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MAKE GREEN!!
―緑のページ―

この国の“緑”を色濃くしよう!!
〜統一地方選の結果をふまえて〜

ながい間この国の政治を支配してきた五五年自社体制が崩壊し、自民党が分裂、野党勢力が瓦解して、この国の政治がまさに「行方不明」となったなかで、市民派の新聞ACTは創刊しました。
 世界的にも東西冷戦の終焉、アジアの経済危機、新たな共同体的結合を試みるEU統合と、大きな変化がつづき、そしてバブルが崩壊し、その反動と事後処理による経済不況は人びとの生活を圧迫しています。

生き方が問われている

 いま考えると、それは二〇世紀末を迎えた歴史の必然ではなかったのか。社会ばかりでなく、あらためて真に一人ひとりの人びとの在り方が問われ、生き方が問われだしたのです。
 すでに私たちは高齢社会に入り、介護保険制度が市町村単位で実行に移されようとしています。医療をはじめとする科学技術が発達し、六〇年代にはじまる経済成長は高齢化を実現する一方で、それ自体が科学と豊かさを誇る社会への警鐘でもあったはずです。高齢社会には大きい、速い、高い、長い等々、高度経済成長期の論理や諸制度は馴染みません。
 明治以来、この国の「追いつけ追い越せ」式の経済成長は国際競争力をつけるために、機械化と労働力の集中管理によって生産性の上昇を成し遂げることができました。
 その結果、大量生産を可能にし、経済は潤いましたが、一方で人びとの「使い捨て」による大量消費=大量廃棄をうながしました。

〈豊かなもの〉を賢く選択する時代

 自然は開発によって破壊され、私たちは汚染された水と大気の中に住むことを強いられ、環境危機は地球規模で広がっています。また、「公共」を振りかざした日の出の森の「収用」はすでに陳腐化した暴挙でさえありましょう。
 このように、生産性の効率化は大企業の利益を拡大し、その一部は〈公正〉さを欠いたまま、労働への対価として分配され、高度成長=賃金上昇による消費拡大に結びつき、今日のゴミや大気汚染につながりました。
 その背景には歪んだ市場の論理に支配された労働者と資本家の妥協があり、圧倒的多数の中小企業はそれらの埒外におかれました。私たちは改めて〈豊かさとは何か〉を自問しなければならない時にきています。
 そして、高齢社会の人びとの行動半径は限られた〈地域〉であり、歩みはゆるくとも、適正な範囲での歩みには確かな社会歩調があります。そこでは一人ひとりが〈分かち合う〉生活に根ざした新しい〈福祉〉が前提となります。
 そこでは、健康や福祉についての将来構想をぬきにした目さきの経済成長=賃金上昇の幻影に惑わされることのない、〈賢い選択〉がもとめられています。二一世紀は、すでに経済発展を期待すべくもなく、安定した質的成長が問われるのではないでしょうか。そこに新しい価値観が必要です。

〈緑〉こそが市民派の結集軸

 私たちは既成政党とスタンスを異にした市民派の結集軸を鮮明にする時機に来ているのではないかと考え、それを〈緑〉にもとめていきたいと思います。〈緑の党〉はすでに狭小な環境主義一辺倒を脱しエコロジー運動の立場から政治と経済へ具体的な政策提言を成しつつあります。
 原発や交通問題、労働時間の短縮、フェミニズムなどすべての課題を自省と抑制によるエコロジーの視点から提起していくのが〈緑〉の立場です。しかもこの国の緑は〈自然〉がそうであるように、ドイツやフランスのそれと色合いを異にするものかも知れませんが、同様に平坦な道ではありせん。
 〈緑〉は、この間、ローカル・パーティ市民新党にいがたが提起した市民派の全国政党と矛盾しません。また、地方議員の政策集団ローパスがかかげた地方政治、地域からの市民政治の立ち上げを企図した〈虹と緑〉を架橋するものであり、その中でも色濃い緑〈DEEP GREEN〉を目標にします。

感性豊かな〈知性〉
知性豊かな〈感性〉

 先の自治体選挙はその具体的な出発点となりました。発想の相違や〈緑〉に濃淡はあるものの、いずれもこの国の〈緑の道標〉のひとつに他なりません。
 地方分権が叫ばれるなか、自治体議員の地位と役割は地域を基盤にしながら、地域リーダーとして地域に埋没することなく、新たな〈連帯〉を必要としています。自己責任において各地域や分野で進められている多くの市民運動、社会運動の「壁」は政治そのものです。いま、それを超える模索と苦悩、地道な熱意と創意工夫を図る〈緑の帯〉が必要です。
 市民の自覚的成長と知の鍛錬はいつまでも「無党派市民」ではありえず、少なくとも全国的に人びとにわかり易い結集軸をもとめられています。私たちはエネルギーの分散消耗を避け、野に在りながら、つねに問題提起者、政治への参加者でありつづけたいと思います。
 ここに市民派の全国紙ACTは、はつ夏の風に誘われて〈緑の道標〉をかかげることにより、人びとの結集軸となる新しい緑の政治勢力を後押しする姿勢を鮮明にしていきたいと考えております。そのためには多くの人びとの感性豊かな〈知〉と、知性豊かな〈感性〉をお借りしたいと思います。緑の帯を結ぶために、多くのご意見を期待します。

戸沢 行夫(本紙副編集長) アクト第98号記事


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