パンフレット

六ヶ所再処理工場は
人々の安全を脅かす

−安全協定が結ばれてはならない


修  正  点


2003年9月12日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
    グリーンピース・ジャパン



 2002年11月23日付けで発行したパンフレット「六ヶ所再処理工場は人々の安全を脅かす−安全協定が結ばれてはならない」について、下記のような修正を行います。すでにこのパンフレットを購入し、活用していただいている方々に多大のご迷惑をおかけすることについて、深くお詫びします。
 修正した数値は、第一に、海洋への廃液放出口から北13km(泊)地点での海水中放射能濃度の評価値です。第二に、その濃度を基礎にしている海藻類による被ばく線量です。この場合、各核種の放出量が、日本原燃の事業許可申請書どおりの場合と、ラアーグ並の場合の両方とも修正が必要です。ただし、パンフレットの全体的な趣旨・主張点に、変更はありません。
 主な変更点をまとめれば、次のようになります。


(1) なぜ、どの評価の修正が必要になったのか
 このパンフでの評価は、日本原燃が行った評価方法をまず把握し、それを批判するという方法に基づいています。その日本原燃が採用した方法について、2つの重要な点で我々の捉え方に誤りがありました。
 第一は、海流向きの頻度についてです。事業許可申請書では、海流を北向き流、南向き流及び憩流(流速5cm/s未満)の3種類に分け、それぞれが年間にどの程度起こるかという頻度を与え、それを用いて各地点での海水中放射能濃度を評価しています。ところが、放出口北13kmという遠方地点についてだけは、憩流を無視し、その分の頻度を北流と南流に分配していたのです。このことは、パンフ発行後に、日本原燃や原子力安全・保安院との交渉を通じて明らかになったことで、前のパンフでは、憩流も含まれていると解釈していました。そのため、この点の修正が必要になりました。
 第二は、拡散の程度を決めるパラメータ(拡散係数)をどうとっているのかという点です。海水中での放射能の拡散は、この拡散係数をどうとるかによって大きく変わります。この点、事業許可申請書では、事実上リチャードソンの4/3乗則を用いているらしいことは分かっていたのですが、そこに現れる具体的なパラメータの値が書かれていなかったため使うことができず、パンフでは定数の拡散係数(事業許可申請書での拡散係数の最大値)で代用していました。
 この点、交渉で値をどうとっているのかと質問しても、答えはなしでしたが、拡散係数に関する文献及びその文献の引用文献が分かったため、リチャードソンの4/3乗則を用いることができるようになりました。それで、この点の修正が必要になったというわけです。

(2) 新たな批判点およびその根拠はなにか
 このようにして、日本原燃の評価方法がパンフ作成時より正確に分かったわけですが、それだけなら日本原燃の計算と同じ結果が得られるだけです。ところが、この評価方法の枠内でも、第一に北流と南流の頻度に関するデータの扱い方に批判すべき点があり、第二に拡散方程式の扱い方に批判すべき点がありました。その結果、前記の表に示すように、放出口北13km地点の濃度について、日本原燃の結果の3.3倍という数値が得られたのです。
注:この評価の根拠についてくわしくは、「六ヶ所再処理工場海洋汚染−海藻類による被ばくの再評価」、小山英之(美浜の会)を参照してください。


修 正 点

p.2 ↑9行目:80μSv ⇒ 60μSv

p.4 右欄 ↓7行目: 80μSv ⇒ 60μSv

p.11 表6.海藻類行の[修正値]
     3.0×10^(-10) ⇒ 1.72×10^(-10)
   修正済みが右の表6

p.12 右欄 ↓8行目:
   約3.0×10-10Bq/cm3⇒約1.7×10-10Bq/cm3

p.12 右欄 ↓9行目:約5.8倍 ⇒ 約3.3倍

p.14 左欄 ↓3行目:約5.8倍 ⇒ 約3.3倍

   同   ↓5行目:約5.8倍 ⇒ 約3.3倍

   同   ↓6行目: 1.788 ⇒ 1.025

p.14 右欄 ↓1行目:4.363μSv ⇒ 3.599μSv 

p.14 表9.海草類欄の数値をすべて修正(すべての数値に0.573を掛ける)。
   それに伴って、海産物合計欄の数値と合計欄の数値を修正 ⇒ 下記表9が修正済み表。


p.26 左欄 ↓1〜2行目:約78μSv ⇒ 約60μSv

p.26 右欄 ↑3〜1行目:全被ばく線量は約97μSv、ほとんど100μSvとなると結論づけられる。
   ⇒⇒⇒ 全被ばく線量は約80μSv、燃焼度の違いを考慮すれば、ほぼ100μSvを超えると結論づけられる。

p.26 表19.海草類欄の数値をすべて修正(前の数値に0.573を掛ける)。
   それに伴って、海産物欄のtotal数値および合計欄のtotal数値を変更 ⇒ 修正済み下記の表19。


p.35 左欄 ↓24行目 約5.8倍 ⇒ 約3.3 倍

   同   ↓34行目 約80μSv ⇒ 約60μSv

p.37 右欄 ↓8行目  6倍近く ⇒ 約3.3倍