「携帯電話が頭痛の原因」

仏のオービノーがメカニズムを解明

□欧州生物電磁学会報告
 フランスのボルドー大学国立科学研究センター・研究責任者ピエール・オービノー(Pierre・Aubineau)は「なぜ、携帯電話使用者は頭痛になるのか?」のメカニズムの解明について発表した。
 2001年9月、フィンランドのヘルシンキで開催されていた欧州生物電磁学会でこの報告が発表された。

<写真>ピエール・オービノー博士(仏・ボルドー大学国立科学研究センター)

□脳の硬膜にケータイ電磁波が炎症起こす
 ラットの脳に九百メガヘルツのGSM(欧州統一規格)携帯電話の放射線(電磁波)を2時MOBIO間照射したところ、脳をとりまく硬膜(dura mater)が炎症を起こした。オービノーらは被曝後にラットの頭蓋骨を開き脳内のタンパク質が小さな血管から硬膜だけでなく髄膜(meninges)や脳内にも漏れていることを確認した。オービノーは「タンパク質は刺激材として働き炎症や水腫を引き起こしそれが頭痛をもたらす」と説明した。

□マイクロ波は脳血液関門に浸入するか
 オービノーらはSAR(熱吸収比)で2W/s、0.5W/s、0.15W/s、の携帯電話マイクロ波をラットに浴びせる実験をしたが、「2W/sで脳血液関門(BBB)をマイクロ波が通過することははっきりしているが、わずかだが0.5W/sでも漏出する」と語った。脳血液関門は脳組織を有毒な化学物質から守るバリアの役目を持つが「かなり低いSARでもバリア内に変化があれば、健康に大きな影響を与えるし、脳血液関門がわずかでも破られることはよくないことの始まりだ」とも語った。

□オービノーは予防策支持の立場
 今回のオービノーらの研究は2年間で60万ドル(約21億円)かけるCOMOBIO研究計画の一環である。
 オービノーは同じボルドー大学のベルナルド・ヴェイレ(Bernard Veyret)と共にフランス政府の「携帯電話と基地局に関する報告」を策定した委員会のメンバーであった。この報告書は2001年早々に出たが、その内容は「健康リスクのため予防策を要求する」というものだ。


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