ヴィクトル・セガレン(1878〜1919)

フランスのブルターニュ地方の港町ブレストに生まれる。船医になり船で世界中を旅することを夢見て医学校に学ぶ。一九〇四年タヒチに赴任。二年間のポリネシア生活とそこへの行き来で、ゴーギャンとランボーの足跡やマオリ民俗の神話的世界への感心を深め、それらの題材を作品にまとめる。のち中国への感心が昴じ海軍通訳生奨学生として一九〇九年中国に渡り、以後一七年まで後半生の大半を中国で過ごす。その間、内陸部への旅を三度行ない、清朝の崩壊や辛亥革命に遭遇、その経験をさまざまな作品に書き残す。生前に発表された作品は僅かだったが、異文化との相克の中で「多様なるもの」の価値を追求した「ラディカルなエグゾティスム」は、近年とみに世界的な感心を集め、七〇〜八〇年代には原著が相次いで刊行された。本書は文学作品とエセーを組合わせて編集され、彼の最終的到着点を指し示すものである。


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