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『ACT―市民の政治―』124号(2000年6月26日)

Line Up

◆辛口レビュー 南北首脳会談を祝す 梁官洙さん(大阪経済法科大学客員教授)
◆CATCH UP
◆いずみ(編集長コラム)
◆南北首脳会談 統一にむけた歴史的な3日間
◆ニュースの焦点 「神の国」発言の意味―日本国家再定義の時代へ
◆豊島産廃問題 公害調停成立―島再生への第一歩
   渡辺さと子(香川県議)  石井亨(香川県議/廃棄物対策豊島住民会議)
◆部落解放運動・荊の道はいま(1)  笠松明広(解放新聞編集長)
   「特別措置法」と反差別共同闘争
◆福祉都議に聞く「石原都知事の防災演習計画」
◆田中良太のコラム・ゲバ太の怒り(6) 大勢順応の専門家たち
◆裁判官任官拒否国倍訴訟に不当判決
   欺瞞に満ちた「公正らしさ」論  神坂直樹(原告)
◆市民派議員リレートーク(11) 山田明美(北海道当別町議)
◆ECOひいき @東京・田島誠三オリジナルTシャツ A横浜・草木土
◆旅 2000年の田舎(6) 「めだかの学校」のいま
◆韓国 あれやコリア(2) 南北首脳会談に酔う人びと
◆BOOK Review
   『女たちの便利帳3』(発行:ジョジョ企画 発売:教育史料出版/2800円+税)
◆広告(3面) 遠藤・萬場総合法律事務所
   図書新聞
   『創』6月号ほか……創出版
   『記録』7月号ほか……株式会社アストラ


辛口レビュー

快挙に飲まずしておれるか
梁 官洙さん
(大阪経済法科大学客員教授)

民族が主人公の自主的統一
にむけた大きな第一歩印す

生きて闘ってきて本当に良かった

梁官洙さんプロフィル
ヤン ガンス 1950年、韓国全羅南道珍島生まれ。71年、ソウル大学入学。在学中に学生運動、民主化運動に邁進し、3度の除籍復学をくり返すも、76年の3度目の除籍処分を機に中退。79年、YMCA事件(偽装結婚式の不法集会)で戒厳令違反。1年半、下獄。出所後、大衆食堂経営などで活動拠点をつくる。82年2月、恋人の在日韓国人、金恵栄さんを頼って来日、大阪市生野区居住。結婚し、二男とともに4人家族。桃山学院大学学士入学、大阪市立大学博士課程修了。現在、大阪経済法科大学客員教授。国際経済学会、高麗学会会員。著訳書に『韓国民族民主運動の軌跡』『全記録ソウル労連』『韓国資本主義論争』『韓国社会論争』など多数。

 6月13日から15日まで平壌でおこなわれた歴史的な南北首脳会談。朝鮮半島の二つの分断国家は、着実に統一にむけた共同の道を歩みはじめた。東アジア情勢が劇的に変化しようとしている今日、「わが日本」は…。[6月18日 文と構成/小寺山康雄]

 ――何はともあれ、あめでとうございます。今の気持ちを率直に聞かせてください。

 6月13日に金大中大統領が平壌空港に降り立ち、金正日総書記と握手を交わしてから、最初の日は妻と二人だけで乾杯しましたが、翌日から昨日まで毎晩、猪飼野にくり出し早朝まで祝杯をあげる日が続きました(笑)。

 ――肝臓に爆弾かかえているのに、そんな無茶な!

 (厚い胸板ドンと叩き)譬えこの身が酒毒に害されようと、この歴史的快挙に盃を傾けずして何が人生よ(爆笑)。

 ――そうこなくちゃ、ヤン・ガンスじゃないよ。早く終わりにして焼肉屋に行こう。ぼくもそのつもりで琉球古酒持参でやってきたんだ(笑)。で、あらためてお聞きしたいが、端的に、首脳会談、共同宣言の歴史的意義は?

 まず、解放後55年にして初めて両国のトップが膝つきあわせて語らったこと。これだけでも画期的です。そのうえ5項目からなる共同宣言をまとめることができた。5項目の中でも第1項目、第2項目が特筆大書されるべき合意事項です。
 統一は主人公であるわが民族の自主的事業である、と第1項目で高らかに謳いあげました。つづいて第2項目で、南の連合制案と北の緩やかな連邦制案の間には共通性があり、今後この方向で統一を志向すると確認しています。

 ――統一は自主的にすすめられるべき事業であるというのは、72年の7・4共同声明、91年の南北基本合意書でも、すでに確認されてきたのではなかったのですか?

 全く次元がことなります。7・4共同声明は、北は金日成の弟、南は李厚烙KCIA部長が署名し、基本合意書は南北の首相の署名です。今回は最高首脳自身が責任をもって署名したのですから、今後具体的に実行していくための担保の重さが格段に違う。
 また統一をすすめるにあたり、北は一貫して駐韓米軍の撤退を前提条件にしてきました。南はその問題を単独で解決できないので、ずっと回避し、けっきょく統一はお題目に終始してきた。米国だけでなく、ロシア、中国、日本の周辺四大国の力関係を配慮せざるをえなかったのです。
 それが今回は、統一は当事者である民族の自主的事業であると明記したのです。

 ――北の統一政策が変わったということですね。

 そうです。金大中の太陽政策を北は当初、吸収統一のためのカムフラージュにすぎないとして、98年に潜水艇事件、昨年の西海岸での武力衝突など、挑発行為をくり返してきました。しかし金大中大統領は挑発に乗らず、柔軟に対応してきました。それが、金正日の金大中に対する信頼感を徐々につくっていったのだと思います。
 北の統一政策は長らく「一つの国家、二つの政府、二つの体制」でした。それに対して南は「二つの国家、二つの政府、二つの体制」を対置してきた。今回、北が「低い段階の連邦制」に政策変更したのですが、事実上は南の統一政策に近寄ったといえます。北は「赤化統一」を放棄し、南も「吸収統一」を捨てた。両首脳の信頼関係が、これを可能にしました。
 91年には国連に同時加盟しましたし、基本合意書の署名が大韓民国首相、朝鮮民主主義人民共和国首相となっており、91年に事実上ふたつの国を認めていたのを、今回再確認したともいえます。
 北への経済協力についても現代グループによる金剛山観光開発にみられるように、首脳会議に先立っておこなわれてきたことも信頼関係をつくるうえで大きかった。金剛山観光に南から昨年一年間で25万人も出かけました。北の外貨獲得にとっても大きいのです。

 ――韓国の著名で民主的な社会学者、姜禎求東国大学教授は、16日付『赤旗』のインタビューで、梁さんと同様に共同宣言を高く評価しながらも、世界にむけた「平和宣言」が欠落していることが残念だと言っています。

 「平和宣言」を発しようとすれば、まず、まだ休戦協定でしかない協定を平和協定にしなければならない。しかし、休戦協定はこれまで北が南を交渉相手にしない大義名分であった米中朝三国の協定で、韓国は入っていないのです。南北だけで休戦状態から平和共存にするには、国際法上のネックがあります。

 ――しかし、次に金正日が訪韓し、ホットラインを敷設するなど、平和共存のための具体的努力を積みあげることによって、そうしたネックを形骸化させることができるでしょうね。ところで、首脳会談と共同宣言に対する日本のマスコミ等の論評に、梁さんは満足されていますか?

 日本のマスコミは高く評価するといいながら、日本が今回の会談にいたる過程から疎外されているとか、金大中がテポドン問題や拉致疑惑についての日本の言い分をきちんと金正日に伝えてくれただろうかと心配している。この程度の国際感覚でこれから急進展するであろう東アジア情勢にあって、ちゃんとやっていけるのだろうかと、他人事ながら心配しています(笑)。
 ある評論家などは、経済協力といっても経済大国日本に頭を下げず成功するはずがないと言っている。何と傲慢無礼なんでしょう。口では高く評価しながら、腹の底では南北関係の良好な発展、統一を望んでいないのではないか。
 韓国は、とくに金大中政権以降、日朝関係の改善、国交回復を支持してきましたが、肝腎の日本は賠償問題など戦争責任を誠実に果たそうとしていない。逆に北朝鮮の孤立化と冷戦的環境が維持されることに国益を見出している。
 南北の首脳会談の成功を祝して、金大中大統領と金正日総書記に祝電を打ったのは、中国だけです。さすがは「東方礼儀の国」! たしか日本も「東方礼儀の国」ではありませんでしたか(笑)。


いずみ

 インタビューを終えて、梁夫妻と私たち夫妻の四人でホルモン焼きのメッカ猪飼野にくり出した。日曜日ということもあるが、営業している店はどこも超満員。六時に入って、次の予約の7時までなら飲ませてあげるといわれ、それでもけっこうと、なんとか座り真露の一気飲み。
 2階にあがると定員30人ほどの座敷に50人ばかりがひしめきあって宴たけなわ。梁官洙さん、金恵栄さん、わが妻にまであちこちから声がかかる。在日韓国人政治犯救援委員会の祝賀パーティだったのだ。在日政治犯は金大中政権になって全員釈放され、祝賀会はとっくにすんでいるはずなのにと訝っていると、共同宣言のお祝いだという。
 それとは別の小部屋がぼくら一時間ぽっきり組にあてがわれたが、相席グループはふつうのコリアン。なのにそこも共同宣言マンセーの宴会。13日から連夜のお祭り騒ぎは酒豪梁官洙一人のものでなく、コリアタウン全域が躁状態なのだ。店主も従業員も休む暇ないとうれしい悲鳴。
 こうなったらあとは食って呑み潰れるだけだ。しばらく会っていないロックシンガー趙博をケイタイで探索、なぜかいなせな和服の着流しが様になっているアボジのスナックで合流。今宵は趙くんも韓国演歌を歌い、梁夫妻は闘争歌や艶歌に興じる。趙くんはむろん、梁夫妻の歌唱力たるやクロウトはだし。歌舞音曲の民族の面目躍如である。いなせなアボジまで客の金で歌いまくるものだから、安いはずの店で大散財。政府が責任をとらないものだから、一人で植民地支配の贖罪を支払わされたしだいである。
 昨日まで政治は一切関係ないとしらけてたヤツが誰彼なしに握手を求め、はしゃいどる。狭くて小狡い政治主義的了見の自称活動家が一夜明けたら普遍的人類愛の説教士に様変わりしとる。マスコミはこんなヤツらを追っかけ猪飼野中徘徊しとる。こんなんにかぎって万が一南北関係が壊れたら真っ先にそれみたことかと言いよる。どつかな根性直らん。そやけどワイも人並み以上に感激しとんやで。誤解ないよういうとくわとは、ある在日の弁。

小寺山 康雄


ECOひいき

田島征三オリジナルTシャツ (東京)
*森からの贈り物*

 日の出の森への思いを共有し、裁判を支える田島征三のオリジナルTシャツです。図柄はテン、キツネ、むささび…森で元気に暮らしていた動物や植物などで、すべてTシャツ用に描きおろされたもの。販売を始めて4年、斬新なデザインと、品質の良さで大好評です。リピーターが多いことが何よりの証明でしょう。
 売上は裁判関係の経費に充てています。この度やっと差止め裁判で共同調査が実現することなりましたが、調査費用の半額340万円を調達しなければなりません。Tシャツの売上はその貴重な財源です。
 いよいよ夏本番、Tシャツの季節です。図柄もサイズ豊富なので、組み合わせてプレゼントにもぴったりです。是非ご活用ください。そして裁判を支えてください。
 ・大人用(S・M・L・XL)  2500円
 ・子ども用(S・M・L)    2000円
 ・トートバッグ        1000円
《注文方法》
 振替用紙に申込み事項を記入して、所定の金額を振込んでください。入金確認後に品物をお送りします。

中野 訓枝(征三グッズ事務局)

【連絡先】日野市新井885−18中野方
      TEl/FAX 042-592-5558
      ※お店、イベントなどで委託販売をしてくださる場合は「おさるのき」(042-597-6026)にご相談ください〉

 

草木土 (神奈川)
*ハーブ料理の店*

 横浜の山下公園のそばに、自然派ハーブ料理店ができた。内装を依頼された彫刻家の中里絵魯洲さんは、店長のひなちゃんに「日の出の森の野外展のような店を」といわれ、「風の塔」のような店をつくったのだとか。これがどういうことなのか説明すると……1冊の本になるような物語になってしまう。
 東京・日の出の森に巨大なゴミ処分場をダイオキシン対策もしないでつくるというので、その土地の一部をトラスト運動で買い取り、そこにステージをつくり、多くの芸術家かが集まって野外展を開いた。コンサートもやり、日の出の森にゴミを埋めるということはどういうことか考えた。そのときであった人々でつくったのが「草木土」というわけだ。
 料理長の田島野歩(のぶ)ちゃんはセンスがいい。材料や味はもちろんだが、ゴミを出さないことにもこだわっている。こまやかな心配りがうれしい植物のようにしなやかな店といっても、実際に行ってみないと分からないかもしれない。行くときは電話した方がいいかも。この間土砂降りのとき、3時頃だったかについでに寄ったのだが、閉まっていたので仕方なく中華街へ行ったのだった。

小牧みどり(ひので大学)

【連絡先】TEL/FAX 045-641-3883
【行き方】JR関内駅より徒歩12分。桜木町駅よりバス7分。横浜駅よりバス15分。

 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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