2004年版ランドマイン・モニター報告書では、2003から2004年の日本の地雷廃絶への取り組みとともに、オタワ条約が発効した1999年から2003年までの5年間の日本の取り組みが総括されている。ここでは、2004年ランドマイン・モニター報告をもとに、最近5年間および03〜04年の日本の地雷問題への取り組みの中で、積極的な点と消極的な点の2つの側面について主要なポイントを紹介する。
最近5年間の取り組みの中で、日本は条約の履行や地雷対策への援助という側面で積極的に活動しているのに対し、条約の強化の面では消極的な態度を示している。条約の履行の面では日本政府は2003年2月に保有対人地雷985,089個を廃棄し、その義務を果たした。また、日本政府は1998年から2002年の間に104億8000万円を地雷対策援助に拠出し、1997年の条約調印式で表明した5年間で100億円の援助を行うという約束も果たした。一方で、条約の強化という面では、条約1、2、3条の強化が議論されてきたが、日本は条約の強化には反対の立場を明確にしている。
2003年も日本はこれまでと同様に地雷対策へ多額の援助を行っており、その額は23億1000万円であった。これは2002年の58%減であるが、世界で2番目の援助額であった。2003年の日本の援助は地雷探知・除去技術の研究開発の占める割合が他国よりも多く、地雷生存者への援助は行っていない。地雷対策への積極的な支援の反面、条約の強化の面では2003、2004年を通して日本は反対の立場をとっている。2004年に開かれた条約の一般運用状況常設委員会で、条約の強化についての提案書が提示されたが、日本政府は条約の強化は条約への新たな参加国の意欲を阻害することになると述べ、反対の意を表明した。また、個別の条項の強化についても日本政府の回答は否定的なものであった。さらに、地雷対策への援助についても新たな5カ年計画は作成されておらず、見通しは不透明となっている。
日本では、政府以外にもNGOがアジア地域を中心に積極的に活動している。地雷生存者や地雷回避教育への資金的な支援の他に、現地での職業訓練センターや医療センターの運営も行っている。また、実際に現場において地雷・不発弾の除去活動を行っているNGOもあり、技術的な支援も行っている団体もある。さらに、日本国内においても地雷問題の啓発活動を行なうNGOが多数存在し、地雷問題を広める重要な役割を担っている。(林 明仁)
(JCBL会報32号2005年2月のP.13の表参照)