鄭 義憲(チョン・ウイホン)さんの入国拒否に対する抗議文

鄭 義憲(チョン・ウイホン)さんの入国拒否に対する抗議文

法務大臣  鳩山邦夫殿

 6月25日、韓国から関西空港に到着した韓国一般労組全国協議会元議長である鄭義憲(チョン・ウイホン)さんに、大阪入国管理局関西空港支局は入国を拒否する認定を行った。これに抗議し、鄭義憲さんは、即刻、法務大臣宛に、入管に入国認定を取り消し自らの入国を認めることを求める異議申し立て申請を行った。同時に、鄭義憲さんは、この不当な措置に対して抗議するとともに、法務大臣が、異議申し立てを受けて入国を認めることを求めるハンガーストライキに入った。また、彼を知る労組からの身元保証や国会議員を通じた抗議にも関わらず、26日朝には、法務大臣は異議申し立てを認めず退去命令を下し、昼には、鄭義憲さんは強制的に本国に送還させられた。

 私たちは、入国管理局・法務省が行った鄭義憲さんに対する入国拒否決定に強く抗議する。この入国拒否が、G8サミット警備を目的とした、日本政府・法務省による、まったく不当な政治決定・人権侵害であることは明らかである。

 そもそも韓国から連日、何万人もの観光客が到着する関西空港で「訪韓日程があいまいである」とか「泊まるホテルが予約されていない」というような些細な理由で、鄭義憲さんを長時間に渡り別室で監禁したことは重大な人権侵害である。さらに、出迎えの者が、滞在日程や宿泊先について説明し、入管職員も宿泊予定施設に直接電話をかけてその宿泊予定が事実であることを確認したにも関わらず、最後まで「観光目的があいまい」などという口実で、真の弾圧目的を隠蔽したまま入国を妨害した。

 今回の鄭義憲さんに対する入国拒否決定が、G8サミット警備を目的とした不当な政治弾圧、人権侵害であることは明白である。日本政府は、すでにこれまでにも、G8サミットに批判的な海外からの入国希望者に対して、さまざまな口実を使って不当な入国拒否を重ねてきた。7月、洞爺湖でのG8サミット首脳会談を前に、日本政府によって、海外からの入国希望者に対するこうした不当な人権侵害・政治弾圧が重なるならば、それは極めて重大な事態である。

 私たちは、鄭義憲さんに対する今回の入国拒否の決定に強く抗議する。また、日本政府・法務省がこうした不当な入国拒否政策を即刻中止することを要求する。

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