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第 149 国会報告
労働・社会政策委員会
2000年8月9日

民事再生法・雇用関係助成金制度ほか


149回国会労働・社会政策委員会2000年08月09日民事再生法・雇用関係助成金制度ほか

○大脇雅子君 そごうの民事再生法適用による再建問題について御質問をしたいと思います。

多摩、長野、木更津等の店舗の閉鎖に伴いまして従業員の解雇問題が生じておりますし、再建計画の中でその他の地域における人員整理も伝えられております。

先ほど大臣の所信の中で、不況適用業種として雇用調整助成金をおろすということが決まったというふうにしておられますが、これは関連企業の従業員についても大規模な配置転換とかリストラ、あるいはそれに伴う解雇、退職というものの雇用問題が発生しつつある、そのおそれがあるのではないかと言われておりますが、こうした労働者に対する雇用の確保とか大型倒産事業に対する雇用調整助成金の適用の検討等、労働大臣はどのような対策をお考えでしょうか。

○国務大臣(吉川芳男君) 大脇委員の質問にお答え申し上げます。

そごうについては、既に木更津そごう、長野そごう及び関連企業の閉鎖等に伴い離職者の発生が見られることから、公共職業安定機関において再就職のための職業相談等を行い、その早期再就職に努めているところであります。また、七月二十一日にはそごうグループの計二十六社を大型倒産等事業主に指定し、雇用調整助成金により関連企業の従業員の雇用の安定を図っているところです。

今後の対応といたしましては、現在そごうグループ各社について民事再生法に基づく再生計画の作成が進められておるところであることから、その状況の推移を見守りながら従業員の雇用問題について適切に措置することといたしております。

○大脇雅子君 さきにマスコミ等で伝えられているところでは、構造不況業種に適用されていた雇用関係助成金制度を今年度いっぱいで打ち切って、新たな雇用創出を進める政策に力点を置く方針というのを事務次官が打ち出したという新聞報道がございます。この具体的内容はいかなるものであったのでしょうか。

○国務大臣(吉川芳男君) 業種雇用安定法は「平成十三年六月三十日までに廃止するものとする。」と規定されておる時限立法でございますが、一部報道にありますように、現段階で業種雇用安定法を廃止するという方針を決めたということは事実ではありません。

ただ、経済産業構造が大きく変化していく中で中長期的に雇用の安定を図っていくためには、良好な雇用機会の創出、確保を図るとともに、円滑な労働移動に対する支援をするなど、労働力需給のミスマッチを解消するための施策を効果的に講じていく必要があると思っております。

こうした観点から、現行の各種支援策を総合的に見直す必要があると考えており、業種雇用安定法の取り扱いも含めて秋以降、関連審議会で幅広く御論議をいただき、その検討結果を踏まえて必要な施策を講じてまいりたいと思っております。

○大脇雅子君 労働省の雇用政策の大きな柱となってきたのは雇用関係助成金制度であっただろうと思います。

それで、とりわけ雇用調整助成金の雇用継続効果ということについて私も何度か御質問をしてきたわけですけれども、なかなかにその効果をはかりがたいということで、果たして今の時代にどのような形の雇用調整ということが必要か、これを含めましてその継続効果などの厳密な調査などをなさいまして、その施策について今後検討をしていただきたいと思うものであります。

そこで、通産省にお尋ねをしたいのですが、長年の構造不況にある産業に関連いたしまして、地域そのものの地盤沈下とか崩壊ということが生じているような状況もあります。とりわけ中小企業、零細企業のいわゆる振興策というものについて、通産省はどのような政策を考えておられるでしょうか。

○政府参考人(殿岡茂樹君) 先生御指摘の不況業種を抱える地域の問題でございますけれども、従来から、地域産業集積活性化法という法律をおつくりいただきまして、この法律に基づきまして、造船業などの特定の大企業に依存する中小企業が多く集積しているいわゆる企業城下町といったものでございますとか、あるいは伝統的な製品を生産するいわゆる産地と呼ばれている地域でございますけれども、こうした地域につきまして特定中小企業集積と位置づけまして、これらの地域の中小企業の活性化のための活動を金融あるいは補助金等によりまして支援を進めてまいっているところでございます。

具体的には、これまで地域内の中小企業あるいは組合等に対しまして、技術開発あるいは販路の拡大、人材の育成などに関します支援を行ってきたところでございまして、これによりまして、新しい製品の開発ですとか、あるいは知的財産権の取得に成功したり、さらには異業種交流による事業の活性化、出荷額の拡大といった成果を上げている事例が見られているところでございます。

今後とも、経済的に非常に厳しい環境にある地域における中小企業の振興のために、この法律によりまして効果的な支援を実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○大脇雅子君 労働者の二七%が非正社員で、雇用の多様化が進むということが規制緩和の中で労働市場の面でもあらわれているわけですが、その非正社員の平均月額というのは非常に低いということで、通常の労働者との差別ということが言われております。

本年四月に、パートタイム労働者の均等処遇に関連いたしまして、パートタイム労働に係る雇用管理研究会報告、均衡であるべき基準についてのいわゆる物差し研報告というのが出されました。これに基づきますと、そうした賃金や労働条件の格差に関しましては、労使による自主的な取り組みを進めるために情報を徹底するというふうにされています。この研究会ではさまざまな実例の報告などなされております。

均衡であるべき実例ということですが、大体具体的にどのように周知徹底をされるということで、今どんな取り組みをされているのでしょうか。あるいはまた、それでどのような効果があると認識されているのか。さらに三つ目に、均衡処遇原則の確立に向けて立法の必要性というものについてどのように認識しておられるか、お尋ねをいたします。

○国務大臣(吉川芳男君) 御指摘の報告書は、パートタイム労働法第三条において、事業主は、その雇用するパートタイム労働者について、通常の労働者との均衡を考慮して雇用管理の改善等を図ることとされておりますことを踏まえまして公労使でまとめていただいたものであります。

現在、この報告書の概要をパンフレット等にまとめて労使団体等に対し配付を行うとともに、全国の雇用均等室等の行う企業への説明会などの機会をとらえまして情報提供を行っているところです。

均等処遇の立法化については、公労使で構成する女性少年問題審議会において合意が得られず、行政としては労使が均衡を考慮した処遇等に取り組みやすくするための支援が必要であるとの指摘をされたところです。

このため、労働省としても、まずこの報告書の内容を広く関係労使に周知することにより、均衡を考慮した処遇の実現に向けての労使の取り組みを促していくことが重要であると認識しております。

○大脇雅子君 パート労働法にいわば均衡の言葉が入りまして以来、ようやくにしてその基準の研究が行われたわけでございますが、その立法化が見送られて、労使のコンセンサスがなかったということについて非常に残念に思うものであります。さらにその課題については今後とも取り組んでいただきたいというふうに思います。

次に、過労死自殺と労働災害の現状についてお尋ねをいたします。

一九九九年の過労死弁護団全国連絡会議への電話相談も四割増しということで、十三年間、三百九十六人の相談事例によりますと、過労自殺は四十代が最多で九十九人、次に三十代、二十代、五十代、六十代となっています。これは、仕事上のストレスに起因する自殺のケースもあり、あるいはリストラ等に基づく経済的な苦難の中での自殺もあると思いますが、労災申請の件数も増加していると思われますが、ここ三年間の申請の状況、そしてその認定の状況についてお尋ねいたします。

○政務次官(釜本邦茂君) 業務によりますストレスを原因として精神障害を発病し自殺に至ったとして労災請求が行われた事案の件数は、平成九年度の三十件、平成十年度の二十九件から平成十一年度には九十三件と大幅に増加したところであります。

仕事によって精神障害にかかったり自殺するということは本来あってはならないことでありますが、不幸にしてこのような事態になった場合には、昨年九月に策定しました精神障害の業務上外の判断指針により、労災補償の面で迅速適正に対処をしてまいりたいと思っております。

また、過去、過労自殺の事案の労災認定の件数はいかがだということでございますが、過去三年間におきまして業務によるストレスを原因として精神障害を発病し自殺に至ったとして労災認定が行われた事案の件数は、平成九年度の二件、平成十年度の三件から平成十一年度には十一件と大幅に増加しているところであります。

以上でございます。

○大脇雅子君 判断指針が改善されたということは非常に喜ぶべきことでありますが、まだまだ認定件数は厳しいというふうに感じます。

労働省は、精神的ストレスによる健康阻害を防止するためにどのような対策を講じようとされているのでしょうか。

○国務大臣(吉川芳男君) 経済産業構造等が変化する中で、労働者の心の健康を確保することは重要な課題であると認識しております。

従来から、心理相談を行う担当者の養成、窓口相談の設置等の心の健康確保対策を推進していきたいと思っております。また、職場におけるストレス要因には労働者の力だけでは取り除くことのできないものがあり、事業者が積極的に労働者の心の健康の保持、増進に取り組むことが重要であると考えています。

このため、労働省では、労働者の相談に応ずる体制の整備など、労働者の心の健康の保持、増進のために事業者が行うことが望ましい措置について総合的に示した事業場における労働者の心の健康づくりのための指針を本日発表したところであります。

今後、本方針の普及、定着を図り、労働者の心の健康の保持、増進に努めてまいりたいと考えております。

○大脇雅子君 ぜひその指針を十分に踏まえられまして、健康被害、とりわけ自殺にまで至るようなことのないように十分にきめ細かい指導、相談を行われたいと思います。

最後に、今新規学卒者の就職と離職問題について大きな問題が社会化しております。とりわけ、その募集、採用における男女差別について改正後の男女雇用機会均等法が禁止をしたわけですが、努力義務の時代と比べまして、均等法で禁止になった結果どのように事態は改善されたでしょうか。

○政務次官(釜本邦茂君) 今お尋ねの、改正後の男女雇用機会均等法は、募集、採用における男女の差別的取り扱いを禁止しており、募集については改正法施行後ほとんどの企業で男女を均等に取り扱うよう是正されたところであります。

しかしながら、現下の厳しい経済情勢の影響もあり、依然として採用、選考の段階で女子学生を排除するなど、採用において女性を不利に取り扱う企業もまだ残っております。このような均等法に違反する企業に対しては厳正な行政指導を行い、その是正を図っているところであります。

○大脇雅子君 女子学生が私たちのところにもさまざまな情報を寄せて、相変わらずこういう差別は改正されていない、解消されていないということを訴えておりますので、これまたこれからの就職時期におきます行政指導をしっかりやっていただきたいと思います。

こうした不況の中で、一九九七年に就職協定が廃止されましてから、新規学卒者の就職活動というのは大学や短大で授業に非常に深刻な影響が生じている。ゼミナールを開いてもほとんど学生が来ないというような状況がありますが、文部省としてはどのような対策を考えておられるでしょうか。

○政府参考人(清水潔君) 先生御指摘のように、学生の就職活動や企業の採用活動が年々早期化、長期化しており、学生が最終学年の授業に出席できない、あるいは卒業研究指導が十分できていないなど、大学教育に影響が生じている状況は私どもも承知しており、またそのことについて憂慮しておるところでございます。

このことは、本年七月の大学等に行ったアンケート結果でも裏づけられているところでございますが、文部省といたしましては、現行の、大学側が申し合わせを、企業側が倫理憲章をそれぞれ定めるという中にも、それらの中で就職・採用活動の早期化への慎重な対応はそれぞれコンセンサスとしてあるところでございます。

その意味で、そういう関係者間の合意を尊重しつつ就職・採用活動が良識ある形で行われるよう、大学側に対しては申し合わせの周知を図ると同時に、日経連初め経済関係団体に対しまして、採用に当たっては休日や祝日等に採用活動を行うなど、大学の学事日程を尊重するよう要請してきているところでありますし、さらに要請を続けてまいりたいというふうに考えております。

○大脇雅子君 新規学卒者がせっかく就職しても、三年以内に離職したり転職する割合というのが年々ふえて、今では約二、三割ということも指摘されております。若年労働者の離職あるいは転職問題が非常に深刻な形で日本の経済社会に影響を及ぼしつつあるのではないか。その結果、フリーターとか派遣労働者、契約社員、いわゆる不安定雇用の労働者群を生み出している一因にもなっているなどと考えられるわけですが、最近の推移と、これに対する政策について労働大臣のお考えを伺いまして、質問を終わります。

○国務大臣(吉川芳男君) 新規学卒就職者の三年以内の離職率は、平成九年三月卒で見ますると、大学で約三割、高校で約五割と非常に高くなっておりまして、この数年増加傾向にあるわけでございます。

若年者の離転職には、自己の能力や適性をより発揮できる職場を求めて移動する者や、厳しい雇用情勢を反映して必ずしも希望にかなう就職先が確保できなかったこと等によることと見受けられますけれども、一方、職業に対する目的意識の希薄化も大きな要因と指摘されるところでございます。若年者の就業意識の啓発のためには、文教行政等とも連携いたしまして在学中からの対応が必要であり、また若年離職者につきましては、早期の再就職の支援が必要であると思っております。

このため、若年者が卒業時に適切な就業選択が行えるようインターンシップの導入を促進するとともに、主要な学生就業センター等に若年早期離転職者相談コーナーを設けまして、きめ細かな職業相談等を行うことといたしております。

若年者に対する雇用対策は今後ともさらに重要となると認識しておりまして、この充実に努めてまいりたいと考えております。



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