私たち図書館問題研究会は、新「教育基本法」成立を強行した政府・与党に 抗議します。

図書館問題研究会常任委員会

 私たち図書館問題研究会は、新「教育基本法」成立を強行した政府・与党に抗議します。
 地域住民がその必要に応じて自ら欲するとき、自由に学び必要な情報を入手する場として図書館は存在します。その発展を目指し日々活動している私たちは、 今後も憲法と(旧)教育基本法(昭和22年法律25号)の精神にのっとり、活動を続けます。
 (旧)教育基本法は、戦前の日本の教育が軍国主義と極端な国家主義・排外主義に奉仕したことを真摯に反省し、平和と民主主義、個人の尊厳の実現を求める 日本国憲法の精神を体現して制定されたものです。
 今回成立した「改正」法は、国会論議において文部科学大臣から政府「改正」法案は自民党新憲法草案の精神と一致するという答弁が行われていることから も、教育勅語に象徴される戦前教育の問題点を免罪し、加えて「伝統と継承」の言葉で大日本帝国憲法下での諸価値を復権させようとしているものではないで しょうか。
 さらに私たちが見過ごすことができないととらえるのは、社会教育や図書館の存在意義と位置づけを大きく変えていることです。旧法第2条(教育の方針)の 削除、第7条(社会教育)の改悪、第10条(教育行政)の改悪により、また「改正」法第3条(生涯学習)により、図書館の設置が教育の目的(旧法第 1条)と切り離され、権力による支配や介入を許し、黙って時の権力に奉仕するなどを教育の目標として「生涯にわたって」達成するための機関と位置づけられ てしまいかねないでしょう。
 そのことは、現行「図書館法」そのものの改変・改悪へとつながり、あらゆる市民に知的権利(知る自由)を保障するために資料・情報を提供し続ける「民主 主義の砦」としての図書館にとって、重大な危機といわざるを得ません。
 そのさきには、日本国民が誇りをもって世界に示している平和を希求する「日本国憲法」の改変・改悪が行われようとしています。このことに、私たちは断固 反対します。

2007年1月13日


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