森の風

ニュース第69号 01年6月号より

はじめから、だんだんと、突然に…

森づくりフォーラム・ボランティアスタッフ
:竹村 梓

 

 あまりいい表現ではないかもしれないが「ボランティアは一度やったらやめられない」と思う。程度の差はあれ、自分の好きなことやって時には人に感謝までされるのだ。この味を知ってしまったらなかなかやめられるものではない。信じられないというかもしれないが、気づいたら(?)大学生活の大半をこちらは費やしつつあるのだ、間違いないで、人はボランティアに「ハマッて」いくのかと考えると、3パターンくらいあるのかなぁと思い、タイトルのようになった。
 「はじめから」ハマるタイプ。とにかく好きなことやっている人。どちらかというと趣味の延長。今振り返ると僕自身このタイプ。あとから理屈を持ってきて自分のやっていることを「ボランティア」と呼んでいるような気もする。
 「だんだんと」ハマるタイプ。前者に巻き込まれたタイプが多い。(スイマセン、たくさん巻き込みました)前から興味はあった、面白そう、近くでやっている、友達ができるなど誘い方はいくらでもある。誘い込まれ「ボランティア」のつもりでやっていたことに自分なりの楽しさを見つけだしはまり込んでいく。
 「突然」ハマるタイプは怖い。誘われてやっているのは変わらないけれど、やっていることに満足できずに自分で新しく楽しみ方、楽しいこと作ってしまう。誘い引き込んだつもりが、そのうち誘われていたりする。
 べつにこの3タイプどれがいいとか悪いとかいうことはなくて、ただ周りを見ると大雑把に3タイプいるということ。巻き込んだ方が気づくと巻き込まれその連鎖の中で新しいものが出てくるのかな?というところ。

 と、抽象的なことばっかりいていないで、すこし具体的にというより自分自身のことをふりかえると、約3年間日本NPOセンターというところに通い、そして、ふとしたきっかけから周囲の学生といっしょにイベントをやったりした(巻き込んでいった)。
 その過程でいっしょにやっていたほかの仲間が「森づくりフォーラム」なる団体の存在を知らせてくれる。よく聞けば事務所は三鷹、詳しく調べたら自宅から徒歩3分ほど。職住接近ではないけれど、自宅から徒歩3分のところでボランティアというのも悪くないということになった。
 ということで森づくりフォーラムに通い始めやっと2ヶ月ほど。ともかく楽しい、近い(関係者の中で僕より事務所の近くにすんでいる方いますか?)。そして、毎週のように宝捜しをしている甲斐あり事務所はきれいになった。が、まだ宝捜しが終わらず、発掘(?)されるたびに「これなんですか〜?」と聞くが「なんだろ〜?」という返事がいまだに返ってくることがある。(先日賞味期限が5年前に切れたお茶のパックを発見した!)事務所の宝捜しもいいが森の宝捜しにも出かけたいのだけれど。

 こんな風に自分を振り返ってみると「(勝手に)最初からハマる」→「巻き込む」→「巻き込まれる」→「だんだんとハマっていく」と一通りのステップは踏んでいる。そしてこの先どこに落ち着くのだろう?自分でも予想がつかない。
 ただ、この連鎖の中で障害者と遊ぶサークルに誘われ、入り、先日は「森林の市」を企画してみんなで代々木公園に遊びにいったり。竹とんぼに松ぼっくりの人形にと大喜びでみんな帰ったが、誘い誘われるままに森づくりフォーラムに、福祉施設にと広がってかなければありえない組み合わせだろう。ボランティアそのものに魅了されているのも事実だけれどこういう意外性のある組合わせを生み出すことにもハマっているのかもしれない。

 こうしてどんどん活動範囲が広がっていくことは自慢できることかどうかわからないけれど、まあ年の割にはいろんな人にいろんな出会い方をしてきたということでしょう。そして、本当にたくさんの人にお世話になっているということですね。と思い浮かべるだけで冷や汗の出てくる人のなんと多いことか・・このご恩は忘れていませんが、返すのはきっと忘れたころになります。それまで皆様広い心をもって、お体を大切に。あ、あとボランティアは「無償」の活動ですよね、基本は(最後に意味深な発言)。

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