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各会派御中

 東京都議会の議案となっている条例改正案について、危惧を覚えるものがあり
ますので、至急、電子メールで送信させていただます。

 図書館問題研究会は、公共図書館等の職員、住民、研究者などで構成する個人
加盟の任意団体です。住民の要求にこたえ、住民に役立つ図書館を目指して活動
しています。

 YA(ヤングアダルト)サービス研究会は、おもに公共図書館で青少年へのサー
ビスを担当する職員、また関心を持つ人の個人加盟の任意団体です。「YA(ヤ
ングアダルト)サービス」とは、青少年を子ども扱いするのではなく、一定の責
任と権利を持った、未成年であっても「若い大人」として扱い図書館でサービス
していこうという姿勢を示す図書館用語です。アメリカの図書館界で使われ始め
た言葉なので、「アダルト」という言葉に日本語独特の「ポルノ」に類するニュ
アンスはまったくないことを念のため申し添えます。

連絡先 下記のメールアドレスにお願いいたします。
図書館問題研究会事務局長
YAサービス研究会代表
山重壮一
電子メール tomonken@jca.apc.org

図書館問題研究会事務所住所
〒101-0061 千代田区三崎町2―17―9 マルヨシビル401
ホームページ http://jca.apc.org/tomonken/

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「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(東京都議会
平成13年第1回定例会第53号議案)に反対するアピール

                                              図書館問題研究会常任委員会
                                    YA(ヤングアダルト)サービス研究会

 図書館は住民の要求に基づいて、様々な資料や情報を提供することを任務とし
ています。「わいせつ物」として刑が確定しているもの、特定個人のプライバシー
を明らかに侵害するものを除き、資料や情報の内容によって提供を制限すること
は、行わないことを図書館の姿勢としています。資料や情報の内容の評価は住民
が主体的に行うべきものと考えます。一方で図書館は、住民が様々な情報や資料
を的確に探索し、活用し、評価できる情報リテラシーをはぐくむための支援を行
わなければなりません。これは、青少年についても言えることです。

 いわゆる「不健全図書」を行政が指定するということ自体、以上のような考え
方からすると疑問を持つものですが、今回の改定では、「自殺又は犯罪を誘発す
るおそれのある図書類」まで範囲が拡大されています。これは非常に範囲があい
まいであり、行政の恣意的な判断を招く危険性が大きく、一種の検閲に近いもの
になることを危惧します。

 条例によって指定されると、図書館における提供も影響を受けます。これは、
図書館の様々な資料・情報を蓄積・提供するという基本的機能を損なうものです。

 従って、私たちは、この条例には賛成できません。

 行政は、図書類やその他の情報について「取り締まり」を行うという発想では
なく、住民の情報リテラシーの向上の支援を行うための教育行政と図書館の充実
を図るべきです。

                                                           2001年3月28日


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