核の輸送容器をとりまく安全性の申し立ては、
NRCの品質保証プログラムの失敗を示唆
2団体は、エクセロン社の元従業員によって持ち上がった
諸問題の調査を要求

Safety Allegations Surrounding Nuclear Transport Containers Suggest Failure of NRC Quality Assurance Program
Groups Call for Investigation of Issues Raised by Former Exelon Employee


2003年6月19日 パブリック・シチズン
http://www.citizen.org/pressroom/release.cfm?ID=1465


ワシントンD.C.−2つの公共の利益を求める団体は、今日、米国原子力規制委員会が核廃棄物輸送容器の一番手の製造業者による品質保証改ざんを確定し適当な対応をとることに失敗したという申し立てを審査することを、要請した。
 NRCの総括監察官への手紙で、パブリック・シチズン(Public Citizen)と核の資料情報サービス(Nuclear Information Resource Service:NIRS)は、エクセロンの元従業員であるオスカー・シラニによってもたらされた安全性申し立てに照らして、NRCの品質保証プログラムの独立した評価を要求した。
 2000年7月に、シラニはエクセロン社の従業員として、ホルテック社とその下請け業者であるUSツール&ダイ社の品質保証監査を主導した、(ホルテック社は使用済み核燃料の輸送と貯蔵に使用されるキャスクの一番手の製造メーカーである)。シラニは、ホルテック社によって作られたキャスクが許可された設計仕様書と一致しないであろうことを示す9つの品質保証書改ざんをあばいた。シラニによると、結果として、ホルテック社製のキャスクは不確かな工学安全余裕を持っている。
 これは、核燃料が積み込まれたキャスクが圧力とひずみのもとで予想通りに機能できず、また、ある環境の下では高レベル核廃棄物からの放射線を十分に抑制できないであろうことを意味する。シラニは、なぜNRC品質保証検査官がこれらの問題を確認することに失敗したのかを疑問視している。
 ホルテック社製のキャスクは、イリノイ州、オレゴン州、ニューヨーク州、ジョージア州およびワシントン州にある5つのサイトで使用済み核燃料を貯蔵するために現在使用されている。
 シラニは、エクセロン社からその後解雇されたのであるが、NRCは彼が確認した安全問題に十分に取り組まず、そしてこれらの問題のうちのいくつかは未解決のままになっているとも主張する。未解決のホルテック社の違反に関するシラニのリストは、違反溶接、脆化材料、損傷した中性子遮蔽材およびねつ造された品質保証書を含んでいる。
 「この監査とその結果およびシラニ氏のその後のエクセロン社からの解雇をとりまく状況は、NRCの品質保証プログラムとその機関による産業の品質保証プログラムへの監督における憂慮すべき機能停止を指し示している」と2つの団体はNRCの総括監察官に宛てた手紙の中に書いている。
 ホルテック社とその下請け業者に関するこれらの諸問題は、ホルテック社製の鉄道用キャスクを用いてユタ州スカル・バレーのゴーシュートインディアンの特別保留地での計画された貯蔵施設に、前例のないほど大量の使用済み核燃料を輸送するために、原子力発電会社の合弁企業(Private Fuel Storage, L.L.C)による、未解決の提案に照らして、とりわけ時宜を得たものとなっている。PFS社もまた、スカル・バレー・サイトで貯蔵のためにホルテック社製のキャスクを使うだろう。
 これとは別に、NRCは、輸送容器許可申請を評価するために使用されている既存のコンピューター・モデルを試験するプログラムの一部として、単一のホルテックス社製のキャスクの限定的な物理的試験を提案している。NRCの品質保証監査に申し立てられた矛盾点は、PFS社の計画の安全性およびNRCが提案したキャスクのテストの妥当性について、問題提起する。
 2つの団体は、NRCの品質保証の有効性と見落としに関する体系的な懸念を指摘した。昨年、NRCの検査は、オハイオ州のデイビス・ベッセ原発での深刻な腐食を発見することに失敗した、そこでは、酸性の堆積物がステンレス鋼の原子炉容器上蓋をほとんど貫通する穴をあけていた。
 「私たちは、今回のケースの調査が有効な原子力規制と公衆の安全にとって重要であると信じている」と2団体は書いた。

2団体の要請書はこちら
http://www.jca.apc.org/mihama/aomori_gomi/citizen_nirs030619.htm