こうして私たちは携帯基地局建設を阻止した

岡山市と船橋市の例

◎二つの事例
 「雨後のたけのこ」のように全国各地で携帯電話中継基地局アンテナが周辺住民の同意もとらず建つのが“電磁波問題後進国ニッポン”の現状です。
 そんな中にあって、最近岡山県岡山市と千葉県船橋市で住民が立ち上がり建設を阻止したのでご紹介します。

◎岡山市は「鉄塔型」
 昨年(2000年)11月、岡山市万成東町の町内会役員会にNTTドコモが来て「近隣同意は得ている」「基地局からの電磁波は電気こたつより安全」と説明し、高さ約40メ−トルの携帯鉄塔を建てる計画を持ち込んできました。その席で建設を請け負う地元業者も「政府の景気対策の一環としての事業だから、反対してもだめ」とドコモを支持する発言をしたそうです。
 そのあとすぐに「建設についての町内会回覧」が回って住民の多くは驚き、危惧した住民が反対の声を上げ、いったんはドコモも「計画断念」しました。しかしその後、ドコモ側は根回しをし「地元から(建設)要請があったから」と、「地元説明会」を開くことを町内会役員会で決定させました。それと平行して基地局建設に反対する住民に対し「怪電話」を含む様々な嫌がらせや“説得活動”を展開し反対派は元気を失っていきました。

◎電磁波研とつながる
 しかし反対派の中心メンバ−である○○○○さんがインタ−ネットを通じ電磁波研を知り、電話をかけてきました。そこで今年1月、電磁波研が講師を派遣し学習会を開き、○○さんたちは再度反対活動を展開しました。その活躍ぶりは次ペ−ジの『かわら版』でよく描かれています。

◎その後、ドコモ「建設中止」に
 住民の予想外の立ち上がりの前に、1月25日、NTTドコモは「万成基地局の電磁波を考える会」の5人に対し「3日後回答する」と約束しましたが、同日、担当課長が「現在地計画の中止」の文書回答を持参してきて落着となりました。

◎船橋市は屋上アンテナ型
 同時期に千葉県船橋市の既設マンション屋上にKDDIが屋上に基地局アンテナを建てる提案がされました。「アンテナ設置料年間144万円。電磁波はまったく安全です」ということで管理組合理事会は賛成の方向でしたが、一人の理事が疑問に思い電磁波研に連絡してきました。
 そこで2回にわたり学習会講師を派遣し結局、居住者同士の賛否投票をし反対意見が多く「建設中止」になりました。ここは「匿名」を希望されていますので場所やマンション名は伏せます。

<写真>NTTドコモ 中継基地局(岡山市の鉄塔計画書より:高さ約40m)


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