【報告】花吹雪とともに「南」と「北」の連帯マーチ《take1》吹き抜けるG8開発大臣会合に抗議

花吹雪とともに「南」と「北」の連帯マーチ《take1》吹き抜ける
G8開発大臣会合に抗議

4月5日、ぽかぽか陽気の土曜日。六本木の三河台公園から「北と南の連帯マーチ《take1》」が始まりました。(写真はSTOP!G8から)

「参加者よりも多いかな〜」とか思いながらプラカードや旗ざおなどを準備していると、「これなんすか?」とビール片手におにいさんが話しかけてきました。公園の中で花見をしているグループでした。「G8って北海道じゃないんですか」「もうやるんですか」など、ほろ酔い加減もあったのかもしれないですが、なんかフレンドリー。「今日は東京でG8の大臣が集まって会議をやってるんで、抗議のデモをするんですよ」と説明しました。

「そうっすか。よかったらあっちで花見やってるんでどうですか?」と誘ってくれましたが、主催者がデモまえに酒を飲むのもなぁ、ということでありがたくお断り。「ところであれ、なんすか?」とお兄さんの指差したほうにはいつになく多数の公安警察。「なんか花見まで監視されてるようでいやっすよね」と不満を語っていました。花見とデモの監視するな!

お兄さんからは「ほんと皆さんみたいな人がいるから、俺ら気楽に花見なんかできるんっすよね。がんばってください」と激励をうけました。幸先いいぞ!

そうこうしているうちに、デモ参加者も集まりだしたので、出発前の集会を始めました。時間もないので、賛同を頂いた団体からの連帯アピール。最初は脱WTO/FTA草の根キャンペーンとして日本消費者連盟の山浦康明さん。企業利益と大国の利害優先の貿易ルールを決めようとしているWTOやEPA(経済連携協定)などの問題を、中国製冷凍餃子の問題から提起。日本の商社などによる企画・開発と貿易自由化が問題の根底にあると批判しました。また禁止された農薬が「農業援助」ということでアフリカに送られて深刻な環境汚染を引き起こしていることなども報告し、「援助」といわれるものの実態を批判しました。

つづいて「持たざる者」の国際連帯行動実行委員会から荒木剛さんがアピール。午前中にG8開発大臣会合の会場へ申し入れを行おうとしたが、無数の制服私服警官らによって妨害されたが、外務省の担当に申し入れ文書を手渡したことが報告されました。「持たざる者」の国際連帯行動実行委員会では、G8サミットに向けて、地域で支えあいながらたたかっている仲間たちとともに世界の持たざる者と連帯する取り組みを考えている、G8諸国の中でも貧困は広がっているなどをアピールしました。

続いて「南」と「北」の連帯マーチらしく、フィリピンからの参加者の発言。日本のNTTグループが20%の株式を保有しているフィリピン長距離電話会社(PLDT)が正規職労働者575人を大量解雇したことに抗議するために来日していたPLDTの労組MKPと、MKPが加盟するナショナルセンターであるマカバヤン(民衆解放をめざす労働者連盟)の二人が参加してくれました。発言はマカバヤンの仲間からでした。G8が支配する世界構造自体が問題であること、中東での戦争・占領を続けている米国主導の世界秩序を強制するG8に東京で抗議行動
ができることの意味など、力強いアピールを行いました。

フィリピンから来た2人は、これに先立つ4月3日、首都圏の中小を中心とした労働組合による「けんり春闘」のなかで、長年連帯してきたフィリピンピースサイクルやNTTの労働組合である電通労組といっしょに、NTTに抗議の申し入れも行っています。経済や債務を通じた日本とフィリピンの支配関係が、そのまま資本の関係にも反映している事例だとおもいます。

そんなこんなでデモ出発の14:00になりました。花見に後ろ髪を引かれつつ連帯マーチはスタート。参加者は50人。「温暖化対策を言うなら戦争をやめろ」「G8は原発推進をやめろ」などを訴えて街頭を歩きました。ぽかぽか陽気のなか、歩道を埋めつくす私服公安警察(制服警官より多い)を横目に、元気よくコール。驚いたのが報道関係者に対する警察の圧力。そんなに報道されるのがいやなのか、いちいち介入していました。デモは権利、報道は自由!

デモコースは会場からは離れていましたが、ロシア大使館やアメリカ大使館の近くを通りました。「ロシアのチェチェン侵略を許さない!」「米軍はアフガニスタン、イラクから撤退せよ!」のコールも忘れずに。

1時間ほどでデモ解散地点の日比谷公園に到着。出来立てほやほやの「横浜でG8とTICADを考える会」の京極紀子さんから今後の取り組みについて案内がありました。5月28日から30日の日程で横浜で開催されるアフリカ開発会議(TICAD)に向けた取り組みをはじめたい、4月21日には「G8とアフリカ開発会議がもたらすもの」をテーマにした学習会がある、TICADでも何らかの取り組みをしたいなどのアピールを受けました。

デモ解散後、日比谷公園の桜の下で、「G8開発大臣会合を問う『南』と『北』の連帯花見」を行いました。杜氏の親戚がいる、とわざわざ一升瓶をもって参加してくれるほど連帯花見に気合をいれてくれる参加者も。薄暗くなった日比谷公園の桜を見上げながら、どうせ散るならG8が散れ、と思いを強くした次第です。

世界中に、ふたつ、みっつ、数多くの連帯マーチを!

(文責:稲垣 豊)