【声明】デモに対する過剰規制及び参加者の逮捕・勾留に抗議します

サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)の抗議声明です。以下のブログに賛同団体などの追加情報があります。



http://blog.goo.ne.jp/watch-summit/
【声明】デモに対する過剰規制及び参加者の逮捕・勾留に抗議します

2008年7月9日
サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)

 7月5日、札幌市内において「7・5チャレンジ・ザ・G8サミット——1万人の
ピースウォーク」が開催されましたが、これに対する警察の規制は極めて過
剰で、デモが平穏に行われていたことに対比して、著しく人権を侵害する態
様のものでした。沿道は、デモ参加者をカメラで撮影・記録する私服の公安
刑事で埋め尽され、また、デモの両サイドは、一般の市民がデモを見ること
を阻止するような形で、完全装備の機動隊によって包囲されました。
 しかも、警察官は、サウンドカーの窓ガラスを警棒で叩き割った上で、運
転席にいた男性をひきずり出して逮捕するなど、合計4名(うち、1名は記
者)を、公務執行妨害や道路交通法違反などを理由として逮捕勾留しました。
 このうち、記者であった1名は7月8日に釈放されましたが、検察官はそ
れ以外の3名につき、不当にも札幌地方裁判所に勾留請求し、8日に裁判所に
より3名に対する勾留決定がなされています。

 憲法は、市民が自らの表現を他人に伝達し、他人がその表現を受け取る自
由をも保障しています。この意味において、デモ行進は、集会の自由の一環
として立憲民主主義を支える権利としても手厚く保障され、その規制は必要
最小限度にとどまらなければなりません。
 しかしながら、今回の警察による過剰規制と不当な逮捕は、表現の自由を
踏みにじるものであると言わなければなりません。

 よって、私たちは4名の逮捕が憲法で保障された表現の自由に対する著し
い侵害であることとともに、逮捕の態様自体に極めて問題があるとして強く
抗議するとともに、3名についての勾留請求決定に対し異議を述べ、その即
時釈放を求めます。

〔声明に対する賛同団体〕
2008年G8サミットNGOフォーラム
G8サミット市民フォーラム北海道
G8サミットを問う連絡会