「うちの理事さん」

NPO法人 日本森林ボランティア協会 滝口敏行さん

2002年10月号掲載・紹介者:山本 博

 

計画は慎重に、行動は大胆に

 滝口敏行60歳。満州からの引き揚げ経験者である。幼い弟妹を引き連れ命からがら引き上げたそうで、彼の原点はここにある。毎週のように森林に入り、毎月のように鳥取県や徳島県の合宿ボランティアに参加。その合間に、協会の運営、森林大学の講義、行政がらみの実行委員会などなど、まことにエネルギッシュな方である。たまに時間があればなかなかの腕前のテニスに興ずる。持病の腰痛もテニスをして治すという強靱な体力の持ち主である。
 活動の時も、もう結構なお年なんだから、指導的立場で全体を監視する役をしてくださいとお願いしても、いつも、先頭にたって汗まみれ・泥まみれになりながら間伐などに取り組んでいる。
 設立当時を振り返っても、設立までは非常に慎重に計画を練り、各所に相談しと、こちらがイライラするほどゆっくりしたペースだったが、いざスタートすると、大胆な発想と思いっきりの良さで一気にコトを進める。戦国時代に生きたら名武将だったのではと思う。
 一方で、きかん坊がそのまま大人になったような、串に刺したオデンを持たせたら大人になったチビ太(おそまつ君でお馴染み)のような風貌のガンコ親父でもある。
 大阪YMCA在職当時にキャンプの指導を受けた連中に言わせると、怖くて近寄りがたい存在だったとか。それが今は、サントリー角瓶があれば、もうご機嫌。猫にマタタビ、タッキーに角瓶。酔うと、早く引退したいとおっしゃることが多い昨今だが、まだまだ、日本の草分け的存在、関西のドンの引退は社会が許さないと思う。一生現役ですよ、と言うと、ニコッとされる。その笑顔がたまらなく魅力的な方である。

(紹介者:山本 博)

 

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