青森県知事宛のメールにご協力ありがとうございました
日に日に広がる反対の声を実感


 美浜の会ホームページ(HP)では、2月末から、「六ヶ所再処理工場のアクティブ試験やめて!」のメッセージを青森県知事に送るアクションを行いました。3月末にも知事がアクティブ試験にGOサインを出すであろうと予想され、非常に緊迫した状況の中でした。
 当会HPにメッセージ送信のコーナーを作成し、たくさんの方に、自らの思いをそこから知事へ送ってもらいます。当会でこうしたアクションを行うのは、02年8月の新潟県刈羽村長あて、04年3月の福井県知事あてに続いて、3回目でした。今回は初めて、携帯電話から送るコーナーも準備しました。
 4月初めまでに寄せられたメッセージは、約1ヶ月で921通に上りました。北海道から沖縄までの全国各地、そして海外からも寄せられました。ご協力ありがとうございました。心より感謝申し上げます。
 始めた当初は、これほどの数が寄せられるとは思っていませんでした。というのも、開始後1週間は毎日30通以上送られたものの、その後やや息切れ気味になって減ってきたからです。ところが、そこからジリ貧になるのではなく、息長く続き、後になるにしたがってむしろ広がっていきました。これは今までの2回の経験とは異なった、今回の大きな特徴です。
 その理由として考えられることは、まず第一に、通常運転中にも大量の放射能を大気中、海中に放出し続けるという、原発とは異なる再処理工場の危険性が、ようやく広く知られるようになったということだと思います。第二に、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)といった、インターネットの中でも比較的新しい仕組みを使った、人と人とのネットワークが大きな力を発揮し、それを通じて声が広がっていったように思います。
 その結果、日を重ねるにしたがって、これまでこうした運動に参加した経験のなさそうな人からのメールが、明らかに増えていきました。「友人から教えられて初めて、こうした恐ろしいことが起きていることを知りました」、「坂本龍一さんのブログで読みました」など、新たな人たちがこの問題に目を向け始めていることを、実感できるメッセージが寄せられました。特に、釣り、カヌー等アウトドアの趣味を持つ皆さんが、大変な危機感を持ち、積極的に参加してくれました。また、アクティブ試験開始直前には、海洋汚染の影響を特に強く受けると予想される、岩手県の方々から数多くのメッセージが送られました。最後の追い込みに入った3月24日には、1日で83通というこれまでで最高の数が送られました。
 メッセージを読んでいて特に印象的だったのは、大地や海などの自然が一度放射能に汚染されてしまうと、もう二度と元の姿を取り戻すことはできないという、悲痛な声と言ってもよいほどの切実な思いです。再処理工場の運転によって放射能汚染が広がっていく様子を、それだけ多くの方が、リアルな危険性として思い描かれたのだと思います。
 私は、寄せられたメッセージをHPで紹介する作業を担当していましたが、担当者として特にうれしかったのは、地元青森の方から「毎日、美浜の会HPでメッセージを読むのが楽しみだ」との声があったことです。結構手間のかかる作業でしたが、それが地元の方を励ます力になっていることを知り、逆に私にとっても励みになりました。
 知事は、全国からの声に背を向け、安全協定を締結し、アクティブ試験は開始されてしまいました。しかし、これだけ多くの声が寄せられたことは、ボディーブローのように効いてくるに違いありません。大きく広がった人と人との繋がりの力で、必ず再処理工場を止められると確信しています。(R)