1.4.2 条約1,2,3条に関する外務省回答
北川泰弘
2005年1月18日夜、外務省軍縮不拡散・科学部長、天野之弥大使とNGOの懇談会において、Article1,2,3について、時間を掛けてなら議論をするつもりがあるか、質問したのに対する天野大使の答えは、議論をしてもよいが、To assist, Provide securityについては一歩も譲れない、というものであった。
条約第1条c項の冒頭のTo assistの解釈はかねて議論の的である。しかし、Provide securityの出典が判らなかったので、翌朝、内川通常兵器室長に電話で尋ねたところ、2004年2月9日付けのICBL Landmine Monitor Fact Sheet の第1条関連報告Joint Military
Operationの1ページ目の表の最後の行に記載してあるとのことであった。
表の中には、締約国が非締約国と共同作戦行動をとるときに禁止されるべき行動が列記してあり、その最後がProvide security or transport for antipersonnel mines.である。securityでは譲れなくとも、transportでは譲れるのか? と尋ねたのに対して、そういう細かい議論でなく、このリスト全部に対して議論は出来ない、とのことであった。従って、exchange viewsをしても、議論をする気はないと判断した。
外務省は第1条関連の Fact Sheetに関心を払っているに対し、第2、3、4、7、9条関連のFact Sheetには関心を払っていないように見える。 Provide security or transport for antipersonnel mines.について議論をしたくない、というのは在日米軍に対する大きな配慮からであろうという見方があり、それが最も的を射ていると考えられる。
以上
註:Fact Sheetは、2004年2月9日付けのものが、第1,2,3,4,7,9条関連が、この資料集のファイルNo44からNo.49に夫々収録されている。次の版は2005年2月に発表されるものと期待される。