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『ACT―市民の政治―』179号(2002年10月14日)

Line Up

  ◆辛口レビュー アイヌ民族―地域文化を原点に
              貝澤 耕一さん(特定非営利法人ナショナルトラスト・チコロナイ理事長)
  ◆CATCH UP  ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆[1面関連] アイヌ民族の自然観
            ECOひいき特別版 北海道・シケレペ農場
  ◆〈ザ・主張〉日朝国交正常化交渉の今後   内田雅敏(弁護士)
  ◆平頂山事件訴訟判決とその意味(上)
  ◆〈ニュースの焦点〉 東京電力の大不正事件と臨界事故、そして浜岡原発
  ◆〈末端私論〉 中野区長選報道に質問
  ◆〈写真コラム・路傍の片隅から〉C
  ◆OLのつぶやき(18) リストラ収容所
  ◆経介☆政子の永田町たちばなし(8)
  ◆〈集中連載〉貧乏記者のアフガン現地ルポF
  ◆〈案内〉第2期 市民講座・あしや
  ◆現地訪問ルポ・中国東北部を訪ねて―日中国交30周年への思い
  ◆市民派議員リレートーク(53) 小林俊(静岡県裾野市議)
  ◆9・30 JCO臨界事故3周年行動
  ◆ECOひいき 東京・いのくら屋
  ◆BOOK Review
     自然エネルギー推進市民フォーラム 編
       『よくわかる 自然エネルギーQ&A 
        市民はエネルギー問題をどう考え、どう解決するか』
     中野かんみ 著 『マチガイの結婚』
  ◆仏・農民運動家ジョゼ・ボベさん10月下旬に来日
  ◆〈販売案内〉チェルノブイリフォトカレンダー
  ◆広告(3面) 『軍縮』11月号……宇都宮軍縮研究所
       (4面) 『オバハンからの緊急レポート』・『言論の覚悟』……創出版

辛口レビュー

アイヌ民族−地域文化を原点に
 貝澤 耕一さん
(特定非営利法人ナショナルトラスト・チコロナイ理事長)

二風谷ダムの現状と平取ダム建設問題

生態系を変えてしまった公共事業ムダなダムより町が潤う植林こそ*

貝澤耕一
かいざわ こういち
 1946年、北海道沙流郡平取町二風谷生れ。地元の小学校、中学校、高校から、酪農学園の短大に進学。二風谷ダム訴訟原告としてアイヌを先住民族と国家に認めさせた。シケレペ農場(連絡先 〒055-0101 北海道沙流郡平取町二風谷31-3 TEL01457-2-2089 FAX01457-2-3991 なお注文はFAXで)を経営し農業を生業にしている。そのかたわら、特定非営利法人ナショナルトラスト・チコロナイ理事長を務め運動を展開中(寄付金の使途は、土地の買い取りや保全契約・維持管理費・通信事務費など。送金先は、郵便振替口座番号00900-2-52024 加入者名・NPO法人チコロナイ/年会費は4000円。連絡先はシケレペ農場と同じ)。さらに、カムイノミ(神への祈り)・トマ(ござ)の制作・スケ(料理)・古式舞踊と歌などの伝承活動を目的に、1983年に結成された平取アイヌ文化保存会の事務局長を務めているほか、福祉法人二風谷福祉会理事長として多忙な日々を過している。
【写真・構成:水木たかお(函館)】


 ――二風谷ダム反対というお父さんの遺志を引き継いだ思いを聞かせてください。

 そう言われていますが、実は最初から関わっているんです。父親が反対するときに僕に相談してきたから、もしも死んだら引き受けるよ、10年20年で終わらない、と始めたことです。車の運転をして一緒に歩いたので内容も全部知っています。このダムの目的は破綻した苫東(苫小牧東部地区工業地域)の工業用水を取水するためで、今となっては不必要なダムなのです。
 僕としてはアイヌ文化の伝承の場所を失うというのが大きな問題でしたが、親父さんの目的は、政府がアイヌの声を全然聞かん、だから大きな国家事業に異議を申し立てアイヌの声を政府に届けよう、と始めたんです。親父さんの言っていたことは漠然としたもので、よく分からないのですが、僕は、アイヌを先住民族と国に認めさせることを最終目的にしました。幸い、被告の国は控訴せずに判決が確定し、アイヌを先住民と認めたかたちになっていますが。

 ――ダムができて、周囲にどんな影響を与えましたか?

 ダムがこれほど生態系、自然環境を変える恐ろしいものだとは思いませんでした。行政側は、鮭が魚道を通って年間百何匹登ったと宣伝していますが、それ以上に魚道に入れなくて死んでいます。魚は流れにそって上流へいくのにダム湖には流れがないから行き場を失って死んでいく鮭がたくさんいます。彼らはそれをけっして言いません。また鹿がダム湖のために対岸の崖を登れず、自由往来ができなくて何頭も水死しているようなのに、公表もしていません。
 試験湛水を始めたのが1996年4月1日、水を抜いてチプサンケ、舟おろしのお祭りを8月20日にやりましたが、4ヵ月でヘドロが深い所で30センチ、浅い所で10センチも溜まっていました。今、どれだけ溜まっているか計り知れませんよ。
 ダム事務所は「このダムは入水量と出水量は同じ」だと言っていますが、これではただの川ですよ。目的の洪水調整とか、水量調整というのは嘘です。このダムのせいで、雨が降ると水が濁り、濁った水がダムに溜まります。ダムの下流は、夏の間、ほとんど半分以上が濁った水しか流れていません。
 下流の人たちも「魚が思うように遡上しない」と言い出しています。ダムで上流から流れてくる砂などを塞き止めてしまうから、ダムから下は川底が下がってきています。下流は護岸工事やって、喜ぶのは土建業者だけです。
 ダムの水は水圧により底の水しか絶対に下流に流れません。水温は常に6〜7度、高くても8度。1年間、一定温度の水が流れている状態で、魚は水温差を感じることができなくなるから、遡上しなくなります。さらに、川の水が塞き止められ、上流から流れてくる落ち葉や堆積物に微生物が繁殖し水中の酸素を使って分解するので、ダムの水は酸欠や窒素過多状態になる。下流域の生態系をおかしくするのは当たり前ですよね。

以下、本紙をご覧ください。

2面に関連記事掲載



いずみ

 朝鮮民主主義人民共和国と金正日政権に、一片の幻想も抱いていなかった。「北朝鮮悪魔の国」論の本が、本屋に所狭しと平積みされる数年前から、拉致はやったに違いないと確信していた。だから金正日が犯行を白状してもショックはない。
 許し難いのは、あのような犯行が社会主義と人民共和国の名においておこなわれたことである。日本帝国主義の植民地支配と、拉致に数千倍する犯行に対して、告発し償いを要求する正当な権利を有する民の国の権力者が、かくも陋劣にして恥知らずの犯行をしでかしたことが許せない。
 こうして社会主義の知的道徳的ヘゲモニーは地に堕ち、回復不能までに打撃を蒙った朝鮮人民の殺され、奪われ、辱められたことに対する告発と償いを求める正当性は相殺されかかっている。
 拉致され、あるいは殺されてしまったかもしれぬ家族の悲しみと憤りは正当である。歴代自民党政府が家族の訴えに耳を貸さず、社会党など野党も本気に取り組まなかったことを糾弾するのも当然である。救出協議会や拉致議連を頼りにするのも無理からぬ。
 だが、憤りを向けるべきは北朝鮮だけであろうか。不平等不十分であるが、韓国と国交樹立してから37年経つ。にもかかわらず、北朝鮮に対しては一貫して敵視政策をとってきた。北朝鮮にとって在日米軍は、在韓米軍とともに、日本にとってのテポドンの数十倍もの脅威なのである。そして、有事法制が想定する最大の有事は朝鮮半島有事なのだ。拉致は許し難い犯行であるが、実行者をして犯行が国家への忠誠の証しと錯覚させる土壌は日米韓がつくってきたのだ。救出協議会や拉致議連、マスコミが意識的に避けているのは、このことである。
 ブッシュの脅威を和らげ、経済危機を脱するためには、金正日にとって国交正常化以外の選択肢はない。小泉は拉致という金正日の負い目をフルに利用して交渉に臨む。金正日もまた、人民の補償権利をダンピングして交渉しようとしている。日朝人民の生命と人権が、国家によって陵辱されようとしているのだ。

                                                     小寺山康雄 


ECOひいき

いのくら屋 (東京)
 *無農薬野菜産直の店*

 輸入野菜の残留農薬、食肉の産地名偽装表示……つい最近のことなのに消費者の反応にいまいち危機感がうすいようです。大量に生産、分業化される加工、そして長距離輸送のシステムでは、毎日口にする食べ物がどこで、誰に作られて、どうやって運ばれてきたのかを知りようがありません。食卓は不安がいっぱいです。
 “顔と顔が見える店”でありたいと産直の店を続けて16年。食べ物の生産される場と食卓の距離をなくすこと。作る人と食べる人の思いや喜びが相互に伝わること。売る側と買う方との信頼関係。このことが当り前になれば、日常の食卓はとても楽しく豊かになるでしょう。いのくら屋では野菜、くだものはもちろん、お茶、小麦粉、パン、豆腐、ひとつひとつについて、手にとられたお客様に生産者の紹介をさせていただいています。
 野菜は千葉の成田のお百姓さん宅へ週3回仕入に行きます。気候に恵まれた土地とはいえ、年間30種類以上の野菜を無農薬栽培で出荷してくれるお百姓さんは、技術も経験もそして気概も職人さんそのものです。米は千葉の佐原ですが、通年いただく低農薬栽培米と別に、二反歩の田んぼで無農薬栽培の米を作ってもらっています。化学肥料や除草剤を使わない分の労働力はこちらが提供。いのくら屋のお客さんを誘った都会のしろうと集団が、わいわいと田んぼをかき回しています。本当はこのわいわいとかき回すことがいちばん除草効果があるのかもしれません。かるがも農法の原点です。ちょうど今、おいしい新米が届いています。
 9月になってりんご、梨、巨峰、桃、プルーン、くだものが次々と収穫されて届きます。ぜひ、一度、お寄り下さい。店先にはりんごや巨峰が運んできた信州の風が吹いています。店内には新米が今いちばんの人気商品。そうそう、最近ちょっと注目を集めているのは、スタッフこだわりのお酒コーナーです。沖縄の泡盛、キューバの純正ラム酒がひそかなブームになっています。なぜ沖縄とキューバなのでしょう。両方の地に通いあうものは意外に多いのです。フムフムと思われる方は、よほどの音楽好きか、島好きか、焼酎好きか、人間大好きかも……。
 赤ちゃん連れの若い世代のお客さんも増え、真剣に食べ物を選ぼうとしている姿にほっとします。世代を越え、同時代を生きるお隣さんとして、食べ物のこと環境のこと、健康のことなど気軽に立ち話できるお店でいたいと思っています。たまには焼酎など酌み交わしなが……。

安中 知子

【連絡先】東京都大田区中央1-15-1-102
      TEL 03-3775-9623


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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