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X.条約の目的を達成するために必要なその他の重要事項    (訳:林 明仁)

A. 連携と支援

6. それぞれの締約国は管轄する領域において条約の義務を履行する責任を負う一方で、各国の連携と支援に関する条項はこれらの責任を果たし、共有された目的を達成するための必要不可欠な枠組みをつくるものである。このようなことを背景に、1997年から2004年の間に22億ドル以上が条約の目的に沿った活動に支援された。2005年から2009年の間にこれらの義務を果たし、この文書で記された行動と戦略を効果的に進めるためには、意味のある政治的、資金的、物質的なコミットメントが必要であることを締約国は認識する。

この目的のために、

管轄する領域において地雷原を持つ締約国と多数の地雷被害者を持つ締約国は以下のことを行なう。

行動40 地雷除去および被害者支援を最優先事項とする。すなわち、ナショナル、サブナショナルレベルでの、セクター別開発計画、貧困削減計画、国連開発支援枠組み、その他の適切なメカニズムの中にこれらの事項を取り入れることで、国のコミットメントを強化し条約の義務の遂行を進める。

行動41 国連、国内および国際NGO、その他のアクターの活動を国の優先事項を考慮した形で、適切な国家地雷対策計画の枠組みに取り入れる。

行動42 国家、国際レベルの政策を改善し、戦略を発展させるため適切なアクターの連携を求めることで、地雷対策を効果的に進め、他国からの専門家への依存を減らし、また地雷対策への支援は十分な調査とニーズの分析、費用効果の高いアプローチに基づいて行なわれることを明確にする。

行動43 技術面での連携、情報の共有、その他の相互的な支援を進めることにより、条約の義務を履行する過程で得られた専門的知識を利用する。

締約国は、可能な場合には、以下のことを行なう。

行動44 条約第6条で定められた義務を履行し、支援を必要としている締約国の要請に速やかに応える。その場合、2009年に初めて迎える地雷除去期限を考慮に入れる。

行動45 適切な地雷対策を広範な人道、開発支援プログラムの中に組み込むなどの方法によって、コミットメントを継続的なものにする。それらは、長期的計画の地雷対策や被害者支援プログラムを促進させるための複数年に渡る資金提供や、最も発展が遅れている締約国の特別のニーズや状況に注意を向けた支援、地雷対策を優先事項として維持することである。

行動46 非国家主体の支配下にある地域で地雷の影響下にある住民を支援するため、地雷対策への援助を継続する。特に、条約の規範の遵守に同意する非国家主体の支配下にある地域へ支援を行なう。

すべての締約国は以下のことを行なう

行動47 締約国にとって地雷対策が国連ミレニアム開発目標の推進にとって不可欠であることを認識し、国家開発協力機構を含めることが可能で適切ならば同機構を含めた国際的な開発コミュニティーが地雷対策において重要な役割を果たすよう奨励する。

行動48 条約の義務の履行上、支援を必要としている締約国を援助するために、国連や地域機関、世界銀行、地域の開発銀行、金融機関を促すために、適切な機関の意思決定体を参加させる。特に、国連統合アピールプロセス(UN Consolidated Appeals Process)への地雷対策の統合を進め、また世界銀行や地域開発銀行、その他の金融機関が締約国に対して地雷対策のローンやグラントの機会を知らせる。

行動49 地域レベルの協調を強化する手段を発展、強化させることで、条約の履行を進め、資源、技術、専門知識を効果的に共有する。また、地域機関の協調を進め、異なる地域間での相乗効果を高める。

行動50 技術、物質、資金などの面で条約の実施を進める活動ために、支援の新たな方法を探る努力を行なう。

B.透明性と情報の交換                   (訳:長有紀枝)

7.       条約の実施・手続き・連携の伝統を支えてきた重要な柱は、公式・非公式を問わず

透明性の確保と自由な情報交換であった。またこうした特色や取り決めこそが、軍縮上、人道上、多大な意義をもつこの条約の重要な基礎を形作った。締約国は、2005年−2009年の間に自らの義務を履行し、本文で提示される行動や戦略を効果的に遂行するために、透明性の確保と効果的な情報交換は、同様に重要であることを認識する。

この目的のために、

全ての締約国は、以下のことを行う。

行動51 第7条に基づく初回年次報告を行っていない5カ国に対し、速やかに報告書を提出するよう促すとともに、これら報告書の提出先である国連事務総長に対し、未提出の締約国に報告書提出を呼びかけるよう要請する。

行動52 特に、未だに貯蔵地雷の破壊や埋設地雷の除去、地雷犠牲者の支援、あるいは第9条で定められた立法上その他の措置をとることが必要な締約国においては、7条に基づき透明性のための報告書を毎年更新するという義務を履行し、条約実施を促進する手段として報告書を最大限利用する。

行動53 特に要求されているわけではないが、被害者支援の情報など条約の実施プロセスの助けとなる事柄についての情報を、報告書の「様式J」を通じて提供するなど、7条の報告プロセスの柔軟性を最大限活用する。

行動54 3条の例外規定に基づいて地雷を保有している締約国においては、地雷の探知、除去又は破壊の技術の開発及び訓練のための対人地雷の保有を必要とする計画について情報を提供し、保有地雷の使用につきその実例と結果とを報告する。

行動55 引き続き効果的かつ整合性のある条約の実施を促進するため、条約の1条、2条、3条を含む種々の規定について、実際の運用に関して協力的かつ非公式の意見交換を行い、経験を共有する。

行動56 計り知れない価値をもつ、ICBLICRC、国連、GICHD、地域機構による条約への貢献を引き続き奨励する。

行動57 未加入国、特に条約の趣旨や目的に賛同を表明した未加入国に対し、自主的に透明性措置の報告書を提出し、条約の作業に参加することを奨励する。

行動58 条約の実施を推進するために、締約国や地域機構、その他の機構が自主的に地域別・分野別会議やワークショップを主催するよう奨励する。

C. 禁止事項の予防・抑制と遵守の促進            (訳:長有紀枝)

8.       条約の遵守を確保する主要な責任は各締約国が負うものであり、従って第9条は

締約国がこの条約によって禁止されている活動であって、自国の管轄若しくは管理の下にある者によるもの、又は自国の管轄若しくは管理の下にある領域におけるものを防止し及び抑止するため、立法上、行政上その他あらゆる適当な措置(罰則を設けることを含む)をとることを要請している。さらに、締約国は第8条の遵守に関連する問題を促進し、明らかにするための様々な集団的措置をこの条約が保持している点を認識する。20052009年の期間においては、締約国は、引き続き、個別的かつ集団的に、条約の遵守を確保する責任があるという認識を持ち続ける。

この目的のために、

全ての締約国は、以下のことを行う。

行動59 9条の義務を履行するため、可能な限り早急に第9条に基づく立法上、行政上その他あらゆる適当な措置を策定し、実施する。これにより、条約の完全なる遵守に貢献しつつ、第7条で義付けられた年次報告書の更新を行う。

行動60 国内の実施措置の策定にあたり、支援が必要な場合は、その必要をICRCやその他適当な機関に知らしめる。

行動61 できる限り早急に、条約の禁止事項と義務とを各国の軍事政策に統合すること。

 国内の実施措置を履行している締約国は、この条約で禁止されている活動に従事した個人の告発や処罰を通じて以下のことを行う。

行動62 第7条の報告書や会期間活動を通じて、実施措置の適用に関する情報を共有する。

 全ての締約国は以下のことを行う。

行動63 第9条で定められた手段を通じても、遵守に関する重大な疑惑を解決できない場合、8条の協調の精神に基づいて問題を明らかにし、また状況に応じ、国連事務総長に第8条で定められた措置をとるよう要請する。

行動64 武装した非国家主体が締約国の管轄又は管理の下にある地域で活動している場合、非国家主体もこの条約の遵守を義務付けられていること、また、第9条によって定められた国内の実施措置に従い、条約の違反に対し説明責任を負っていることを明らかにする。

D. 実施支援                         (訳:林 明人)

9.条約の完全な実施と効果的な機能はさまざまなメカニズムと構造を通して強化されてきた。それらのメカニズムや構造は、条約内にすでに存在するものや、締約国の決定によって確立されたものや、非公式に実現しているものなどである。締約国の実施メカニズムは2005年から2009年の間も重要であり続ける。特に、ナイロビ行動計画の実施は重要であり、締約国は行動計画の支持を約束する。

この目的のために、

すべての締約国は以下のことを行なう。

行動65 効果的で透明性のある会議の準備を進めるため、調整委員会の取り組みを支援する。

行動66 実施支援ユニットを通して、またスポンサーシッププログラムを運営することによって常設委員会を開催するGICHDの貴重な支援を最大限利用し続ける。

行動67 GICHDとの合意に基づいて、実施支援ユニット(ISU, Implementation Support Unit)の活動のために必要な資金の自発的な支援を継続する。

行動68 締約国会議開催の支援を行なう国連の重要な役割を再確認する。

行動69 特別なニーズに応えるため設立されたコンタクトグループのような非公式のメカニズムを有効に利用する。

締約国は、可能な場合には、以下のことを行なう。

行動70 スポンサーシップ・プログラムに自発的な支援を行なうことにより、条約に関する会議において多くの意見が反映されるようにする。特に、地雷被害国であり発展途上国の締約国は自国の地雷問題に対する問題点、計画、進展、支援の必要性について情報を共有すること