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『ACT―市民の政治―』202号(2003年9月22日)

Line Up

  ◆辛口レビュー 『「拉致」異論』の著者
              太田昌国さん(評論家・編集者/現代企画室)
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆9・11 『チョムスキー9・11』イベント
  ◆アフガンは今 ペシャワール会・中村哲さん報告
  ◆〈案内〉小田急高架訴訟・勝利判決を求める市民集会
  ◆法談閑談/姜尚中さんへのエール
  ◆〈写真コラム・路傍の片隅から〉J
  ◆〈案内〉公開セミナー・ニュージーランドはなぜ戦闘機を全廃したか
  ◆ACT関西企画
    緑の政治ユーザーズガイドD
  ◆三宅島噴火災害から3年……
  ◆福島の農村で脱WTOキャンペーン
  ◆Hot Issue in the World(17) カンクンWTO会議にアジア各地で抗議
  ◆10・5 上関町長選
  ◆〈案内〉浜岡原発運転停止求める訴訟団募集
  ◆BOOK Review
     辛淑玉 著 『鬼哭啾啾 「楽園」に帰還した私の家族』(解放出版社/1800円+税)
     趙博 著 『ぼくは在日関西人 歌う浪速の巨人・パギやん奮戦記』
  ◆[ウレセン映画批評] 007 ダイ・アナザー・デイ
  ◆テレビ丼
  ◆ECOひいき特別版 京都・ぎゃらりーひらたやのアートマーケット10周年
  ◆〈案内〉写真展・静かな時限爆弾=アスベスト被害
  ◆広告(2面) ケンコウキン……泣Jルティエさつき印刷
            『創』8月号……創出版
       (3面) 自然治癒力を高める連続講座……ほんの木
       (4面) さつき印刷
            月刊『あれこれ』10月号……あれこれ
            『記録』10月号……潟Aストラ          

辛口レビュー

『「拉致」異論』の著者
 太田 昌国さん
(評論家・編集者/現代企画室)

植民地支配の清算と拉致問題――国家犯罪として同時解決を

「相殺の論理」を越えた「とらえかえし」こそ

太田昌国
おおた まさくに
 1943年、北海道釧路市生まれ。東京外語大学ロシア科卒業。73年〜76年、ヨーロッパによる「征服」の地であり、59年キューバ革命の影響もあって激動するラテンアメリカに向かい、各地で生活・労働しながら大陸部のかなりの部分を旅する。80年代半ばから編集者として、人文科学書、とりわけ第三世界の歴史・思想・文学、世界と日本の民族問題、南北問題などに関連する書籍の企画・編集を多数手がける。80年代初頭から自らも文章を書き始め、著書、翻訳書は多数。最近は日本の政治・社会・文化状況などを主なテーマにさまざまな媒体で意見を発表し続けている。【インタビュー:9月16日/構成:大島正裕】

◆現代企画室   http://www.jca.apc.org/gendai/
   千代田区猿楽町2-2-5-302
   TEL03-3293-9539 FAX03-3293-2735
   E-mail: gendai@jca.apc.org


 小泉首相と金正日総書記の首脳会談、「日朝平壌宣言」から1年。昨年10月15日に被害者5人が帰国して以降のメディア報道もふくめた日本社会のある種、全体主義的で抑圧的な空気に、言いようのない息苦しさを覚える。本紙では、この1年、「平壌宣言」「植民地支配と清算の問題」「拉致問題」「脱北者問題」「核開発問題」など個別テーマに関して個人論文のかたちで掲載してきた。今号では、全体情況について、また、「われわれ総体」の何が問われているのかについて、『「拉致」異論』の著者、太田昌国さんに聞いた。
 ――『「拉致」異論』を出されて2ヵ月ちかく経ちました。いくつものメディアで書評や紹介がされていますが、読者からの直接的な反響はいかがですか?
 出版社からは、読者カードの返却率が高いと聞いています。昨年9月17日の「平壌宣言」から一年、なんの批判精神もない、俗情と結託した画一的な報道があふれている中で、よくぞ書いてくれた、共感するという意見が非常に多いです。
 在日朝鮮人からも多くのお手紙をいただきました。右翼言論を批判するのは当たり前ですが、進歩派とか左派、あるいは市民派の言論のあり方について、とらえかえそうとする部分にも共感してもらったと感じています。
 「とらえかえし」というのは、外在的な批判というよりむしろ僕自身の位置していた場所や考え方も含めて、自己批判的に問題提起したつもりですが、実は、最も意見を聞きたい、左派・進歩派といわれる人たちからの反応が非常に鈍い、というか、ほとんどない……。
 ――それは、なぜだとお考えですか?
 自分たちが非常に曖昧にしてきたこと、無関心でいたことについての自己批判的なとらえかえしが、今回の「拉致」問題に関しても、まだはっきりと現れていないということだと思うんですね。
 僕自身、左翼・進歩派といわれる部分に自分を位置づけてきました。考え方や生き方についての自己確信、そのための客観的情況があった時代はいいのですが、80年代、90年代、それらがこれだけがたがたになって、自分たちが信じてきた思想や世界の一部で実現したとされてきた社会主義体制とは一体なんなのかということを、根本から省みなければならない時代が到来して長い時間が経ちます。
 それなのに、その根本問題をめぐってきちんと内省的にとらえかえそうとする努力が決定的に足りないんだと思うんですね。
 個々人あるいは運動のあり方も、ここまで脆いものであったか、あやふやなものであったか、こんな無残な失敗をしてきたのかと、率直に現実と向きあって新しいものを切りひらいていかなければならない。自分たちの間違いや不十分さを認めること自体は、実はそんなに難しいことではないのです。
 ――「拉致」問題に関しては、あまりに無関心であったり、そんなことはありえないと考えてきたり……。
 ありえないというのは、つまり社会主義を自称する国家体制に対する暗黙の了解があっただろうし、植民地支配に対する清算が日本国家としてできていない段階で北の体制をあれこれいうわけにはいかないと自己規制する人もいたでしょう。
 しかし、現実に起こっている事態にまっとうに向きあえば、そういうこととは別に、どこかの段階で事実と向き合えたと思うんですね。
 社会主義幻想と、敗戦後半世紀以上を経て今なお清算されていない植民地支配の問題を、その社会に生きる一個人としてどういうふうにとらえるか、という問題です。
 ――私自身、この間、「拉致」問題と植民地支配の問題を相殺する言い方、考え方にときに陥りがちでしたが、太田さんが書かれた『「拉致」異論』を読んで、いろいろな問題が整理できたような気がします。
 「拉致はひどい、許すことはできない。しかし、まだ日本は植民地支配の清算を終えていない」という論法があります。昨年の9月17日からちょうど一年が経ちますが、この論法はいまだにつづいています。
 これはやはり北朝鮮の指導部がおこなってきた「拉致」という国家犯罪ときちっと向きあおうとしない、弱みをさらけだしている論法だと思います。僕自身、日本の植民地支配という国家犯罪についてはほとんど同じ位相で考えていますが、「しかし」とか「だが」という接続詞を使って論点の移動をしようとは思わない。両者とも過ちであり、償いをしなければならない。同時に解決していかなければならない個別の問題なのです。
以下、本紙をご覧ください
(今号はロングインタビューです。是非、本紙で全文をご覧ください!)

いずみ

 劇的なサヨナラ勝ちをしても、5万3000人が1人として席を立たない。スコアボードの大スクリーンが映す横浜球場の横浜−ヤクルトの試合に見入っているのだ。7時33分、ついに横浜が勝って阪神の18年ぶりの優勝が決まった。テレビ観戦のぼくは女房の手前もはばからず、涙がとまらない。
 「よかったネ、ヤスオくん」と、やさしい女房は笑いをかみ殺しながら一緒に喜んでくれる。「うん、よかった。ずっとさせてくれなかった女がやっとさせてくれた思いや」と、図に乗ってしまって、思いきり頭をぶん殴られた。
 在阪のテレビ局はNHKも含めて例外なく特番を翌朝まで放映。スポーツ新聞は休刊日にもかかわらず5紙セットを売り出し、早朝六時には売り切れ。道頓堀川にとびこんだ数は5300人。梅田界隈の店は、百貨店、スーパーはもとよりカラオケ、ピンクサロンまで半額セール。それをまた「明るい話題」づくりに躍起になっているマスコミが過熱報道するものだから、阪神フィーバーはいやがうえにも盛り上がる。
 失業率が沖縄を抜いてついに全国一になった大不況の街大阪のもっぱらの話題は、阪神フィーバーの経済効果。控え目の予測1000億円から6000億円に至るまで、捕らぬ狸の皮算用がまことしやかに語られている。確かに阪神関連の商品をはじめとしていくばくかの経済効果はあるだろう。しかし、それで雇用が拡大し、サラリーマンの所得が増えるわけではない。月の小遣い3万円が10万円になるわけでもない。うたかたのごとき泡にすぎないことは3才の童子でもわかることだ。唯一確かなことは、経済効果論者の講演と原稿の注文がふえ、彼の所得が増えることだけだ。
 阪神の優勝は巨人とは違うチームづくりの勝利である。関西の経済的再生は東京、つまりこの国の主流の経済システムとは異なるシステムの構築によってはじめて可能になるだろう。大阪の中小零細企業の物づくり技術とネットワークの下からの再生。脱米入亜の経済圏の創造……。
 阪神はすべてにオルタナティブなのだ

                                                     小寺山康雄 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)

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