NCC Networking News



CONTENTS[100] 2000/ 7/ 6

・第11回CCA総会開催される

・CCA総会を終えて

・「記憶と和解」−NCC/カトリック対話集会報告

・JUBILEE2000 債務帳消し国際キャンペーン

・新着書のご紹介
・知って得するNNN情報






第11回CCA総会開催される

 去る6月1日から6日まで、インドネシア・北スラウェシ島のトモホンで「すべての人々のいのちが満たされる時」(ヨハネ10:10)をテーマに第11回CCA総会が開催された。
 16カ国から270名の代議員が集まった。日本からは、CCA加盟教団である日本キリスト教団から荒井仁(同教団幹事・教職)、大野高志(青年)、日本聖公会から丸山悦子(信徒)、在日大韓基督教会から姜栄一(総幹事)の4名が、そしてNCCの枠で、大津健一(NCC総幹事)、鈴木伶子(NCC議長・YW・信徒)、三浦純子(女性・ルーテル・信徒)、中村光太郎(青年・バプ連)が代議員として参加した。このほかに、第10回総会期の議長団の小中陽太郎さん、常議員の岩田澄江さん、WCCを代表して、WCC中央委員の平田真貴子さん、NCCの国際関係担当幹事山本俊正が参加した。
 総会前日の5月31日に、臨時総会が開かれ、その場で機構改正が下記の図のようになされた。


CCAの組織図


 3つの群に分けられた活動委員会のプログラム委員として日本からは、第一群(信仰、宣教、一致)に金性済(在日大韓・教職)、第二群(正義、国際関係、開発と奉仕)に山本俊正(NCC幹事・教職)、第三群(教育、エキュメニカルフォーメーション)に相原太郎(聖公会・青年)が選出された。
 NCCJは、この3月に開催された総会にて、日本軍「慰安婦」問題解決のための取り組みを継続して行うことを決議しているが、この決議に従い、CCA総会において問題提起をし、パブリックステートメント中に「日本軍『慰安婦』問題に関する決議」として、この問題がアジアの諸教会の重要な関心事であることを公にし、確認した。
 以下、今日のアジアの状況とCCAの役割、設立40周年を迎えたCCAの今後の方向性については、総幹事の文章にゆだねる。
 また、CCA総会参加者が、それぞれの報告を以下のようなところに寄稿するので、是非お読みいただきたい。さらに、CCA総会報告会をNCCが主催して行う。公開で参加自由。お誘い合わせの上、ご参加いただきたい。

参加者による報告
   『福音と世界』 8月号       鈴木伶子
   キリスト新聞  7月8日号     丸山悦子
           7月15日号     三浦純子(女性プレミーティング報告)
           7月22日号     中村光太郎(青年プレミーティング報告)
CCA総会報告会
日 時 2000年7月14日(金)午後6時半〜9時
場 所 キリスト教会館4階B会議室
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CCA総会を終えて  大津 健一(NCC総幹事)


 アジアキリスト教協議会(CCA)は1957年、インドネシアのプラパトで始まって以来40数年の歴史を積み上げてきた。CCAが21世紀を目前にして、CCAの出発地であるインドネシアで第11回総会を持ったことは、CCAの原点と今後を考える上でも意味があったといえる。CCA総会は、4つに分けたアジア地域で原則として持ち回りで開催することになっている。第9回総会がマニラ(フィリピン)、前回総会(1995年)がコロンボ(スリランカ)であることを考えると、本来今回の総会は、北東アジアのどこかで開催されるべきであった。私たち日本のキリスト教界が、今回の総会のために開催地として名乗りを上げることができなかったことをNCC関係者にも知ってほしいと願う。ホスト国としての費用の相当な負担が期待されている現在、私たちは、なかなか日本のキリスト教界が引き受けると言えないのが現実である。
 今回の総会は、北スラウエシのトモホンで開催されたが、トモホンの教会の皆さんが、心から総会参加者を歓迎して下さったことは感謝であった。私個人としては、今日のインドネシアのアンボンなどで起こっているキリスト教徒とイスラム教徒との衝突を考えると、総会開催直前まで、本当にCCAがインドネシアで総会を開催できるのか半信半疑であった。しかし、一切懸念した問題はなく、6月1日から5日まで総会は無事開催された。
 私は、第11回総会の中心的問題は、CCAの機構改革問題であったと考えている。表面的には、新しい時代状況の中でCCAの在り方を考えるということであったが、現実問題としては、CCAの財政問題によって機構改革問題を考えざるを得なかったといえる。実際前総会期には、途中でいくつかのプログラムを実行することができなかった。そしてその間、スタッフの補充を見送ったり、2つの部門を一人のスタッフによる兼任などの方策を取ることによって、やっと財政の安定化を果した。総会開催の直前の臨時総会では、従来9つあったプログラム部門を3つの群(クラスタ−)に分け、そして9つあったプログラム委員会を群単位の3つの委員会だけにした。そして各クラスタ−は、各2人のスタッフによって担われることになった。ただし、女性と青年担当スタッフ(第3群所属)に関しては、総会の決議によりそれぞれ固有のスタッフを持つことが決められた。この改革によって、従来各委員会が持っていた固有の課題が失われてしまうのではという懸念と、一方では、課題を相互に関連づけて見ることができるという利点もあるという指摘もあった。この改革によってアジアの苦難の現実にある民衆を中心において宣教の課題を考えていこうとしたCCAの基本姿勢が見失われないように見守っていく必要がある。
 臨時総会の翌日から本総会が始まり、CCAの役員(4人の会長団及び名誉会計)、常議員、プログラム委員の選任などがなされた。会長団には青年の代表が、常議員会には十分な女性及び青年の代表が選任されずに、それを総会が承認したことは、問題が残る採決であったといえる。また、総会では、過去5年間のプログラムの検証と、今後5年間のプログラムの方向性についての話し合いがなされたが、短い話し合いの時間では、スタッフが準備したものを承認したきらいがあったように思う。今後の方向性については、新プログラム委員会での踏み込んだ議論に待つしかない。
 最近CCAの働きが見えてこないという声を耳にする。CCAがアジアの諸教会の共同の証しの場であることを土台としながら、アジアの複雑な政治的枠組みを越えた、教会としての存在の意味を明確にしていくことが求められていると思うのである。
 なお、選任された新議長団は以下の様。

  ジェニファー・ドーソン(アオテアロア・ニュージーランド・ポリネシア聖公会)
  アンソニー・ロウ(マレーシア・メソヂスト教会)
  ウォン・ワイチン(香港・マカオ聖公会)
  ヨスペ・マル・イレネウス(インド・マルトマ・シリア教会)



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「記憶と和解」−NCC/カトリック対話集会報告

 去る、6月15日、都内、四谷にある幼きイエス会ニコラを会場にして、第19回、NCC/カトリック対話集会が開催された。今回はカトリック教会側が準備を担当し、「記憶と和解」(Memory and Reconciliation)を主題として上智大学教授(イエズス会神父)高柳俊一さんが発題をした。主題の背景には今年3月のローマ法王ヨハネ・パウロ2世の中東聖地訪問と訪問に先立ちローマ法王庁、国際神学委員会が発表した文書「記憶と和解−教会と過去の過ち」があった。ローマ法王の訪問は欧米の新聞、マスコミ等が大々的に取り上げた様、反ユダヤ主義の長い歴史をもつローマカトリック教会が過去についてその過ちを認め、謝罪を公にしたのは初めてのことであり画期的な出来事であった。また前述の文書「記憶と和解−教会と過去の過ち」は法王の熱心な要請の結果、約3年という比較的短期にまとめられたという。高柳神父はこの文書をまとめた国際神学委員会の委員をしており、文書作成過程における各国委員の賛否両論等が集会にて紹介された。特に、インドの神父などからは教会が過去の過ちを認めることは他宗教との関係において、キリスト教宣教、伝道の阻害要因になることなどが強く主張され、全体的に反対意見も少なくなかったことが指摘された。高柳神父の忌憚のない語り口とユーモアに助けられ、発題の後、深みをもった質議応答、討議がなされた。主要な論点としては、教会の過ちと無謬性に関連しての教会とは何かという問題、大量虐殺されたユダヤ人を追悼するホローコスト記念館への訪問の意義などからくるローマ法王の持つ平和と和解へのイメージと影響力について、また時を同じくして展開されていた朝鮮半島における南北首脳会談に啓発されての日本の戦争責任と謝罪の必要性などにも論議が言及された。
 次回の対話集会は来年6月7日にNCCの準備で行うことを決め、NCC副議長の吉高 叶牧師の閉会挨拶と祈祷にて終了した。参加者は32名。(信仰と職制委員会幹事 山本俊正)

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JUBILEE2000 債務帳消し国際キャンペーン
その動きと協力のお願い


 1990年、アフリカ・キリスト教協議会の問題提起に端を発し始まった債務帳消し国際キャンペーンは、その都度、NCCの機関誌、NNN等、その他キリスト教メディアを通して、みなさまへお伝えしておりますが、ただいま、沖縄サミットを目標に次のような取り組みを行っています。
1.
ジュビリー2000日本実行委員会(NCC、日本聖公会、日本キリスト教婦人矯風会日本YMCA同盟、日本YWCA、カトリック中央協議会などが他のNGOと構成)では今回のサミット議長国である日本政府に対して以下のような提案をしています。
(1)現在主要議題とされていない債務問題をサミットの独立優先議題とする。
(2)ケルン・サミットで確認された重債務最貧国へのODA債務100%帳消しを、長期(40年)の繰り延べと「無償援助スキーム」で実施するのではなく、特別立法を制定し2000年中に実施する。
(3)即時帳消しを実施するに当たり、国内的には、国際協力銀行など債務の保有期間と契約を結び、長期にわたり一般会計から返済していく措置をとる。
(4)以上の事柄を重債務最貧国の抱える債務総額2千億ドルを2000年中に帳消しにすることを含め「沖縄イニシアティブ」としてサミット開催前に総理大臣が発表する。

2.
7月8日開催の福岡G8蔵相会合に向けて6日に債務帳消しを求める世界一斉アクションをおこします。もし、あなたの教会に鐘があったら、午後2時に一斉に鐘を2分間鳴らしてください。鐘がなければ何でもよいですので音を出して連帯してください。
3.
 東京では、大蔵省前において集まった人が何か音を出すものを持ち寄り、同様に午後2時に一斉に鳴らします。 4.
ジュビリー2000日本委員会は、7月、朝日新聞の全国版夕刊と地方紙(主に沖縄の新聞)に、貧しい国の債務帳消しを訴える意見広告を掲載します。ご賛同くださった方すべてのお名前を各界著名人リストと共に載せ、日本政府に迫ります。
一口2,000円を募集し、1,000円を意見広告に、あとの1,000円を7月に沖縄で開催する国際会議に使わせていただきます。
 振り込み締め切り:7月10日
 郵便振替口座にてお振り込みください。
 通信欄に「意見広告賛同」と書いて、以下の郵便振替口座にお振り込ください。
 振込料金はご負担ください。また匿名希望の方はその旨明記して下さい。
 00120−3−81905「Jubilee2000」
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新着書のご紹介
<WCCの出版物>
・Internaational Review of Mission vol.LXXXIX No.352 Jan.2000 -Christian Presence and Witness in the Middle East- WCC 刊
・Byond Impunity -An Ecumenical Approach to Truth, Justice and Reconciliation-
・Pro Dialogo -Interreligious Pryer- Bulletin 98 1998/2

<Amnestyの出版物>
・Amnesty International report2000 Amnesty 刊
・CCA第11回総会で採択されましたStatement for Public Issues全文がありますので、興味のある方は、事務局までお申し出ください。日本からの提案で、日本軍「慰安婦」問題に関する決議も採択されてこの中に入っております。

※NCCに届いたこれらの本は、お貸し出ししておりますので、ご希望の方は、事務局までご連絡ください。


★知って得するNNN情報★
・ドイツ・プロテスタント教会奨学金募集
ほぼ毎年10月から11月にかけて次の年の10月からその翌年7月までの約1年間ドイツのプロテスタント教会が支給する奨学生の募集を行っている。対象は、神学、キリスト教学(その他関係諸学)の大学院修士課程(博士課程前期)を修了しているもの、及びそれと同程度以上の学力を有するもの。 キリスト新聞、クリスチャン新聞、その他NCC加盟教団の機関紙、NNN紙上でその都度、募集を呼びかけている。  担当:ドイツ教会関係委員会幹事  山本俊正

・中国愛徳基金会への派遣日本語教師募集
日本キリスト教協議会は、中国基督協会の海外援助受け入れ部門である愛徳基金会の要請を受けて日本語教師の派遣を行っている。ほぼ毎年夏過ぎから募集を始め、年末に応募を締め切る。次の年の7月末から勤務開始となる。条件や待遇等詳しいことは、担当:中国小委員会幹事  山本俊正まで。


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