、日本消費者連盟事務局員として活躍されてきた安田せつ子さん。モットーは「暮らしに安心・安全・希望を」。
 同十二区(藤沢市、寒川町)から立候補するのは、小児科医師の阿部とも子さん。モットーは、「生命ひとつずつ、大切に」。
 同十三区(大和市、座間市、海老名市、綾瀬市)から立候補するのは、ちばひろよさん。モットーは、「基地と平和の問題を」。
 同十四区(相模原市)から立候補するのは、二十五歳と最年少の原よう子さん。モットーは、「未来派宣言、若者の政治参加をめざす」。
 同十五区(茅ケ崎市、平塚市、二宮町、大磯町)から立候補するのは、草の根援助運動(NGO)、キャッチピース全国運営委員として活躍されてきた山中えつ子さん。モットーは「『希望行き』の切符を子供たちへ」。
 阿部とも子さんは、早くから本紙の筆者で、読者のファンも多い。安田せつ子さんは九七年二月の本紙44号一面に遺伝子組み替え食品に反対するキャンペーンでご登場いただいた。山中えつ子さんはインド・オリッサ州のNGO訪問記を本紙92号と94号に寄せていただき、またフィリッピン・ピナツボ党のダカナイさんがアクト新聞社を訪問されたときには通訳をしていただいた(100号掲載)。みんなACTの友人たちだ。
 選挙戦も最後の局面に入った。選挙は有権者の判断を仰ぐものなので、実際に希望や期待が政治的に実を結ぶかどうかは結果次第だ。しかし、はっきりしていることは、各選挙区で従来の社民党支持層を越え市民や女性勢力の支援をひろげはじめていること、そして各地の無所属女性議員の支持も受け地域的な求心力を次第に獲得し始めていることだ。神奈川社民党での小さな試みだが、新しい時代を切り拓く可能性をもっている。
 頑張れ、神奈川の女たち。

改憲阻止の砦として保坂展人さんをせび

 雅敏(弁護士)

 「日本は天皇を中心とした神の国」、森首相はとうとうこの発言を撤回することなく居直りました。
 昨年の通常国会で「日の丸・君が代」が法制化され、今年に入って国会でも憲法論議が始まったという背景を考えれば、森発言は決して言い間違えたのではなく、新しい時代の危険な訪れを告げるものではないでしょうか。
 インターネットと神の国は一見まったく相容れません。しかし考えてみれば、明治維新のときもそうでしたが、最新の国際環境と日本の復古精神を結びつけながら時代をつくってきた歴史があります。ですが、明治時代と現代を同一視することはできません。その間、敗戦による時代の断絶があったからです。
 「天皇中心の神の国」発言は、改憲・論憲の時代がはじまったことを明確にし、さらには戦後的価値全体を相対化しようするものです。憲法の土台にある民主主義精神そのものへの攻撃なのです。
 森体制を支える自公保体制は、国会で圧倒的多数をしめています。この数の力が改憲・論憲を誘発し、政治の横暴を生み出しているのです。グローバリゼーションと超国家主義の奇妙な結びつきの可能性を残念ながら否定しきることはできません。日本社会のなかに、こうした傾向を容認し、強める力が働いているからです。
 今度の総選挙の重要な点は自公保政権への批判です。そして、憲法改悪に反対する政党や議員を一人でも多く当選させることが課題です。
 現在、社民党は残念ながらミニ政党になってしまっていますが、ぜひ奮闘してほしい政党のひとつです。東京ブロックでは三人の小選挙区候補者しか擁立できていません。厳しい闘いを強いられているのが実情でしょう。
 保坂展人議員は社民党の市民派として、この間、奮闘しつづけてきました。沖縄基地問題、新ガイドライン問題、教育問題、盗聴法問題等、大衆運動・市民運動と連携しつづけてきた実績があります。とくに昨年は、盗聴法に反対する運動で国会内外においてその力を存分に発揮されました。私たちにとってたいへん心強い存在です。
 東京ブロックでの保坂展人さんの勝利のために、支援の輪を広げていきましょう。よろしくお願いします。


ECOひいき

*@大阪*
*ろばくん*
*自然環境センター*

 自然環境センターは、深刻な環境問題に関心を持つ有志が集まり、十年前に結成されました。大量生産・大量消費・エネルギー消費型の社会システムを省エネ・循環型に変えていくため、身近なところから自分たちでできることを取り組んできました。
 これと同時に、会員同志の交流の場と、より多くの人への啓発のために、リサイクルショップ兼自然食品店「ろばくん」を開き、石けん類・環境に関する書籍を販売。ごみ減量と活動資金づくりのためのリサイクル品販売も行ってきました。活動の成果は少しずつ現れ、今では会員も百人ほどになりました。
 チェルノブイリ救援にも力を入れ、昨年秋には会の発足十周年イベントとして、枚方市の大ホールで「平和を願う市民の夕べ」と題し、吉永小百合さんと広川隆一さんを招いて開催しました。
 これからの活動としてはドイツ、フライブルク市のエコセンターを参考に私たちも市民の会によるエコセンターの実現に向けて取り組んでいきたいと頑張っています。また「ストップ・ザ・もんじゅの会」とは事務所を共有し、脱原発社会をめざして協力しあっています。ぜひ一度ご来店下さい。  池島 芙紀子

【連絡先】枚方市川原9−4第二浜田ビル2F
TEL&FAX072−843−1904
【行き方】枚方市駅から三分

 

*A福岡*
*和白干潟を守る会*
*自然保護グループ*

 和白干潟は博多湾の東奥部にある約80haの干潟です。和白干潟を含む和白海域(約300ha)は地球を南北に移動する水鳥たちの渡りのルート上にあり、中継地・越冬地として有名です。干潟に棲むたくさんの生き物たちは、水鳥のエサや人間の食物になりますし、海水を浄化しています。福岡市民にとっても、また世界的にみても貴重な自然が残されているところです。しかし、博多湾の開発による干潟の消滅や都市化による生活排水の流入増によって、環境が悪化している現実があります。
 和白干潟を守る会は一九八八年に地元在住のきりえ画家・山本廣子(くすだひろこ)の呼びかけにより発足した自然保護団体です。博多湾・和白干潟の豊かな自然を破壊から守り、未来の子どもたちに伝えることを目的として活動しています。会員は福岡市を中心に全国に約四百五十名。自然観察会の開催やクリーン作戦などの活動を柱に、鳥類調査や水質調査、和白干潟通信やパンフレット・写真集の発行など様々な活動をしています。年一回、秋に「和白干潟まつり」を開催し、千名近くの方々が和白干潟の自然とふれあっています。皆様のご参加をお待ちしています。

 年会費:個人2000円、団体5000円
 山本 廣子

【連絡先】福岡市東区和白1−14−37
TEL&FAX092−606−0012
ホームページ
http://www.bekkoame.ne.jp/~miyakodori/
【行き方】西鉄宮地岳線唐原駅・JR香椎線和白駅・西鉄バス白浜バス停

 

※この欄に登場してくださる「Ecoひいき」なみなさんを随時募集しています。自薦他薦問わず。@お店・グループ名、Aお店の紹介や活動案内(五百字以内)、B連絡先、交通手段、C執筆者氏名、D掲載紙送付先、原稿に関する問い合わせ先を明記し、Eメール、FAX、郵便でACT編集部までお送りください。できれば、地図、写真を添付してください。(編集部)


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