海外情報

マイクロウェ-ブ・ニュ-ス:2001年1/2月号より
(抄訳 TOKAI)

ドイツ小児科学アカデミ−が要求

「子どもたちの携帯電話使用制限を」

☆勇気ある小児科学アカデミ−の見解
 ドイツで小児科医たちが、親たちに「子どもたちの携帯電話使用の制限と、高周波(RF/MW)被曝の厳しい規制値を要求するよう」勧めている。
 昨年12月8日、ドイツ小児科学アカデミ−は、「携帯電話で不必要な会話のために多く使ったり、長電話をするのは大幅に制限すべきだ」そして「子どもの携帯電話使用はたまにかつ例外的な場合のみ使うように」、との見解を公表した。

☆英スチュワ−ト報告が影響
 昨年5月に出た英国「スチュワ−ト委員会勧告」の影響を受け、同アカデミ−は、これまでの健康影響調査やリスクの可能性はないとは言えない事実から考慮しなければならない余地がある、と強調した。そして携帯電話の放射線(電磁波)が腫瘍プロモ−タ−として働くことや、脳機能を変化させること、あるいは睡眠パタ−ンを変化させること、などにも同アカデミ−の声明は言及している。
 さらに、「すべての携帯電話使用者はなるべく会話を短くすべきだし、子どもは身体の成長期のため特別な健康リスクがあるという観点から、子どもたちには特別な予防措置がなされるべきだ」としている。

☆中継基地にはアララ原則を適用すべし
 同アカデミ−声明は携帯中継基地局からの放射線(電磁波)については、「アララ原則(ARALA=as low as reasonably achievable=合理的に到達可能でできる限り低く)」を支持している。このアララ原則の具体的な例として、昨年オ−ストリアのザルツブルグ地方政府が提案した「電力密度0.1μW/cm2」が妥当として言及している。

☆ドイツ政府の政策とは対立
 この医師たちの勧告はドイツ政府の政策には反する。国の連邦放射線防護局は昨年「ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)基準に基づいた国内の基準を超えなければ、携帯電話電磁波は健康に害はない」と声明した。ドイツ医学協会の幹部役員ヘイヨ・エッケル(Heyo Eckel)博士は、昨年9月、放射線担当部局に対し「ドイツ国内基準以下のレベルの放射線でも、身体ダメ−ジを引き起こすことを示す研究所の研究結果があることを重要視するよう」要求した。


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