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図書館問題研究会の任務と課題 2004年度    

    [図書館の原則]
1    図書館の無料公開の原則を堅持し、住民の学習権と知る自由を守ろう。
2    サービスの発展を阻害する委託や指定管理者制度の導入に反対する。
3    教育の権利と機会均等を保障し、恒久平和の実現を目的とする教育基本法・日本国憲法の改悪に反対する。
4    住民の知る自由と学習権を保障し、新しい時代の情報やメディアを主体的に読み解き使いこなす力の向上をはかろう。
5    人びとの生涯にわたる成長段階に応じた多様な知的要求に応え、「知る自由」を保障するため、あらゆる分野の多様な資料を揃えた図書館をつくろ う。
6    画一化された報道に対して多様な資料を収集・提供しよう。
7    図書館の自由とその立脚する思想・理論について図書館職員や図書館に関わる住民も研究を深めよう。

    [住民と図書館]
8    図書館のことを話し合うための場を図書館は積極的に提供しよう。
9    図書館協議会を活性化しよう。
    (1)協議会委員は構成メンバーや会の持ち方の工夫を積極的に提言し、実現に向けて努力しよう。
    (2)図書館は協議会の提言を誠実に受け止めよう。
    (3)協議会の活性化の第一歩として委員公募を行い公募していることを利用者に大々的にPRしよう。
    (4)図書館協議会の傍聴をさせよう。傍聴をしよう。

    [図書館づくり]
10    地域住民の共通のニーズである図書館は公立で行われるべきことを確認し、その理念を普及しよう。
11    社会の大転換期で逆境にある今こそ、住民とともに図書館は地域の課題に即してこれからの道を見出そう。
12    新たな状況に積極的に立ち向かうための図書館政策づくりをすすめよう。
13    地域の発展のために図書館づくりをすすめよう
    (1)「望ましい基準」の地方版をつくり、積極的に活用しよう。特に合併により広域化し全域サービスが困難な北海道の「望ましい基準」づくり を支援しよう。
    (2)合併により、自治体再編が進む。合併協議のすすむ自治体間において相互理解をすすめ、合併後の図書館サービス計画を構築しよう。
    (3)合併後の図書館サービスの地域間格差を解消するため、理念の共有と情報交換に努め、サービス向上をすすめよう。
    (4)合併後の住民が望む図書館政策を作るため、住民との交流を深めよう。
14    大都市の図書館の望ましい基準、数値目標を作成しよう。
15    大都市の図書館の一区一館制を打破しよう。
 
   [図書館サービス]
16    レファレンス・サービスや資料相談のニーズを調べるためのアンケートをする。
17    中小図書館でも必要なレファレンス・コレクションのリストを作る。
18    地域での社会活動・産業を支える資料提供をしていこう。
19    共同保存の具体的方策を提案しよう。
20    市民の政策立案能力を高めるサービスに取組もう。
21    図書館を理解する政治家を増やそう。
22    NPOをはじめとする市民活動に活用される図書館にしていこう。
23    連携施設との共同のリストや目録を作成し、資料をより見えるようにしよう。
24    図書館のさまざまなサービスを利用者にわかりやすく目に見える形で提示しよう。
 
   [子どもへのサービス]
25    子どもと本を結ぶことの重要性を多くの人たちに伝えていこう。
26    子どもの自発的な読書活動を推進するための環境づくりをめざして、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」に積極的に関わっていこ う。
27    学校図書館や公共図書館、子どもをめぐる地域の人的ネットワークを作っていこう。
28    子どもの目線で楽しいサービスを提供しよう。
 
   [図書館利用の障害の克服]
29    図書館利用に障害のあるすべての人に図書館サービスを
    (1)どの地域にも、図書館利用に障害のある人がいることを認識し、規模にかかわらず、すべての図書館は、それらの障害を克服するためのサー ビスを実施しよう。
    (2)視覚・聴覚・肢体・内部・知的・精神・非識字者・外国人・高齢者など各利用者への障害などに応じたサービスを実施しよう。
    (3)一人ひとりの障害の程度、障害を負った時期、教育環境の違いなどからくる、図書館への要求の違いに合わせた、きめ細かいサービスを行っ ていこう。
    (4)障害のある子どもに積極的にサービスを行っていこう。
    (5)来館が困難なため図書館サービスの行き届かない人々(入院患者、障害者・高齢者施設の入所者、刑務所・少年院の在所者など)に、図書館 は積極的にサービスをしよう。
    (6)福祉施設、教育施設(盲・ろう・養護・外国人学校など)、更正施設、病院などとも交流を深め、互いに協力体制をすすめていこう。
    (7)視聴覚等の障害のために、情報入手が困難な人々に、速やかに情報提供ができるようにパソコン・携帯電話などの活用をすすめていこう。ま た、それらになじめない人々を切り捨てないための配慮の行き届いたサービスもすすめていこう。
 
   [司書職制度]
30    司書職制度の確立に向けて研究と運動に取り組もう。
    (1)司書は、図書館のプロとして狭義の専門的技量だけでなく、コミュニケーション能力を向上させよう。
    (2)行政の中における図書館の優先順位を上げるための運動に取り組もう。
    (3)首長・議員・住民・経済界等にプレゼンテーションする能力を磨こう。
    (4)図書館で働くすべての人の専門性の向上と安心して働きつづけられる環境づくりに取り組もう。
    (5)日本図書館協会で検討されている「専門職認定制度」に代表される政策作りに積極的にかかわっていこう。
 
   [図問研活動]
31    図問研活動と組織を活性化しよう。
    (1)会員拡大をはかるために、入会動機、図問研への期待、会員減少の原因などを調査・分析し、改善をはかろう。
    (2)一人ひとりが主体的に図問研活動に参加しよう。
    (3)「参加者全員で作り上げる全国大会」をめざして、工夫しよう。
    (4)図問研の役割についてみんなで考え、会則など運営ルールを整備しよう。