米ラピッド計画とIACやNIEHSの関係

□ラピッド計画とは
 家庭電器製品や送電線に使われる極低周波電磁波(ELF EMF)への住民の不安を背景に米国内の自治体が次々と規制を始めたため、連邦政府や議会もなんらかの対応を迫られ、92年にブッシュ大統領(現ブッシュの父)が反対運動の冷却の目的もありエネルギ−政策法を成立させ開始した大規模電磁波研究計画のこと。ラピッドは「電磁界の調査(R)・公開(P)・情報(I)・普及(D)」の頭文字と「早い(RAPID)」を兼ねてできたネ−ミングで、当初5ヵ年で総計6千万ドルの予算でスタ−トした。

□9省庁とロビ−活動入り乱れる
 その後民主党クリントン大統領が登場し計画は練直しされ、最終的には2年遅れた94年にスタ−トした。また担当官庁としてEPA(環境保護庁)とすることは産業界中心に反対が強く、結局エネルギ−省(DOE)やNIEHS(国立環境健康科学研究所)が中心になってEPA・国防省・運輸省など9省庁が協力連携しIAC(関係省庁委員会)が最終的に米議会に報告することに落ちついた。このため複雑な構造になり米議会活動への圧力活動としてのロビ−活動も活発化と複雑化をたどった。

□ラピッド計画報告書はいくつもある
 ラピッド計画(RAPID PROGRAM)は研究は27ヵ国で行われ、プロジェクトも74もある膨大なもの。96年10月のNAS−NRC報告や97年7月のNCIリネット論文もラピッド計画の一つなのである。98年のNIEHS報告(電磁波の発がん性を認めた)もそうだ。
 そして99年6月のNIEHS報告が一連の最終報告書といえる。

□そしてIAC最終報告書がある
 そしてそれらをIACがまとめ最終報告書として米議会に出すだけの段階にきたのだが、それがホワイトハウス(大統領府)の「科学技術政策局」(OSPT)に棚上げされたままなのだ。
 その8ペ−ジのIAC最終報告書が以下である。


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