要  望  書

高浜原発用のMOX燃料ペレットの不良品製造に関して
BNFL事件の教訓を踏まえて
どの検査項目で不良品となったのか等、
全ての情報を公開するよう関西電力に要請してください


福井県知事 西川一誠 様


 関西電力は8月19日に、フランスのアレバ・メロックス社で製造したMOX燃料ペレット4集合体分に不良品があることを、自主検査によって確認したと発表しました。4体分のMOX燃料ペレットは、約40万個にも相当します。このことは、多くの人々にBNFL事件を彷彿させ、「またも関電のMOX燃料で」と大きな不安と心配を広げています。
 それはひとえに、どのような性状で不良品だったのか、また不良品となった原因・理由はなんだったのかが一切公表されていないことによります。

 関電のプレス発表では、ペレットの性状を確認するための自主検査の一つの項目で、目標値の範囲内に収まらない測定値を示すものがあったということのみが発表されているだけです。問題となっている4体分の不良品は、どのような検査項目で不適格となったのか、どのような方法で確認したのか、そもそも検査データの詳細な記録を関電が持っているのか、判定基準についてはどのような取り決めが行われていたのか等々、全てがブラックボックスです。このような姿勢で、貴職や福井県民、市民を納得させることができると考えているのでしょうか。

 さらに、アレバ・メロックス社は、「これまでの経験に基づき、当該ペレットはMOX燃料として採用が可能」だと主張したとのことです。このことは、アレバ・メロックス社と関電との間に、品質保証に関する基本姿勢で差異があるのではないのか、すなわち、他の検査項目でもアレバ・メロックス社が一元的に管理している検査データに問題がないのかという強い危惧が生じてきます。さらに直接的には、日本向けの他社用MOX燃料で、今回不良品となったようなペレットが採用されているという「経験」があるのではないかとの疑いが生じてきます。

 BNFLの場合は、ペレットの検査項目や検査方法・判定基準などは公表されていました。また、BNFLでのペレット寸法に関するデータねつ造事件では、貴県の強い指導によって、関電は全てのペレット寸法データを公開しました。これは「企業機密」より、安全性が優先するという貴県の強い姿勢によって実現しました。それによって、当時、関電や国がさかんに主張した「高浜3号機用MOXペレットにはデータねつ造があったが、4号機用MOXペレットにはデータねつ造はない」という主張が虚偽であったことが明らかになりました。
 今回のペレット不良品問題についても、安全性・品質保証を最優先に考えれば、不良品に関する情報、それが生じた原因等を明らかにし、どこに問題があったのかを明確にすべきです。さらに、採用する12体のMOX燃料の安全性・品質保証についても具体的に県民・国民の前に明らかにすべきです。このことを貴職から関電に要請されるよう、強く要望します。

要  望  事  項

高浜原発用のMOX燃料ペレットの不良品製造に関して
BNFL事件の教訓を踏まえて
どの検査項目で不良品となったのか等、
全ての情報を公開するよう関西電力に要請してください。


2009年9月8日

グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
  京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
  大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

※なお、8月26日に関西電力に提出した質問書をご参考までに添付いたします。


(09/09/08UP)