トピックス 2001


<もくじ>
4月26日スーザン・ジョージと反グローバリゼーション運動を考える集い報告
第2回世界フォーラム報告
2月19日WTO学習会&第1回例会
「反グローバリゼーション民衆運動」 アタックの挑戦 好評販売中
ATTAC Japan (アタック・ジャパン)首都圏が設立されました


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 ■スーザン・ジョージと反グローバリゼーション運動を考える集い報告
 『WTO徹底批判』発刊される!スーザン・ジョージ 著/杉村昌昭 訳 (作品社) 1300円+税


 昨年末大阪と東京で同時に結成されたATTAC Japan を中心として、スーザン・ジョージの本の出版を記念しつつ、世界の反グローバリゼーション運動の実態を参照にしながら、今後日本においてどのような取り組みを行うべきかを考える集いがもたれました。新自由主義的グローバリゼーションによる世界の一大「帝国」化に対して、それぞれの立場から「もうひとつのグローバル化・もうひとつの世界は可能だ」と考える多くの人たちが参加してくださいました。東京では、会場あふれる大盛況で、150名以上の方が参加しています。

 グローバリゼーションがキーワードとなったのは、1996年の主要国首脳会議(リヨン・サミット)からだと言われています。新自由主義的な経済のグローバル化は、一方で地球上の貧困地域を拡大し、富める国々と貧しい国々との途方もない格差を生み出しました。他方で97年のアジア通貨危機をもたらしたヘッジファンドに代表される巨額な金融資本が、地球を食いつぶす怪物のように世界経済をかく乱し危機に落しこむまでに成長してきました。

 このような弱肉強食の経済社会に対して、99年末のシアトルでのWTO(世界貿易機関)第3回閣僚会議に抗議する運動を皮切りとして、反グローバリゼーション運動が世界的に強まってきました。前年には、ATTAC(アタック:市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション)がフランスで設立されています。そしてこの運動は、昨年7月のジェノバでの闘いで頂点を迎えました。しかし、9.11テロ事件という反動を経験しましたが、今年1月末からブラジル・ポルトアレグレでの世界社会フォーラムには全世界から8万人も結集するなど、再び大きな盛り上がりを示しつつあります。

 このような状況の中で、この間多国籍企業や経済のグローバル化の問題に警鐘を乱打してきたスーザン・ジョージが、著書『WTO徹底批判』を作品社より出版することになりました。彼女はまた、ATTACフランスの副代表でもあり、今日著作活動のみならず運動面でも活躍しております。 

 さて、スーザン・ジョージのこの本は単に理念的なWTO批判にとどまらず、グローバリゼーションという流行語になった言葉の裏で、世界で現実にどのような事態が進行しているのかを分析しております。それは、一言で言えば世界中のいたるところで市民社会と民主主義がとてつもない危機に陥っているということです。そしていうまでもなく、こうした世界共通の問題にどう立ち向かい、取り組んでいくのかが、いまや国際運動としての「もうひとつのグローバル化」のための運動に鋭く問われています。              
                                                                       
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■ 2月19日WTO学習会&第1回例会報告
 経済のグローバル化に異議を申したてる運動の重要課題のひとつとしてWTO(世界貿易機関)に反対する活動があります。99年シアトル閣僚会議での闘いが反グローバリゼーション運動に火をつけましたが、昨年11月のドーハ閣僚会議は開催場所が場所だっただけに大規模なデモ等は起こりませんでした。しかし、ヨーロッパではイタリア、フランスで万単位の抗議デモが行われるなど――30以上の国々で抗議行動取組まれる――、9.11テロ事件以降反グローバリゼーションの運動は復活しつつあります(フランス各都市のデモ写真は http://attac.org/nonewround/photo/ に掲載)。ところが、この日本ではデモはおろか集会さえ開けませんでした。このことを反省しつつATTAC Japan 運動として反WTOの活動に取組んでいきたいと思います。

 2月19日にはその第一歩として、NGO側でWTO問題に詳しい佐久間智子さん(元市民フォーラム2001事務局長)を講師に迎え、学習会を行いました。内容は、

1) ドーハ閣僚会議は何をもたらしたか?
2) サービス貿易(GATS)は今後どう動くか?

 とくに、2)は主要なサービス部門をことごとく自由化していくということで、水道、郵便、電気通信、廃棄物、公共交通などの公共サービス部門、教育、医療、介護などの社会サービス部門を民営化、自由化していこうというものです。

 

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■「反グローバリゼーション民衆運動」 アタックの挑戦 ATTAC編/杉村昌昭編/柘植書房新社好評販売中

◆書評 「反グローバリゼーション民衆運動 アタックの挑戦」
 ATTAC編/杉村昌昭訳
 2001年11月7日、つげ書房新社発行、1800円

 ATTAC(アタック;市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション )は、1998年6月にフランスでつくられたとても新しい運動体だ。それが急速の拡大し、国内では3万人の会員と、220から230の地域組織をもつまでになった(2001年)。さらに、アタック運動はヨーロッパ各国はもとより、アフリカ、ラテンアメリカなど第三世界にも拡大し、全世界からのウェッブサイトへのアクセスが月に80万にものぼっている(2000年)。アタックは、今年1月ブラジル・ポルトアレグレでの世界社会フォーラムを呼びかけるとともに、最近では7月のG8ジョノバサミットに抗議しての20万人以上が参加したフォーラムやデモの中心団体としても活躍した。

 なぜアタック運動がかくも短期間のうちに拡大してきたのか? そもそもアタックの主張は何であろうか? どうして国内だけでなく国際運動として発展したのか?

 これらの質問にあますことなく答えているのが、本書である。そのキーポイントの一端は、すぐに最初のページで示されている。それは、アタックのオリジナリティーとして次のふたつが挙げられる。

 ひとつは、社会運動と知識人が合流したことである。この10年ほど、失業者やホームレス、移民などマイノリティーの運動が活発化してきたが(実はそれを強力に支援してきたのがSUDなどの新しい労働組合である−−クリストフ・アギトン/ダニエル・ベンサイド著『フランス社会運動の再生』つげ書房新社刊参照)、それらの社会運動と『ル・モンド・ディプロマティック』などの新聞や報道機関が合流した。

 もうひとつは、組織形態のユニークさにある。それは、きわめて自律的な個人会員からなる地域組織と全国規模の組織の接合という形態である。

 もとより、これらはたいへんユニークとはいえフランス的要素であり、これだけでは国際規模の運動にはなり得ない。それを可能にしたのは、その活動目標に現代的普遍性があったからではなかろうか。つまり、「金融界の利益のために失われた民主主義的空間を世界的規模でつくりだそう」という主張である。

 今日の市場原理主義的グローバリゼーションの推進力は、一夜にして一国の経済崩壊をもたらしかねない国際金融システム、とりわけ短期的利益を求めて世界を駆け巡る投機的資金である。アッタクは、これを規制するため、すべての外国為替取引に対し一定の率で課税するという「トービン税」の創設を主張する。また、運動が広がるにつれ、アッタクはトービン税に限定するのではなく、金融システム全体の支配を問題にし、それに抗して民主主義的な意思決定システムを奪回しようと主張する。

 本書はまた、様々な社会運動アクターが、自分たちの運動課題を超えて共通の目標のもとに−−つまり、カジノと化した国際金融システムの支配から民主主義的空間を奪回しよう−−結集し、先進国と途上国をつらぬき世界各地で行動するたたかいのリポートでもある。とりわけ、「韓国『逮捕決死隊』三人がフランスでおくった十日間」というリポート−−韓国・大宇自動車のキム前会長を逮捕するために逃亡先のフランスに渡った韓国労働者をアタックが全面支援した−−は、“忘れられないパリ市民の深い連帯”とあるように、実に感動的である。





■ATTAC Japan (アタック・ジャパン)首都圏が設立されました
          

◆◇◆----設立にあたっての御礼とお願い----◆◇◆

各位 様
ATTAC Japan(首都圏)事務局長  田中徹二

 12月9日、ATTAC Japan(首都圏)が設立されました。これまでご支援していただいた個人・団体のみなさまに心より御礼申し上げます。この日は、フェミニズムの運動では世界的に著名な方で、かつATTACケルン(ドイツ)のメンバーであるマリア・ミースさんから連帯のことばをいただきました。また、日本で社会運動を進める各団体の人たちからも報告と連帯のあいさつをいただきました。

 ミースさんは次のような報告を行いました。ドイツのATTACは実質的には今年のはじめにつくられたこと、最初はトービン税要求だけの運動だったが、多くの人々が関わることにより新自由主義的グローバリゼーション全般に異議申立てをする運動を行うようになってきたこと、現在ドイツでは60都市を超えてATTACがつくられていること、です。続いて、9月11日のテロ事件があった後、10月にベルリンでATTACの全国集会が行われたことに話が及び、2000人が集まったこの集会には若い人の参加も多く学生運動の高揚がはじまるような熱気に包まれたこと、というような報告でした。欧州では、フランスや北欧諸国でATTAC運動が拡大していますが、これに続いて、最大の金融・経済大国ドイツでもATTAC運動の高揚がはじまろうとしているとのミースさんの報告に、私たちは本当に"元気"をもらいました。

 各社会運動団体からは、?「日韓投資協定NO!の運動」を日韓投資協定NO!緊急キャンペーンの土松克典さん、?「多国籍企業に対する共同行動」をフィリピントヨタ労組を支援する会の遠野はるひさん、?「国家規模による民営化攻撃との闘い」を郵政全労協の横山喜一さん、?「移住労働者の現状と支援の闘い」を滞日外国人と連帯する会の棚原恵子さん、?「山谷労働者からの報告」を山谷争議団の荒木剛さん、?「狂牛病・遺伝子組換え作物に反対する運動」を食政策センター"ビジョン21"の安田節子さん、?「グローバリゼーションと日本農業」をアジア農民交流センターの大野和興さん、?「反戦闘争・アジア平和連合統一行動呼びかけ」を新しい反安保実行委員会?の国富建治さん、がそれぞれ連帯のあいさつを行いました。

 ATTAC Japan (首都圏)は何をめざすのか。それを一言で言えば、今日の弱肉強食の経済である新自由主義的グローバリゼーションによって奪われた"雇用、福祉、社会保障、人権、文化、環境、自治、平等など"を実現していく民主主義的空間を奪回することにあります。
それは同時に民衆による下からの意思決定機構を構築することでもあります。

 そのための一手段として、巨額な投機的国際金融取引に対して重税を課そうとするトービン税要求が有効です。おりしも一月前の11月19日フランス国会は最高0.1%のトービン税をかける原則を採択しました。もし、全世界で0.1%課税が実現しますと、年間に約1660億ドルの税収が得られ、これは途上国での最悪の貧困を解決するために必要な額の約2倍もの資金となります。世界を駆け巡る投機的資金と並んで経済のグローバル化を推進しているのは、多国籍企業やWTO(国際貿易機関)などの国際経済機関です。これらに対する監視と異議申立ての行動の強化をめざしていきます。

 私たちはまた、 日本の社会運動がバラバラに行われるのではなく、反グローバリゼーションの視点からのネットワーク化をめざします。
そして高揚する世界の反グローバリゼーション運動と意識的結合をめざします。
 
 ATTAC Japan (首都圏)は、今後の主な活動として、来年1月31日から2月4日にかけてブラジルのポルトアレグレ市で開催される第2回世界社会フォーラムに参加します。また、4月もしくは5月に「マクドナルド解体事件」で著名になったフランス農民同盟のジュゼ・ボヴェ氏を招へいし、全国で反グローバリゼーションの集会を開催していく企画を立てています。

 つきましては、みなさまに私たちの運動の主旨にご理解をいただき、ぜひ会員になっていただくことを訴えます。会員は、所定の会費を納入された時点で確認し、趣意書や規約を送付致します(前もって、ご希望される方はお申し出下さい)。

もちろん、カンパは大歓迎です。ともに希望と未来を取り戻す運動に参加しましょう。

◎会費:個人年間一口3000円以上、団体年間二口6000円以上
◎郵便振込:口座番号:00150-9-251494
  加入者名:アタック・ジャパン

<ATTAC Japan(首都圏)連絡先>
・〒113-0001東京都文京区白山1-31-9 小林ビル3F ピースネット気付 
   ・TEL:03-3813-6492 
   ・FAX: 03-5684-5870(アタック宛と明記)

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