子どもに関する事件・事故【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
060817 いじめ自殺 2006.9.11
2006/8/17 愛媛県今治市島しょ部の市立中学校の男子生徒(中1・12)が、夏休み中の登校日の前日、自宅がある島の道路沿いの電柱で首吊り自殺。『クラスでは「貧乏」や「泥棒」と言う声がたえず響いていて、その時は悲しい気持ちになります。それがもう3年間も続いていて、もうあきれています』などと書いた遺書が見つかった。
遺 書 

便せん1枚で、両親にあてた「遺言書」として、自室の机の引き出しから見つかった。
8/26 両親が「遺書」を公開。

『最近生きていくことが嫌になってきました。クラスでは「貧乏」や「泥棒」と言う声がたえず響いていて、その時は悲しい気持ちになります。
それがもう3年間も続いていて、もうあきれています。
それに、毎日おもしろおかしくそいつらは笑っているのです。
そう言うことでこの度死ぬことを決意しました。
私が、死んだ後の物は(弟2人の名前)で分けて下さい。
机にある小判は私だと思って持っていて下さい。
(弟2人の名前)は僕の分まで長生きして、いい職について下さい。
いつも空から家族を身(原文のママ)守っています。
さようなら いままで育ててくれてありがとう 母さん父さん

                          By A(生徒の名前)』

いじめ態様 小学校3、4年生頃からいじめが始まった。

「貧乏」「泥棒」言われる。
何日か同じ服を着ていると「汚い」と言われる。
Aくんの小学校の卒業文集や記念アルバムの表紙には、「死」「苦」「刺」「殺」「ムカツク」など落書きがされていた。
被害者 優しい性格だった。自殺の1週間ほど前、カラスに突かれていた子猫を家に連れて帰ってきた。
Aくんが亡くなった場所は、弟たちと野球を楽しんだ広場の脇だった。
親の認知と対応 Aくんは、小学時代、両親にいじめられていることを打ち明けていた。

中学校では、Aくんは両親に、いじめは収まったと話していた。

6/末 個人面談では、進路についての相談のみで、いじめについて訴えはなかった。
加害者 いじめていたのは同じグループ。
小学校の対応・ほか 小学校では4、5年の時にいじめに気づき、担任がグループに注意。クラス全員にも注意。

2006/1/ 6年の時、Aくんが校内で泣いているのを担任に見つかる。Aくんは担任に、「いじめに立ち向かうように頑張る」と話していた。

2006/3/ 小学校は、市教育委員会や中学校に、Aくんが言葉によるいじめを受けていたとの報告を上げていた。
中学校の対応・ほか 自殺後の保護者会で、言葉によるいじめがあったことを他の生徒の親から聞いたという。
アンケート 2006/4/末 校内で実施した無記名の生徒アンケートで「いじめられている子がいる」との指摘があった。
学校は生徒の動向に注意を払ったが、具体的ないじめの事実は把握できなかったという。
背 景 同先祖代々の家が多い。Aくんの一家は祖父の代に島の外から引っ越してきた。

学校は小・中ともに1学年1学級で、クラスメイトは幼いころから同じ顔ぶれだった。
参考資料 2006/8/24朝日新聞、2006/8/26讀賣新聞、2006/8/29西日本新聞、2006/11/14讀賣新聞 ほか





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