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『ACT―市民の政治―』208・209号(2003年1月1日)

Line Up

  ◆新年メッセージ広告
      「この声を伝えるメディアを〜自衛隊のイラク派兵に反対します」 写真:広河隆一
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆イラク・サマワ現地は今――綿井健陽さん(ジャーナリスト/アジアプレス)に聞く
  ◆軍事占領と一体化した復興支援を問う――清水俊弘さん(JVC)に聞く
  ◆イラク問題への対応・市民からの対案を  大野拓夫(市民活動家)
  ◆法談閑談/「知覧」と「国立競技場」
  ◆ACT編集委員会・新春座談会
    総選挙結果を分析する/市民の政治を展望する
  ◆ACT関西企画
    留学生への意識調査アンケート――ワタシたちはこう見てま〜す
  ◆社民党からの定期便A
  ◆〈写真コラム・路傍の片隅から〉M
  ◆12・18小田急裁判 まさかの不当判決
  ◆2004年 わたしのひとこと
  ◆住民投票津々浦々[11月1日〜23日]
  ◆ACT・新春川柳
  ◆編集部より〜「21世紀宣言」の投書をめぐって
  ◆広告(2面) 『軍縮』2月号……潟Aストラ
            『創』1・2月号ほか……創出版
            『記録』1月号
            『インパクション』139号
       (7面) 鰍ウつき印刷
            健康食品「ケンコウキン」……泣Jルティエ
       (8面) 入浴剤「芳泉」……ほんの木

イラク
サマワ現地は今

綿井健陽さん(ジャーナリスト/アジアプレス)に聞く


「彼らが期待しているのは日本の企業。軍隊ではない」


綿井 健陽
わたい たけはる
 1971年大阪府出身。アジアプレス・インターナショナル所属。スリランカ民族紛争、パプアニューギニア津波被害、スーダン飢餓、東ティモール・アチェ独立紛争、マルク諸島(インドネシア)宗教抗争などを取材し、03年3月から4月は、空爆下のバグダッドから、映像報告を行った。共著に、『アジアの傷、アジアの癒し』(風媒社)。『イラク戦争―検証と展望』(岩波書店)。JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)、アジア記者クラブ会員。綿井健陽Web Journal→http://www1.odn.ne.jp/watai/ 【構成:清水直子】


 小泉政権によるイラクへの自衛隊派遣が目前に迫っている。イラク復興支援特別措置法法が前提としていた戦闘終結にはほど多く、米軍中心の占領統治に対するテロ攻撃は後を絶たない。小泉首相は、自衛隊の活動内容や派遣目的についてまともな説明をせず、「イラク人も支援を求めている」と強弁するが、イラク、特に派遣先のサマワの人たちは、日本の自衛隊派遣をどう受けとめているのだろうか。11月16日から12月3日までイラクに滞在し、6日に帰国したジャーナリストの綿井健陽さんに現地の様子を聞いた。

日本の企業が支援に来る!?
誤解と幻想が渦巻くサマワ

 11月22日から29日まで1週間、サマワに滞在しました。サマワの人口は周辺部を含めても30〜40万人で、セメント産業が盛んです。失業者は5割を超えるといわれますが、物乞いが溢れているわけではありません。サマワの人たちは親日的で、地元のテレビで放映された日本のドラマ「おしん」を見たり、イタリアのサッカーリーグの試合を見て「ナカタ」や「タカハラ」という選手名を知っている人もいます。何より日本の電化製品に対しては、信仰といっていいほどの信頼があります。
 現地は噂が広まりやすく、なぜか、「日本の企業が来る」という噂でもちきりでした。サマワの人はみな「自衛隊と一緒に自動車や電気製品で有名な日本の企業が来て自分たちを応援してくれる」と思っており、幻想と誤解と異様な期待が渦巻いています。
 私が、「来るのは日本の自衛隊だけだ」と話しても、「なぜそんな嘘を言うのだ」と言われるほどです。日本人は「大歓迎」されているけれど、そこには日本の企業もやって来て、そこで働けるのではないかと思い込んでいるのです。彼らが期待しているのは日本の技術力や経済力や雇用であって、軍隊ではありません。
 今、サマワに駐留しているオランダ軍は、市民の評判が悪く、その分「日本軍」に期待する向きもあるようですが、日本の良いイメージと幻想だけが、サマワの人の頭の中で大きく膨らんで先行しているようでした。

「自衛隊歓迎」垂れ幕
現地語では「日本人歓迎」

 サマワ市内に日本の支援を歓迎する横断幕が3枚かかっていましたが、うち1枚は、アラビア語と日本語が並記してあって、日本語では「ようこそ自衛隊の皆様」と書いてあるけれど、アラビア語では「ようこそサマワへ 日本人の皆様」と書いてありました。
 不思議に思って取材したところ、日本語の部分を書いたのは、11月に取材に来た日本のジャーナリストでした。通訳の誤訳によるものか、あるいは意図的なのかはわかっていませんが、この「自衛隊歓迎」の横断幕は、色々なかたちで利用されました。
 衆議院議員の平沢勝栄氏は、テレビで「現地には自衛隊を歓迎するという横断幕まで掲げられているじゃないか、地元の人はみな歓迎している」などと発言しました。政府の専門調査団の報告書にも、「地元当局は日本の自衛隊が来るのを大歓迎。サマワには歓迎の横断幕が出ている」と書いてあります。
 11月16日から1週間ほど政府の専門調査団がサマワに派遣され、自衛官や政府関係者が現地の警察や州評議会関係者と懇談しました。彼らが泊まっていたオランダ軍の駐屯地を訪れてみると、同軍の係官が「彼らがここで何をしていたかのかって? さあ知らないね。 They were just looking!(見に来ただけ)」と話していました。砂漠の駐屯地で大部分の時間を過ごした調査団に、日本人を「大歓迎」して過剰な期待を寄せているサマワの一般市民の人たちと直に話をする機会はあったのでしょうか。
以下、本紙をご覧ください

いずみ

 サダム・フセインがついに捕まった。護衛はわずかに2人、頭髪はぼさぼさ、白髪まじりのあごひげは伸び放題。銃は持っていたが抵抗せず、自殺もせずに捕まった。
 暫定占領局(CPA)で記者会見したブレマー米文民行政官は冒頭「ウィ・ガット・ヒム」と誇らしげに発表し、背後のスクリーンには壁に頭を押しつけられ口を開けさせられているフセインの哀れな姿が繰り返し映し出された。一方、ブッシュはホワイトハウスでの緊急会見で「かつての独裁者は正義の名の下に裁かれる」と、勝ち誇った。
 数日前に発表されたイラク復興事業に、仏独など米国に非協力的だった国は参加させないことと合わせて、いま世界は勝ち組と負け組、正義と不正義がアメリカという唯一絶対の審問官によって判定され裁かれようとしている。
 独裁者フセインはテロリスト、ビンラディンと同様に、アメリカが生み出した妖怪である。イスラム革命を潰すため、クルド人の自由を封じ込めるために、アメリカはイラクを軍事独裁国家に仕立てるべくフセインを養成し、イラクの民主化を阻害した。
 フセインを裁く資格はアメリカにはない。アメリカはフセインとともに裁かれる側に立っているのだ。フセインはアメリカが参加を拒否している国際刑事裁判所で裁かれるのがいい。もちろんフセインに弾圧されたクルド人、シーア派、イラクの民主化を闘った人びとの手によって裁かれるのが一番いい。失うものが何もなくなったフセインは、そこでアメリカの罪業を洗いざらい証言するがいい。生きて虜囚の辱めを受けたフセイン最後の花道がそこにある。
 この国のマスコミはフセインの醜さを暴くことに躍起になっている。たしかにフセインも金正日も独裁者であり、犯罪人である。であるなら天皇裕仁は独裁者でなく犯罪人でなかったのか。2千万人のアジア人を殺し、100万人を拉致し、性奴隷にし、300万人を戦死、戦災死させ、数千人の朝鮮人、共産主義者、自由主義者、反戦主義者を虐殺した責任は裕仁にはないのか。
 醜いのはフセイン、金正日だけではない。 

                                                     小寺山康雄 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)

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