ピープルズ・プラン研究所
11・15シンポジウムのご案内

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ピープルズ・プラン研究所
11・15シンポジウムのご案内

踏みとどまり押しかえす
原則なき政治と解体する社会を乗りこえる力
行き詰まる「帝国」とグローバル化のなかで
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日時:11月15日(土)
場所:明治学院大学(白金台)本館1201教室
資料代: 1000円(前売り800円)

13:00開場、13:30開始 19:00終了

◆基調報告 小倉利丸(ピープルズ・プラン研究所共同代表)

◆ゲスト報告「アジアでいま起こっていること――戦争・平和・運動」ジニー・
マニポン(アジア平和連合、Asian Regional Exchange for New Alternatives[
ARENA])

◆対論
《第1セッション》使い捨てられる労働――新しい労働運動はどこから生まれるか
中野麻美(弁護士)/遠野はるひ(横浜アクションリサーチセンター)

《第2セッション》北朝鮮問題――国家の立場からではない論じ方
太田昌国(現代企画室)/琴 玲夏(ピースボート)

《第3セッション》平和と安全保障――国家・軍隊の立場からではないアプローチ
君島東彦(非暴力平和隊国際理事)/武藤一羊(ピープルズプラン研究所共同代表)


主催 ピープルズプラン研究所
後援 明治学院大学国際平和研究所


 イラクではアメリカ占領軍は泥沼にはまり込み、WTOカンクン会議は、交渉決裂に終わりました。「帝国」の支配とグローバル化は、明らかに行き詰まりつつあります。

だがそれは、そのまま民衆にとって明るい展望が開けることになっていません。

イラクで、アフガニスタンで、パレスチナで、帝国の破綻は、さしあたり民衆の苦しみを増す状況を生み出しています。わたしたちが抵抗し反撃しオルタナティブな世界を創造する新たな原則、思想、文化、社会基盤を作り出さぬ限り、帝国下の暴力、無法、蒙昧の支配、無秩序を乗り越えることはできないでしょう。

 いまの日本の状況がまさにそうなっています。自殺者が毎年三万人を越え、失業者は減らず、使い捨てられる非正規雇用の労働者が増えつづけ、多数の人びとがばらばらにされて競争に投げこまれ、不安の中に放置されています。

この体制は破綻しているのです。だが、日本の国家は、人びとの不安を逆手にとって戦争・危機管理国家を構築し、有事法制の確立やイラク派兵の道をひた走っています。

そして、北朝鮮問題をフルに利用して、「国の安全」を守れという世論を作りだし、排外主義を煽り立てています。

「規制緩和」、「民営化」、「自己責任」、「国と国民の安全」、「国民保護」といった論理や言葉が、批判と抵抗を受けることなく、社会を覆っています。

一国の首相が国会で「サダム・フセインが見つからないといって、居なかったことにならい、だから大量破壊兵器がみつからないからといってなかったことにならない」などと開いた口がふさがらない詭弁で答弁をしても、政治家があからさまな民族差別や女性差別の「本音」を繰り返し語っても、政治的、社会的に咎められることなく、まかり通っています。

 この状況に押し流されず、いいたい放題、やりたい放題を許さず、踏みとどまり押しかえす大きな動きを創りだす必要性を私たちは強く感じています。

体制の破綻は、たしかに「もうひとつの世界」を生み出すチャンスが生まれていることを意味しています。だがそのためには、足を底につけ、どこに民衆にとっての是非の原則を立てるのか、どのような論理、思想、言葉を対置するのかを、根本から洗いなおす必要があるでしょう。
 
今回のシンポジウムでは、さまざまの運動の中での議論と経験を思想化し、共有できる言葉にし、運動に還す議論をしてみたいと思います。


《スピーカーのプロフィール》

小倉利丸(おぐらとしまる)/富山大学教員。ピープルズ・プラン研究所共同代表。グローバル資本主義への批判を続け、日本からの世界社会フォーラムへの参加の取り組みを組織している。最近の著書に『路上に自由を!』(編著、インパクト出版会)など。

ジニー・マニポン/ Asian Regional Exchange for New Alternatives(ARENA)コーディネーター、APA事務局責任者

中野麻美(なかのまみ)/弁護士。労働の中での女性差別や非正規雇用の問題を一貫して取り上げ、裁判・講演・執筆などの活動を精力的に展開している。

遠野はるひ(とおのはるひ)/横浜アクションリサーチセンター。APWSL(アジア太平洋労働者連帯会議)前共同議長。フィリピン・トヨタの労働者のたたかいへの支援活動を組織するなど、アジアと日本の関わりの中での労働問題を
探求している。

太田昌国(おおたまさくに)/現代企画室、民族・植民地問題研究。台頭する日本のナショナリズムに批判を向け、北朝鮮による拉致問題をめぐる言論状況に鋭く切り込んでいる。著書に『「拉致」異論』、『日本ナショナリズム解体新書』
ほか。/

琴玲夏(くむりょんは)/東京生まれの在日コリアン3世。在日コリアン青年連合(KEY)東京の副委員長を担う傍ら、2002年11月よりNGOピースボートのスタッフとして勤める。

君島東彦(きみじまあきひこ)/北海学園大学法学部教員。NGOの立場から平和憲法を捉え直し、活かすことを課題とする。国際反核法律家協会理事、非暴力平和隊国際理事などをつとめる。最近の論稿として「市民平和活動の時代」山内敏弘編『有事法制を検証する』(法律文化社)所収。

武藤一羊(むとういちよう)/ピープルズ・プラン研究所共同代表。アメリカのアフガン、イラクへの戦争を徹底的に批判し、APA(アジア平和連合)の立ち上げを推進。著書に『帝国の支配/民衆の連合』ほか。


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