APWSL地域調整会議報告        2006/11/8-10

於  韓国クンポ市ケピコ労組・オサン移民労働者センター・サイバー大学

116日から12日に掛けて韓国でAPWSL地域調整会議が開催されました。20055月にマレーシアのクアラルンプールで開催された総会から一年半が経ち、この間の活動を振り返り次の総会までの活動を検討するための書記局三人と四人の各地域調整委員の集まりです。

 資金がない中でこの地域調整会議を提起し、準備したチャン・チャンウォン共同代表とAPWSL韓国委員会は大変な努力をされました。この地域調整会議は「アジア連帯の構築と国際主義の情報の共有化」と題された7日間の大きなプログラムでした。主催者はAPWSL韓国委員会とオサン移住労働者センターの二団体ですが、以下のような多くの団体が協力団体となっていました。

 レイバーネット韓国、ジンボネット、民主労総キョンギ支部、韓国労働福祉センター、キョンギフォーラム、ハンシン大学、スウォン女性労働者福祉センター、キョンギ道政府、韓国労働教育基金、ヨンドン労働研修センター

 それぞれの団体が資金も提供したのでしょうし、会議場や食事も各団体が準備してくれていました。ソウル郊外、地方都市の組合・団体が多く、海外からの訪問を受けるのがほとんど初めてらしく、歓迎されました。APWSLの国際連帯活動を広めようとする韓国委員会の熱意が伝わる取り組みでした。

 7日間のプログラムの最初の三日間は会議が中心で、残りの四日間はエクスポージャと12日の労働者大会参加が中心でした。第一目のテーマはレイバーネットなどのレイバーメディア、二日目はアジア労働運動の潮流と課題と題され、韓国、タイ、フィリピンが焦点となりました。三日目が地域調整会議そのものでした。私は仕事の都合で三日目終了後に帰国しましたので、この地域調整会議についてここで報告します。

 1   参加者

共同代表  チャン・チャンウォン 韓国

 同    グイニス・エバンス オーストラリア (欠席 ピエール・モロが代理出席)

調整委員  パラット・ナナコーン  タイ

東アジア地域調整委員  山崎 精一  日本

東南   同      テス・ジオキノ  フィリピン

ニュージーランドのキャロル・ブリッジェンスとスリランカのアントン・マルカスは欠席でした。議決権を持つ参加者は以上5人でしたが、次のとおりオブザーバー参加者が6人いました。

○ 日本  原田 恵子 ・ 高幣 真公 ・ 安田 幸弘(レイバーネット日本)

○ タイ  ティラパット(タイの帝人の子会社の組合代表)

 ゲオ(台湾で移住労働者運動に携わっている女性、ティラパットの通訳)

○ インドネシア  ジト (スラバヤの労働組合代表  韓国の招待で参加)

 この他にもちろん韓国からたくさんのオブザーバーが参加していました。その中にはインドネシア、ネパール、フィルピン、インドからの移住労働者や移住労働者組織のスタッフが多数おり、全体として国際色豊かな集まりでした。

 2  議事日程

 韓国から当初送られてきた日程では調整委員会議は8日の午前中の4時間だけでした。しかも、書記局で議題を準備している様子がありませんでしたので、事前に私の方から議題を提案し時間も一日取る必要があることを提起しました。その結果、午後にも引き続き開催する予定になりました。前日に打ち合わせをして議事進行を確認し、夜にも開催することになりました。実際には8日の夜9時半まで掛かっても終了せず、10日に続開することになりました。私は8日までしか参加しておらず、また議事録も届いていないので、主な討議内容と決定事項をここで報告し、必要があれば訂正加筆を後ほど行います。

 3  討議内容・決定事項

○ 調整委員の活動報告

    別紙参照

       会計報告

 200512月から20069月までの会計報告が調整委員より提出されました。この10ヶ月に1803.9米ドル支出し残額は19.1ドルでした。

 この会計報告が月締めの会計報告の形式になっているので年度別の会計報告を作ることが討議され、次の三点を確認しました。 

□ 調整委員は年度毎の会計報告を2004年度に遡って作成する。

□ 会計年度は7月に始まり6月までとする。

□ 調整委員は予算案を作成する。

       各国報告

 韓国、日本、タイ、フィリピンから文書による報告が提出されました。

       ニュース

 APWSLニュースは共同代表のグィニスが年四回作成することになっていたが、一度しか発行されませんでした。もう一号はパラットが香港WTOの後に作成しました。その後なぜ発行されなかったか、グイニスの代理のモロが持ち帰って調べることが確認されました。

       メーリングリスト

 管理人の山崎から使用状況と問題点の報告を行いました。参加者40人、一年四ヶ月の間の使用回数414(10カ国から)、問題点としてホームページに掲載すべき一般的情報が多いこと、個人宛のメールが流されていること。

 個人的メールに使用しないようにすることが確認されました。

       レイバーアジアのホームページ

 一日目の会議でレイバーネット韓国のイ・ヨングンさんからレイバー・アジアについての報告と、来年中にバージョンアップすることが提案されていました。この提案を受けて次の決定を行いました。

□ ホームページに関しては各国から今年中にウェブマスターを選出し、調整委員とレイバーネット・アジアに報告する。

□ 2007年以降、各国ウェブマスターはレイバーネット・アジアと協力してホームページのバージョンアップとウェブマスター会議の開催に向け努力する。

       調整委員の事務所

 バンコクの事務所と調整委員の手当の問題が討議されました。現在は事務所はなく、パラットさんが自宅で事務を執っており、月100米ドルが支給されています。パラットさんからは労働組合から事務室を貸してもらえるよう努力しているとの報告があり、参加者からは生活できる賃金を支給すべきだという意見が出ましたが、結論は出ませんでした。次の点だけが確認されました。

□ 調整委員は事務所をタイの労組から借りる努力を継続し、その結果を報告する。

       連帯カンパ

 2005年度 各国カンパ

日本  500米ドル  韓国 300ドル  ニュージーランド 125ドル タイ 30ドル

オーストラリア  書記局会議のために2000ドル支出

 2006年度 各国カンパ

日本 500ドル  ニュージーランド 250ドル  韓国 300ドル予定  オーストラリア 未定

 連帯カンパの最低限度額を定める、例えば20ドル、という議論がでました。しかし、クアラルンプール総会での決定は義務的なものではなくあくまでも各国の自由意志で決めるカンパであることをパラットが説明し、最低額は定めないことになりました。

       連帯行動

 APWSLとして取り組む連帯活動のリストを作ろう、その国での争議などを取り上げる時にはその国の委員会の同意が必要、この12月にフィリピンのセブで開催されるASEAN会議の平行会議に各国から参加してもらいたい、などと提起され議論されましたが、合意事項はありませんでした。

       次回の総会と書記局会議

 次回の総会は2008年の予定です。その前にその準備の書記会議をどこで、いつ持つかが議論され、次のとおり確認されました。

 20075月メーデーにバンコクで開催する。タイの政治情勢により不可能な場合はフィリピンが場所を提供する。

 ( 東アジア地域調整委員  山崎 精一 )

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