コンドルの血
(Sangre de Condor)
<Yawar Mallku>

ホルヘ・サンヒネス監督 1969年 白黒 35ミリ 82分
1969年 フランス、ジョルジュ・サドゥール賞
      ヴェネツィア映画祭金舵賞
      バヤドリッド映画祭金穂賞

【あらすじ】

『コンドルの血』は、ボリビアにおいていわゆる平和部隊の北アメリカ人によって設置された婦人科施設が、その地域一体の農村女性に対して、本人の承諾を得ないまま不妊の手術を施すことを目的としているという犯罪的行動を告発している。この映画は、このような不妊化施設が存在しているとして、ボリビアで現実になされた非難に基づいている。映画では、伝染病による子どもの死亡や一年半も前から村では子どもの誕生がないことを心配した共同体の首長イグナシオ・マルタが、ヤンキーの診療を受けた女性たちに質問をしつつ調査を開始する。

 ヤンキーは古着を贈って住民の信頼をかち得ようとするが、彼らは古着ゐお突き返す。グリンゴたちはインディオの気持ちを理解しない。その金もうけ主義的な態度は、現実との本来の関係を維持し個人主義的ではなく集団として一体化した運命を生きている共同体の集団的かつ人間的な考え方とことごとく衝突する。

 ヤンキーの有罪を確信したイグナシオは、伝統的な共同体の行動形態を尊重しつつ村人を動員する。「女性の腹に死をまき散らしている」としてヤンキーを非難する激しい行動を起こし、彼らを去勢すると告発する。いちはやく弾圧がかけられ、農民がひとり暗殺されたうえ、イグナシオも死んだものと見做される。

制作スタッフ

制作/ウカマウ集団(ウカマウ社によって)
物語・技術台本/ホルヘ・サンヒネス
台詞/オスカル・ソリア
音楽/イグナシオ・キスペ、アルフレッド・ドミンゲス、アルベルト・ビヤル
パンド
撮影・カメラ/アントニオ・エギノ
制作主任/リカルド・ラダ
監督助手/コンスエロ・サアベドラ
助手/ウンベルト・ベラ、アントニオ・パセロ
監督/ホルヘ・サンヒネス

 実は瀕死の重傷を負っていたイグナシオは妻パウリーナの手で都会に運ばれ、イグナシオの弟で都市生活の中で自己本来の文化から切り離されつつある労働者シストの住むむさくるしい部屋に入れられる。二人はイグナシオを入院させることにするが、そこから再び新たな苦難が始まる。

 病院はベッドを提供するだけで、薬も輸血用血液も外で調達、購入しなければならないのだ。シストとパウリーナの血液型はイグナシオのそれとは合わない。必要な量を買うには、シストの給料の三倍もの金が要る。シストはパウリーナと共に金策に駆けずり回るなかで、パウリーナの口からこの悲劇の原因を知る。

 インディオの苦しみには冷淡で、共同体の利益をヤンキーに売り渡す人種差別主義的な残酷な社会との対立のなかで、シストは自覚し始める。自らがインディオであることを否定していた彼は、避けるべくもない過程を経てついに戦いを決意するに至る。

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