第12  2004年8月17日

 

ホテル労働者のデモ 当日夜10時半逮捕者全員が釈放される


みなさん

前回の通信、非暴力・市民的不服従行動について、何人かの方からご感想をいただきまして、ありがとうございました。今回も金曜日のホテル労働者のデモの続きです。

高須裕彦


ホテル労働者のデモ 当日夜10時半逮捕者全員が釈放される

 8月13日のホテル労働者のデモの解散地点で取り組まれた非暴力・市民的不服従行動で逮捕された40名余全員が、当日、夜10時半に釈放された。約4時間の拘束だ。逮捕されたビクター・ナロー(UCLAレイバーセンター・プロジェクトディレクター、弁護士資格あり)によれば、逮捕後、身体検査をされ、ロサンゼルス市警本部に移送され、指紋を採られ、尋問などを受けた後、10時半に全員釈放された。


  逮捕されたレイバーセンターのビクターナローさん

 また、HEREは事前に非公式にロサンゼルス市警に連絡を取り、行動内容を知らせ、ロス市警は行動趣旨を理解した上で、対応しているそうだ。ロサンゼルスで、1990年6月15日に、センチョリーシティの道路を占拠したジャニター(ビル清掃労働者)たちのデモをロス市警が無防備のデモ参加者を一方的に警棒で乱打するなどの過剰弾圧した事件(映画「ブレッド・アンド・ローズ」に、労働者たちがそのビデオを見る場面が出てくる)をきっかけに、ロス市警のデモ警備のあり方が批判され、その後10年余の間に、ロス市警の対応が大きく変わったという。ただし、これは、ロサンゼルスだけの例外で、全米の他の都市では、このようにはいかず、あいかわらず、過剰な暴力的弾圧が吹き荒れているとのこと。

 前回、詳しく書いたけれども、解散地点での24のベッドメイキングのパフォーマンスは、組合員のみならず、コミュニティや他の組合の人たちに、ホテル労働者の直接目に見えない仕事を見える形で見せる、8時間で24の部屋の清掃とベッドメイキングをやると言うことは、一部屋20分以下でやらなければならない、客が部屋から出てくれないと清掃できないから、順番に清掃できるわけでないし、どれだけ大変かを見せると言う意味ですばらしい。その彼女(50代ぐらいの小柄な女性でした)が逮捕されていく場面は、圧巻だった。

 当日夜のテレビニュースでも逮捕場面が報道され、翌朝のロサンゼルスタイムスのビジネス面のトップに、パフォーマンスをやった女性が逮捕される場面の写真が大きく掲載されていた。

 組合員の気持ちをひとつにし、同時に、コミュニティとの共闘関係を強化する、それを社会的にアピールする、象徴的行動として、非暴力・市民的不服従は重要な役割をはたしている。


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連絡先は以下のとおりです。郵便物・FAXはダウンタウン・レイバーセンターへ送ってください。ロサンゼルス滞在は10月31日までです。

大学
UCLA Downtown Labor Center
675 South Park View St. Los Angeles, CA 90057-3306
Tel: 213-480-4155x203(代表電話の後203を押せばつながります)
Fax: 213-480-4160

自宅
Tel: 213-384-1029(留守電もついています)