在留特別許可取得一斉行動

「出頭者の訴え」





「安心して暮らせる権利として在留特別許可を認めてほしい」

  出頭者代表 アデル・ゲイビ(イラン)


 日本に来て8年、APFSの活動にボランティアとして加わって5年目になります。これまで私たちは、在留特別許可は日本人と結婚した人にだけ与えられるものだと思っていました。でも、そうではなく、日本に何年も暮らし、生活のベースができている人たちにも安心して暮らせる権利として認めてほしいと思い、今回の出頭を決意しました。
 今回の出頭者はみんな日本でまじめに働き、安定した生活をしている人たちばかりです。親に連れられて幼いときに日本に来た子どもや日本で生まれた子どもいます。日本の学校に行って日本語を勉強して…。子どもたちは自分の国のこと、習慣、食べ物、言葉も全然わかりません。また、日本で働いている中で大きなケガを負い、長い期間の治療が必要な人もいます。この人たちは国に帰ってしまうと日本のような高度医療による治療を受けつづけることができません。
 みなさん、どうかご支援よろしくお願いします。




「日本の文化や暮らしになれている私は、イランのことは何一つわかりません」

  (小6女子)

 私は4歳のときに日本に来ました。なので、イランのことは何一つわかりません。それに、イランの字も書けないし、言葉も少ししか話せません。今、6年生で、来年はもう中学生です。日本の暮らしや文化になれています。でも、イランのことは何もわからないのです。だから、今イランに帰されても、イランの生活について行けないと思います。それに、私の人生も狂ってしまうと思います。
 私は、イランから送られてきた写真を見て、涙が出てしまいます。私だって、ほかの友だちのように、夏休みなどにイランへ帰っておじいちゃん、おばあちゃん、いとこたちに会って、また日本に戻ってきたい。でも、私たちはビザを持っていないので、一度イランに戻ったらもう日本に戻っては来られないので、とても悲しいです。そんなとき、私は日本人の友だちたちがとてもうらやましくなります。
 それだけではありません。私たちはビザがないから国民健康保険にも入れません。風邪でもひくと、日本人の何倍ものお金を払わなければなりません。お父さんも、ビザがないために、1週間に2回、ひどいときには1ヵ月仕事がないときがあります。
 最後に言わせてください。私たち子どもは、何も悪いことはしていません。
 だから、子どもを泣かせないで下さい。




「日本で普通に暮らしていきたい。私たちが望んでいるのはそれだけです」

  (中1女子)

 私は6歳のときからAPFSと関わりを持ち、イベントにも参加するようになりました。私たちのこの状況のなかで、道は一つしかないことが、やっとわかったような気がします。たとえば外国から日本に来た動物がいるとします。その動物には日本に住む権利があります。しかし人間だと、オーバーステイというだけでその子どもにまで、たとえ日本で生まれ育っても住む権利がないというのはどういうことなのでしょうか 。
 もし私たちが国に帰ることになったら、今まで日本でやってきた勉強や、友だちや、日本の文化を知ること、こういった大切なことが中途半端なまま終わることになりかねません。私たちは、この国、日本で普通に暮らしていきたいだけなのです。それはいけないことなのですか。私たちオーバーステイの子どもたちがこういった考えを持つことはいけないことなのでしょうか。その答えを出すことが、私たちが力を合わせて今やろうとしていることだと思います。
 私たちは日本が好きです。これからも日本にいたい気持ちで胸がいっぱいです。




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ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY (APFS)