抗  議  声  明
玄海原発3号機の原子炉起動に強く抗議する
九電MOX燃料の安全性は確認されていない
佐賀・福岡の熱意ある運動と固く連帯し、
          全国の反プルサーマルの意思を結集しよう


 九州電力は本日(11月5日)、16体のMOX燃料を装荷した玄海原発3号機の原子炉を起動した。地元佐賀県民をはじめ、福岡等九州各地と全国の市民の強い反対の声を踏みにじり、原子炉起動を強行したことに強く抗議する。

 九州電力は「関西電力が不合格としたMOX燃料が玄海原発用のMOX燃料に含まれている可能性」について、それを否定する具体的説明をしていない。保安院はこの可能性に言及しながら、具体的な調査さえ行っていない。佐賀県は、九電の「自主検査合格」というなんの裏付けのない回答を県議会議員に示しただけだ。

 自主検査問題で窮地に陥ると、今度は「国の検査に合格しているからMOX燃料の安全性は確保されている」と三者は口をそろえる。
 しかし、国の輸入燃料体検査では、MOX燃料に関して、法的裏付けをもった具体的な判断基準は存在しない。九電はこのことについて「知らない」とほおかむりし、佐賀県は「国の検査に合格している」と一般論を繰り返す。そして最も責任がある保安院は、具体的判断基準がないことを認めながら、自らの許可の法的不備に蓋をしてしまっている。

 さらに、使用済MOX処理の方策について、九電は「2010年頃から検討が開始されることになっている。現在は何も決まっていない」と平然と答えている。

 どれもこれも無責任極まりない態度だ。このような大きな問題と矛盾を抱えたまま、12月2日に本格運転を強行しようとしている。

 鳩山政権は、「安全の確保を大前提に、国民の理解と信頼を得て着実に推進」すると述べている。「安全の確保」や「国民の理解」という言葉が、強行推進のためのマヌーバーであることは、玄海プルサーマル問題でも上関原発問題でもはっきりした。

 しかし他方で、六ヶ所再処理工場では高レベル放射性廃液漏えい事故を繰り返し、ガラス固化の試運転は完全に行き詰まってしまっている。「もんじゅ」は14年間も運転を停止したままで、運転再開の具体的目処さえたっていない。このように核燃料サイクル計画が行き詰まる中で、なんとか一機でもプルサーマルを開始することで、政策の綻びを取り繕うとしているのだ。

 「佐賀県民はじっとがまんせよということなのか」。佐賀と福岡では、連日連夜、反対運動が取り組まれている。本日の起動は怒りと同時に新たな闘志に火をつけている。「みらい実行委員会」(福岡)や「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」(佐賀)等は、玄海原発プルサーマル中止を求める要望書への賛同団体を募っている。昨日の第一次集約では、呼びかけから2日足らずで673団体もの賛同が寄せられ、九電や佐賀県、玄海町等に提出された。

 全国の反プルサーマルの意思を結集しよう。まずは、プルサーマル中止を求める要望書への賛同を広めよう。無責任極まりない保安院を早急に佐賀に呼び、安全性問題などについて説明させ、その責任を徹底して追及しよう。

 「いのちの声は大きいのです」。佐賀県民の言葉を全国の連帯した力で示していこう。
 佐賀・福岡の熱気あふれる運動と固く連帯し、12月2日の本格運転を阻止しよう。


2009年11月5日

 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
   京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
   大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


[関連情報]
佐賀新聞2009.11.4
◎要望書と連日の取り組みの紹介は「みらい実行委員会」のブログ参照
要望書への賛同集約先(福岡)
国の輸入燃料体検査には、法的根拠を持った具体的判断基準はありません

(09/11/05UP)