『悪なき大地』への途上にて 
 
ベアトリス・パラシオス/著
唐澤秀子/訳

泉沢儒花(Bit Rabbit/装丁
2008年8月15日刊行
定価1,200円+税
新書判、並製、156頁、写真多数
ISBN978-4-7738-0808-7 C0036
 

日本の自主上映で延べ10万人が観たボリビア・ウカマウ集団の映画群。一連の作品のプロデューサーを務めた女性が描く、アンデスの民の姿。
新自由主義経済下で喘ぐ民衆の日常を鋭くカットしてまるで小説のように差し出された18の掌編。

『第一の敵』『ここから出ていけ!』『地下の民』――忘れがたい記憶を
日本の観客に刻みつけてきたウカマウの映画は、歴史と現実を綿密に考証することから作業が始まった。ベアトリスは、人びとの話を耳を傾け、対話し、記録して、その素材を映画に生かした。「ピエロのアレクス」「カラコトの奥様」「あばあさん」――本書に収められたどの物語からも、懐かしいウカマウの映画のにおいがたちこめる。

同じ訳者によって
ドミティーラ=著 唐澤秀子=訳
『私にも話させて――アンデスの鉱山に生きる人びとの物語』
(現代企画室、1984年、好評4刷、定価2800円+税)

   

占領ノート
一ユダヤ人が見たパレスチナの生活 

 
エリック・アザン/著
益岡 賢/訳

本永惠子/装丁
2008年10月下旬刊行
定価1,500円+税
新書判・上製・220頁
ISBN978-4-7738-0810-0 C0036 Y1500E
 

「こんな扱いを受けるなんて、いったい私たちがなにをしたというのだろうか」 淡々とした筆致で占領の現実を描くヨルダン川西岸訪問記。パレスチナの分断と併合を進める「壁」の不合理な真実に迫る。

パレスチナ情勢についての詳細な解説、文献・ウェブサイトリストに加えて、関連地図を多数収録!!

サルバドールの朝
   

娘と話す・文化ってなに?
 
ジェローム・クレマン/著
佐藤 康/訳
廣瀬 純/解説
泉沢儒花(Bit Rabbit)/装丁

2008年11月上旬刊行
定価1,200 円+税
ISBN978-4-7738-0812-4 C0036 Y1200E
 

文化の語源は耕作 自分の手で自分を耕すこと
多文化であることは、理想ではなく当然となった現代。
「もうフランス国民なんていないんじゃない?」
「戦争は文化の衝突から起こるということ?」
「地球規模の文化は誕生すると思う?」
さまざまな文化が入り乱れるヨーロッパで暮らす父娘が、
対話を通して、現代における「文化」のあり方を探る。

【著者紹介】 ジェローム・クレマン
フランス文化省のさまざまな機関に従事し
た後、エジプトの文化参事官、1981 年より
内閣参事官を歴任した後、国立映画センター
の所長を務める。1991 年、フランスの文化
専門チャンネル・アルテ社を創設、主宰。

サルバドールの朝
   

子どもと話す・文学ってなに?
 

蜷川泰司/著
泉沢儒花(Bit Rabbit)/装丁

2008年11月上旬刊行
定価1,200 円+税
ISBN978-4-7738-0811-7 C0036 Y1200E

 

私たちは どこにも文字のない大きな書物の中を歩いている
ことばに光を当てるということ、ものがたる(物語る)ということ、ま
つりごと(政治)としての文学、ジェンダーと文学、書くことの、そし
て読むことのたのしみ、作者と読者、しなもの(商品)としての文学。
旅先で偶然出会った少年と男が、文学にまつわるテーマをめぐって、熱
いの討論を繰り広げる。あらためて、文学とは何だろう?

【著者紹介】 蜷川泰司
1954 年京都市生まれ。京都大学文学部でフランス
文学、同大学院修士課程で西洋哲学史を専攻。出版
社勤務をへて、東京の日本語学校、オランダのライ
デン大学、京都大学、大阪外国語大学などで日本語
教育に従事。著書に『空の瞳』(現代企画室)がある。
現在、『新たなる死』(全12 篇)、長篇『ユウラシヤ』
(4 部構成)を鋭意執筆中。

サルバドールの朝
   

住民自治・地方分権と改憲
地域社会の再編に抗して

 
ピープルズ・プラン研究所=編
2008年8月上旬刊行
本永惠子/装丁

定価1,000円+税
A5判変型・並製 134頁
ISBN978-4-7738-0809-4 C0036

 

住民が必要とする公共サービスを削減し、地方自治体に「経営体」としての財政再建=健全化を要求する新自由主義改革とは何か? 改憲の動きはどう絡むのか?住民自治・地域自立の立場から国民国家統合の論理を批判する。

【本書の内容】
第1章 改憲と道州制
進藤 兵
第2章 新自由主義「改革」と地方分権
白川真澄
第3章 「有事法制」「国民保護法制」と地方自治・住民の権利
清水雅彦
第4章 小・中学校は教育福祉の根幹
池田祥子
第5章 沖縄の自治と憲法改正
島袋 純
第6章 北海道におけるアイヌ民族との共生のために
小泉雅弘

サルバドールの朝
   

ディスポジション 配置としての世界
 
柳澤田実(編)/萱野稔人/染谷昌義/本間淳/大橋完太郎/東辻賢治郎/平倉圭/天内大樹
定価:2,300 円
2008 年6 月中旬刊行
A5 判並製 264 頁
ISBN978-4-7738-0806-3 C0010

 

ディスポジション(disposition)=配置、布置、力、条件、性向、傾向性、態勢……
「ディスポジションという概念を通して見出されるのは、合理主義に対置されるべき複数の思索・生存の可能性である。アリストテレス以来、合理的思考に併存してきたこれらの可能性は未だ尽くされていない。」(本書序文より)明晰判明な主観認識にもとづく世界観の専横を脱し、より「うまくいく」世界の可能性を探るための、次代を担う理論家/実践家たちによる討議と思考の記録。

サルバドールの朝
   



ダイヤモンド・ドッグ
 
ケイト・ダリアンスミス/有満保江
泉沢儒花(Bit Rabbit)/装丁
2008年5月中旬発売
四六判・上製・240頁
定価2400円+税
ISBN978-4-7738-0804-9 C0097 Y2400E

 

オーストラリアの現在を読む!
新しい世代を代表する作家16 人による瑞々しい表現。
収録作家:ニコラス・ジョーズ、エヴァ・サリス、リリー・ブレッ
ト、デイヴィッド・マルーフ、エニッド・デ・レオ、ティム・ウィ
ントン、ウーヤン・ユー、トレヴァー・シアストン、サリー・モー
ガン、ファビエンヌ・バイエ=チャールトン、キム・スコット、
マーリンダ・ボビス、ロロ・ハウバイン、スニル・バダミ、
マシュー・コンドン、マンディ・セイヤー

サルバドールの朝
   

《東京・イチャルパ》への道
明治初期における開拓使のアイヌ教育をめぐって

 
東京アイヌ史研究会/編
A5判・並製・168頁(カラー口絵4頁)・
定価1,500円+税
ISBN978-4-7738-0802-5 C0021 Y1500E
 

明治初期、北海道が日本国家に包摂される過程で、東京に連れてこられた若きアイヌたちを待ち受けていたものは何か?新たに発見された史料に基づいて明らかにされた、日本近代史の知られざる側面。

 北海道大学の前身である「開拓使仮学校」(現在の東京・芝公園に設置)。東京に連行されたアイヌは、そこに併設された「北海道土人教育所」に入学する。
 故郷から遠く離れた地で好奇の目にさらされつつ、日本人への同化を迫られたアイヌたち。そのうち数名は、ついに故郷へ帰ることなく、東京で命を落とした。
 歴史の大きな転換期に苦しんだウタリ(仲間)をしのび、東京で暮らすアイヌたちが《東京・イチャルパ(慰霊祭)》を芝公園で開催している(2003 年より)。その開催にいたる経緯や会の様子についてのレポートもあわせて収録。

私のなかの「ユダヤ人」
   

河口龍夫 見えないものと見えるもの

 
A4 版152 頁、カラー図版多数
寄稿:中原佑介、大澤真幸、山脇一夫、山崎均
対談:河口龍夫×中原佑介(美術評論家)、河口龍夫×北川フラム(アートディレクター)収録
2008 年7 月30 日刊行 定価3,500 円+税
ISBN978-4-7738-0807-0 C0070 Y3500E

 

河口龍夫、1970 年から現在までの軌跡

「河口龍夫―見えないものと見えるもの―」展は、2007 年秋、兵庫県立美術館と名古屋市美術館による同時開催というかたちで開催された。1970 年から現在に至までの河口龍夫の軌跡を、2 館で表現する展覧会となった。作家はそれぞれの館での展示を「ひとつの作品として」手がけたという。
 本書は、展覧会に併せて発行され、すでに完売となった展覧会カタログに加え、会期中に開催され、好評を博したふたつの対談の全記録を収録した本展の記録集。1970 年から2007 年までの代表作を掲載した、最新の河口龍夫作品集。


【作家紹介】 河口龍夫(かわぐち・たつお)
1940 年、兵庫県神戸市に生まれ。1974 年、第一回井植文化賞 ( 文化芸術部門 ) 受賞。1975 〜 1976 年、文化庁芸術家在外研修員として欧米に滞在。現在筑波大学芸術系名誉教授、京都造形芸術大学客員教授、倉敷芸術科学大学教授。1970 年「東京ビエンナーレ1970」(東京都美術館/京都市
美術館)、1989 年「大地の魔術師」(ポンピドウー・センター)、2000 年、2003 年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000」( 新潟県)等に参加。2007 年〜 2008 年にかけて、兵庫県立美術館、名古屋市美術館、宇都宮美術館、横田茂ギャラリー 、「時の航海」 発電所美術館 などで相次いで個展が開催されるなど、精力的に活動中。2009 年には東京国立近代美術館で個展が予定されている。

つながる日本海
   

魔女たちの九九

 
編集:武蔵野美術大学美術資料図書館
A4 版148 頁、カラー/モノクロ、作品図版多数
寄稿:鶴岡真弓、鷹見明彦、岡部あおみ
定価2,000 円+税
ISBN978-4-7738-0038-0805-6 C0070 Y2000E

 

2008 年夏、武蔵野美術大学美術資料図書館主催の「魔女たちの九九」展が同大学美術資料図書館及び、ヒルサイドフォーラムで開催された。
ゲーテの『ファウスト』に由来する「魔女たちの九九』というタイトルのもと、鷹見明彦のキュレーションで7 名の女性作家たちが表現領域の違いを越えて一堂に会した企画展。合田佐和子、塩崎由美子、内田あぐり、たほ りつこ、柳澤紀子、真島明子、遠藤彰子、7 名の魅力的な「魔女たち」による、渾身の作品と力強く個性的な世界を収録した一冊。

逸格の系譜
   

大岩オスカール グローバリゼイション時代の絵画

 
定価3000円+税/ A4変・上製・160頁・カラー図版約120点
ISBN978-4-7738-0801-8 C0071 Y3000E
編集:Oscar Oiwa Studio /発行:現代企画室

 

サンパウロ→東京→ニューヨーク かろやかに世界を疾走するアーティスト、大岩オスカール
1990 年代から現在までの絵画を集成した待望の画集
彼は、サンパウロから、東京から、そしていまもニューヨークから、地球を掘り続けている。……オスカールは、これからます
ます掘り進んで、私以外の、世界中のいろんな人に突き当たっていくんだと思う。彼の絵には、そんな力がある。(山下裕二)
「裏」と「表」の間にある宙吊りの状態/宙吊りの場所を文字通り切りひらき、アクロバティックに現前させ、見る者を招き入
れる。ありえない空間を現前させるこの身振りこそ、限りない振幅をはらむ大岩作品を支えるものに違いない。(鎮西芳美)

日本国内版限定、特典DVD 付き!